プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

解雇問題について交渉していた大手ファッションブランドと和解

解雇問題について交渉していた大手ファッションブランドと和解しました。


和解を迎えて 当事者の思い

問題解決に向けて必死に向き合っていたら、あっという間に3か月弱が経過していました。今日こうして、無事に和解に辿り着くことが出来、心から安堵しております。

事の始まりは、4月某日に突然、人事担当者と本国の部署ディレクターに「2週間後に解雇」と通告されたことでした。新型コロナウィルスによる売り上げ低迷は、小売業が抱える問題としてもちろん理解しておりましたが、だからといって、理由なし誰でも解雇していいかというと、決してそうではありません。会社に対し理由の説明を求めても、「新型コロナウィルスによる業績不振」とだけ言われ、どうしても納得がいかず、どうにかして解決する方法は無いかと色々調べ、辿り着いた先はプレカリアートユニオンでした。

私の抱える問題に、ユニオンはすぐに対応して下さり、そこから会社との闘いが始まりました。組合のみなさんは、他人事ではなく、自分事として私の問題を捉えてくださり、協力をしてくださいました。仲間のために闘うこと、労働者としての権利を当たり前に主張することを目の当たりに出来たことは、私の人生の中で、貴重な経験でした。

とりわけ外資系企業では、私のようなケースに陥ったとしても、「外資あるある」で済まされてしまったり、泣き寝入りをしてしまったりする場合が多いのではないかと感じます。しかしながら私は、「本国」の指示よりもまず、日本の労働法が遵守されるべきであると考えます。このことに重点を置き、アクションを起こし、会社の対応を仰ぐことに、意義があることを、今回の私のケースを通じて、伝えることができたら、と思っていました。

今回、納得のいく結果を出せたことに、大変嬉しく思っています。
どうか、納得のいかない「解雇」に遭ってしまった労働者のみなさんには、ご自身の権利を最大限に主張いただきたいと思っています。

依然として新型コロナウィルスの影響により、新たな活躍の場を見出すのは難しい状況ではありますが、気持ちの整理がをつけ、前向きに、今後の人生を考えていけそうです。

プレカリアートユニオンのみなさま、本当にありがとうございました。


労働相談は 誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5F
ユニオン運動センター内
TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
メール info@precariat-union.or.jp

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東部労組大久保製壜の重大労災1周年抗議ストライキ支援集会に参加しました

東部労組大久保製壜支部の重大労災1周年の抗議ストライキ支援集会に参加しました。

朝からプレカリアートユニオンの争議先の会社への街宣を行い、プレカリアートユニオンからは13人で参加。組合が危ないからやめろと要求していたのに、改善せず、製品の荷崩れが起きて労働者3人が命を奪われかねない大けがを負いました。

会社の悪質な労災事故の被害に遭ったプレカリアートユニオンの組合員も我がこととして発言しました。

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解雇予告手当と残業代不払いの問題で交渉していた東京都の不動業、建設業を営む会社と和解!

 解雇予告手当と残業代不払いの問題で交渉していた東京都の不動業、建設業を営む会社と和解しました。

 解決に際し、当該のSさんは以下のように語ってくれました。

 はじめは自分1人で闘いました。出来ることは全てやった。労基署や弁護士など含め、色々な所に相談したが、費用倒れになってしまうリスクなども考えると難しいと言われました。自分の主張はあくまで法律通りに支払ってほしいということだったのに、どうしてこんなに解決が難しいのかと、壁にぶち当たった思いでした。

 プレカリアートユニオンの存在を知ったのはそんな時でした。他のところでは解決は難しいが、この組合ならば解決できると考えて加入しました。他人事でなく自分事として労働問題を聞いてくれた、電話での熱意のある対応が加入の決め手になりました。「ここで駄目なら諦めよう」という気持ちで闘いました。思った通りの解決ができてよかったです。

 自分と同じような思いを持っている人は少なくないと思います。労働問題は多くの人が泣き寝入りを選びます。今日当たり前の労働者の権利は、先人が血を流して闘って勝ちとったもの。今後は自分に出来る範囲で、労働問題に悩む仲間を勇気づけていくことが出来ればと考えています。

 団体交渉の席で、会社は雇用契約書・就業規則がなかったことなどについて反省の意を示し、今後は労働法などコンプライアンスをしっかりと守り経営をしていくことを表明してくれました。

 

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メールマガジン『プレカリアートユニオン(PU)通信 第104号 <2020.07.03発行>』を発行しました

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 Precariat Union 駆け込み寺から砦へ
 非正規雇用でも若い世代の正社員でも組合を作って労働条件をよくしたい!
 プレカリアートユニオン(PU)通信 第104号 <2020.07.03発行>

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─□ 目次 □───────────────────────────

1.DMUと前田史門氏らによるデマと名誉毀損について
  背景には困難な仲間による過剰な居場所化も
                   【デマ・名誉毀損/お知らせ】

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前田史門氏によるDMU代表者の肩書きを記したセクハラメール

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前田史門氏によるセクハラメール。労働組合をビジネスと混同しているかのようなタイトル

 

DMUと前田史門(宮城史門)氏らによるデマと名誉毀損について 背景には困難な仲間による過剰な居場所化も

清水の駆け込み寺から砦へ 連載3

デマと誹謗中傷の背景には、過剰な居場所化
エンパワーメントされる場だからこそ反応が強くなる面も

エンパワーメントされる労働組合の場で精神の不安定さや困難を抱えた仲間が、「他で認められにくいからここで認められたい」と組合を過剰に承認欲求を満たす場と位置づけてしまった際、認知が歪んでいたり、自己肯定感が低かったりすることで、自分が認められたいように自分のことを認めてくれなかった相手や羨ましいと思った他者を否定したり、自分と同じところまで引きずり下ろしたいと、本来、労働問題の解決を目指す相手と向き合うことや健全な自己実現に費やすべきエネルギーを組合や役員などへの攻撃に転嫁してしまう、という特徴があります。攻撃の手法がインターネットに偏っており、自分の頭の中で作り出した世界に居続けてしまうという問題も。

 1年ほど前から、プレカリアートユニオン、役員、組合員に対して、事実に反する名誉毀損行為を繰り返している、DMUと前田史門(宮城史門)氏らについて、背景も含めて改めてご説明します。
■困難な組合員から雇用を主張した申し入れ
 自らの労働問題について交渉中だった会社に対して正当とはいえない個人攻撃を繰り返すなどし、制止したプレカリアートユニオンの執行委員や他の仲間に対して個人攻撃を行ったり、自らの裁判のために代理人の弁護士が使用したコピー代を組合が負担すべきと言い張るなど、交渉や組合活動のなかで何度もトラブルを起こし、そのたびに役員が数時間におよぶコーチング的な話し合いを十数回も繰り返し、執行委員会の役員が中心となってサポートを続けてきた組合員が、2019年3月、「自分はプレカリアートユニオンの職員である」と言いだし、DMU(デモクラティックユニオン)という労働組合を結成したと主張して、プレカリアートユニオンに団体交渉を申し入れました。
 この前田史門(宮城史門)氏は、プレカリアートユニオンの専従職員ではなく、組合活動の一部についてそのつど、行動費を払っていた組合員でした。雇用関係にはなく、あえていえば、そのつどの業務委託という状態でした。特定の作業をできるかできないかを聞いて、できると答えたら、お願いする、本人の都合のよいときに都合のよいところで作業をし、本人の申告を受けて、行動費を支払う、ということをしていました。同じ作業を無償で行う組合員もいます。
 DMUは、当初プレカリアートユニオンの組織内労働組合であると主張していたため、組合活動の一部に行動費を払うからといって組合員が即、労働者といえるわけではないこと、組織内労働組合だというのに組合員1人しか加入通告がなく複数の組合員の存在が確認できないことなどから(労働組合は2人以上で結成しなければなりません)、団体交渉の開催は見合わせました。
 この団体交渉申し入れによる要求事項のほとんどは、労働基準法上の労働者であることを前提にしていたり、自らの「処遇」改善を求めるような内容ではなく、組合の運営に関する意見、役員への非難や専従職員の待遇引き下げに関するものでした。
 例えば、組合員が街宣に参加しても賃金が支払われないが、専従が街宣に参加した日の代わりに休むのはずるい、というように。しかし、専従は、執行委員長、書記次長といった役割に対して月額固定で行動費を役員報酬として支払っており、どれだけ働いても、金額は変わりません。恥ずかしい話ですが、執行委員長の清水の活動を労働であるとすると、月あたり200時間以上の「残業」をすることもあり、現在の専従の1人である書記次長の稲葉氏も相当に長時間の「残業」をしていますが、行動費の額は変わりません。
 前田(宮城)氏から団体交渉申し入れがあった2019年当時、専従のなかでも、体調が万全ではなかったり、子育て中であるため、清水らのように長時間の活動ができない人もいました。団体交渉を申し入れた前田(宮城)氏は、これらの専従に対して、不公平感をあらわにする発言をしていましたが、労働組合の活動は、誰かがどのくらい活動をするから自分もする、しないというものではなく、自分が必要と考えるからするもので、人と比べるようなことではありません。専従の誰かの待遇を引き下げることに気を取られるのではなく、体調や子育ての事情を考慮して、それぞれが今持てる力を最大限に発揮できるよう工夫をすればよいという説明をしていたのですが、なかなか理解されませんでした。
■労組結成ではなく、分派活動により権利停止に
 なかには、前田氏自身を「交渉担当者として雇用すること」という要求がありましたが、前田氏が出席した団体交渉で、組合員としてふさわしくない振る舞いをしたり、前後に関係者とトラブルを起こすことがあり、執行委員会で交渉担当者としての資質がないことをはっきり伝え、交渉担当者としては外れてもらっていました。
 一方、組合活動に強い意欲を示していたため、その意をくんで、コミュニケーションのトレーニングをしてもらうという主旨で、役員が相当な労力をかけてサポートをしながら、得意と思われる活動をしてもらっていました。執行委員会の場では一定の理解を示していたものの、自分を認めてくれなかった執行委員会を否定したい、または自分を認めてくれなかった執行委員会は執行委員長の清水が恣意的に指名しているのだということにしたくて組合の運営や役員への非難を団体交渉の要求としたようにもみえます。
 このDMUを結成したとして最初に加入通告をし、現在もDMUの代表者を名乗っている前田史門(宮城史門)氏については、DMUという労働組合を結成したことについてではなく、自ら主張する「労働者」としての処遇改善を目的とするならば対象とならない、プレカリアートユニオンから行動費を受け取っていない一般の組合員に、組織を批判するために組合に加入するよう勧誘活動を行ったことは、労働組合としては分派活動ですから、規約に則って、弁明の機会を設けた上で、権利停止の統制処分としています。その後、2019年のレインボープライドで連合が主催するLGBT/セクシュアルマイノリティ労働相談のブースで相談活動を妨害したことにより、再び権利停止の統制処分としています。
 前田氏は労働組合を結成したら解雇されたと主張していますが、そもそも雇用関係にはないため解雇しようがなく、労働組合を結成したことは統制処分の理由ではなく、分派活動とその後の連合のLGBT/セクシュアルマイノリティ労働相談の妨害が統制処分の理由です。
■労組を名乗るも1年以上団交申し入れなし
 前田氏の加入通告の後、組合活動の一部について行動費を払っているT氏からも加入通告があり、組合員が複数存在することが確認できたので団体交渉に応じました。時間も長めに3時間をとって要求事項について協議しましたが、要領を得ない主張に終始し、その後は、労働組合を名乗りながら1年間、1度もプレカリアートユニオンに対して団体交渉の申し入れがありません。団体交渉は1年ほど前にたった1回開催されただけです。
 団体交渉の申し入れがないため、プレカリアートユニオンから、以下を協議事項とする団体交渉を申し入れましたが、DMU及び前田氏は、言い訳をするばかりで、団体交渉に応じようとしません。
1、貴組合及び前田氏らによる当労組組合員、役員、当労組に対する名誉毀損行為、及び組合員、役員に対する個人情報漏洩、アウティングセクシュアルハラスメントについて。
2、T氏が主張する「未払い賃金」について。
3、前田氏が保管していたという当労組の桃太郎旗2枚、当労組腕章、桃太郎旗固定用フックを当労組に速やかに返却すること(団体交渉の開催を待たずに返却されたい)。返却を先延ばしした理由について根拠を示して説明すること。
4、上記に付帯する事項。
生活保護者だから残業代を払わないとデマを発信
 T氏について、DMUや前田(宮城)氏らは、生活保護者だから残業代を払わないと、執行委員長の清水が言った、などという虚偽をインターネット上に発信していますが、事実無根です。そのようなことを言うはずがありません。T氏が生活保護を利用していることは、DMU、前田(宮城)氏とT氏自らが述べています。T氏は、職場でパワーハラスメントの被害に遭ったことにより就労が困難になったとのことで、会社との交渉が和解によって解決して以降、生活保護を受給しながら、できる範囲で街宣活動などに参加していました。
 T氏から、福祉事務所からの就労指導が厳しい、どこかで週1日でも働かなければならないが、民間企業で普通にアルバイトをしたら、仕事中不安感が高じるなどして休まなければならなくなったときに、自由に休憩できるとは限らない、組合活動であれば、自分のペースで活動できて、自由に休むことができる、自分の組合活動について週1日、1日に2時間分だけの行動費さえ払ってもらえれば、他の会社で働かなくてすむ、今までどおり組合活動としてできることをしていくので、そのような対応をしてもらえないか、と執行委員会の場でお願いされました。
■街宣などあらゆる組合活動が「労働」と主張
 執行委員会では、組合活動をT氏の復職へのリハビリの場としてもらえるなら、今まで通り無理のないようにできるときにできるように組合活動をしてもらうとして、週1日、1日に2時間分だけの行動費を払うことで就労に困難を抱えたT氏のサポートができれば、という主旨で、T氏への行動費の支払いをすることにしました。便宜上週1日、1日2時間について行動費を払うことにしましたが、特定の日時にいわゆる出退勤をしていたわけではなく、T氏が取り組んでいた組合活動を無償で行う組合員もいます。
 前田(宮城)氏が、DMUを結成したと主張するようになった直後、T氏は、「自分なら前田君を説得できる」と話すようになり、さらに、組合員が組合活動として当然に無償で参加している街宣活動について、労働であると主張することをにおわせるようになりました。役員が、誤解を生まないように、街宣は労働ではないことを了解した上で参加するなら参加してほしいと求めると、役員や組合員個人に執行委員会を批判したり、前田(宮城)氏の分派活動を支持する内容のメールなどを送るようになった上で、T氏自身もDMUに加入したとしてプレカリアートユニオンに加入通告をし、さらに誰もが組合活動として取り組んでいる街宣活動を含むあらゆる組合活動が、「労働だった」「時間外労働だった」と主張して、25万円ほどの「未払い賃金」を請求しました。
■労基署は労基法違反は認められないと説明
 T氏の「未払い残業代」は存在せず、請求には根拠がないため、そのように伝えると、T氏は、渋谷労働基準監督署に賃金不払いなどの申告をしました。申告が行われれば、通常受理はされます。プレカリアートユニオンとして、誠実に調査に協力した結果、監督官から、労働基準法違反は認められないと説明を受けました。実際にT氏による「未払い賃金」の申告から1年以上が経過しますが、指導などは行われていません。これ以上、ただでさえ多忙な労働基準監督署に迷惑をかけないでほしいです。
 T氏の根拠のない「未払い賃金」請求について検討するにあたり、仮に、T氏が(T氏のこれまでの説明に反してできる範囲で組合活動をしていた時間の全て)労働をしていたというのであれば、生活保護費の返還を求められたり、生活保護の打ち切りもあり得るのではないか、と清水がT氏を心配する発言をしたことはあります。前田(宮城)氏やDMUは、プレカリアートユニオンは、「ナマポには残業代を払わない(と清水が発言した)」「障害者差別をしている」とインターネット上で虚偽の発信をしていますが、そのような事実はありません。
 なお、T氏からお願いされT氏に対して配慮したことがこのような誤った請求をされる結果を生んだことから、専従に役割に対して行動費を支給する以外には、臨時的な場合を除き、組合活動に行動費を支給することはやめました。
■前田(宮城)氏と2人でDMUを結成した名倉氏と内輪もめ
 前田(宮城)氏と2人でDMUを結成したと説明している名倉マミ氏については、2019年のレインボープライドで、連合のLGBT/セクシュアルマイノリティ労働相談の妨害をしたことから権利停止の統制処分とし、組合の名簿を不正に入手・使用したことから、弁明の機会を設けた上で、2019年9月の定期大会で除名しました。
 名倉氏は、街宣などに積極的に参加し、2018年9月の定期大会で執行委員に選出されましたが、執行委員会では、積極的に自分の意見を言うことはありませんでした。その一方で、名倉氏は、特定の組合員に「怪文書」を送付するほか、自分が匿名掲示板で固定のハンドル名も使用しながら、組合や執行委員会役員、特定の組合員に関する誹謗中傷を書き込みをしていることを前提にするかのようなメールを、組合役員へ繰り返しメールで送付するなど、常軌を逸した行動をとっています。
 名倉氏は、DMUの組合員として前田(宮城)氏らと活動していましたが、前田(宮城)氏と対立し、内輪もめをするようになったようです。すると、DMUと前田(宮城)氏は、DMUの結成メンバーであるという名倉氏のことを、プレカリアートユニオンの関係者から嫌がらせをされている、とあたかもプレカリアートユニオンに関係があるかのように敢えて誤認させるかのような情報発信をするようになりました。
■枚挙に暇がないデマと名誉毀損
 昨年2019年7月には、プレカリアートユニオンの組合員2名が原告となり、DMUおよびその代表者である前田史門(宮城史門)氏を被告として、東京地方裁判所に損害賠償請求を提訴しました。
 DMUまたは前田(宮城)氏は、ブログやツイッターアカウントを用いて、組合員個人を名指しして、組合員のプライバシーを侵害したり、あるいは、名誉を毀損するような表現行為を繰り返してきました。具体的には、ある組合員については、ブログを用いて、セクシュアル・マイノリティである組合員の顔写真や実名を執拗に公表する、いわゆるアウティングを行い、また、ある組合員については、当該組合員が、事実と異なるにも関わらず、違法行為をしたかのような表現行為を行いました。
 そこで、各組合員は、これらの表現行為のうち、複数のブログ記事について、東京地方裁判所に投稿記事削除の仮処分を申し立てました。そして、申立てと同内容の命令が、すでに出されています。
 もっとも、DMUまたは前田(宮城)氏は、当該削除命令には従ったものの、いまだ組合員個人を名指しして、各人の名誉を毀損する表現行為を継続しています。
■貸し会議室検索サイトで予約した会議室が「反社」?
 2020年2月には、プレカリアートユニオンと執行委員長の清水が原告となり、DMU及びその代表者である前田史門(宮城史門)氏を被告として、以下の点について、東京地方裁判所名誉毀損による不法行為に基づく損害賠償請求を提訴しました。代理人は、リンク総合法律事務所の山口貴士弁護士です。
 ①DMUまたは前田(宮城)氏は、プレカリアートユニオンが、反社会的勢力と提携した労働組合であるという虚偽の事実を摘示しました。プレカリアートユニオンが、前田(宮城)氏らから弁明を聞くために準備した貸会議室が反社会的勢力と関連があるかのように主張していますが、この貸会議室は、インターネット上の「スペイシー」を利用して検索し、値段が安く場所も西新宿駅に近く便利であるという理由で選んだだけの場所です(結局、前田(宮城)氏らは、弁明を行いませんでした)。DMUと前田(宮城)氏らによれば、不動産登記を取得したらこの会議室となっている物件の所有者が、麻薬取引で逮捕された人と同じ名前だから、反社会的勢力と手を組んでいるのだと結論づけているだけの言いがかりです。
 ②DMUまたは前田(宮城)氏は、プレカリアートユニオンが部落差別をしているという虚偽の事実を摘示した上で、プレカリアートユニオンはアルバイトに賃金を支払わず、部落差別をするような労働組合であるという印象を与えました。
 ③DMUまたは前田(宮城)氏は、執行委員長の清水が、プレカリアートユニオンを反社会的勢力と提携させ、現金を無断で引き出して持ち出すという方法で、80万円以上の資金を反社会的勢力に流出させているという虚偽の事実を摘示した上で、清水は、プレカリアートユニオンを反社会的勢力と提携させるような人物であり、組合の資金を無断で反社会的勢力に流出させるような人物であるという印象を与えました。
 実際は、執行委員会で承認を得た上で、全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部トラック支部の無期限ストライキに取り組む分会にカンパを行ったほか、労働運動全体に対する弾圧ともいえる刑事弾圧に晒されている関西生コン支部に対するカンパを行ったものです。
■会計報告をしていないなどと虚偽を発信
 DMU及び前田(宮城)氏、T氏、名倉氏らが発信している以下のことについても、念のため説明します。
 プレカリアートユニオンの役員選挙が行われていないということは事実ではなく、定期大会に参加したことがある組合員は知っている通り、直接無記名投票により選挙されています。定期大会開催にいたる手続きは、規約に則って行われており、問題はありません。DMUの主張を受けた団体交渉拒否が行われることはなく、もともと、団体交渉を拒否しようとしていた2社がこれを口実に団体交渉を拒否したことから、東京都労働委員会で不当労働行為救済申立をするに至っています。うち1社は、結果として組合員たちが原告となり数千万円単位で未払い賃金請求訴訟を提起することになり、もう1社は会社の破産を申し立てるにいたり(雇用問題については裁判で係争中。この裁判が決着しないと破産手続きは完了しません)、会社にとって有利な結果をもたらすことはありませんでした。
 DMU及び前田(宮城)氏らは、組合の会計報告を行っていないかのように主張していますが、毎年の定期大会で必ず報告を行っており、問題ありません。
■役員の不倫でっちあげとセクハラメール
 DMU及び前田(宮城)氏らは、執行委員長の清水が他の役員と不倫をしているかのように主張していますが、事実ではありません。前田氏らの統制処分を検討するにあたり、弁明の機会を設け、会場として確保した会議室に向かうため、執行委員長の清水と、書記次長の稲葉一良氏が、組合事務所を出たところを写真に撮り、(全くそろいの色や柄ではないにも関わらず)ペアルックを着ていると決めつけ、不倫をしていると事実無根の書き込みをする名倉氏に警告書を送付したら、そのことを「不倫騒動」と主張したり、組合役員や組合員に当てた同送メールでそれぞれ既婚者である清水と稲葉氏対して、名倉氏による不倫であると決めつけるメールに返信するかたちで、前田(宮城)氏がDMU代表者の肩書きを記して「挙式はいつになるんですか?」などと繰り返し送信するなどしています。
 このように事実に反する性的な噂を流すというセクシュアルハラスメントをDMUという労働組合の名前や肩書きで発信していることが、前田(宮城)氏らの姿勢を象徴しています。まともな労働組合が、交渉中の会社に対して、当該の組合員が、何らかの要求を認めさせる手段として、「社長と専務が不倫をしている」などといったでっち上げを行い宣伝することはありません。そのようなセクシュアルハラスメントは正当な組合活動としては認められません。
■田町の仮事務所への移転を「倒産」と決めつけ
 また、DMU及び前田(宮城)氏らは、プレカリアートユニオンが事務所をともにする一般社団法人ユニオン運動センターが、4月末から田町の仮事務所に一時的に移転したことについて、6月中旬までには四谷の新事務所に本格的に移転することを知らなかったのか、「都落ち」「倒産」などと喧伝していますが、事実を歪めたでたらめな内容であることは言うまでもありません。ユニオン運動センター全体の面積は、少し狭くなったものの、裁判所と東京都労働委員会へのアクセスはよく、全体の面積に占めるプレカリアートユニオンのスペースの面積はむしろ大きくなりました。
 このように、DMU及び前田(宮城)氏らによる、名誉毀損、プライバシー侵害は枚挙に暇がありません。自分の頭の中で作り上げた合理性のないことをインターネット上に発信し、そうであると信じようとしてしまう人も一定数は存在します。これまで、前田(宮城)氏らの抱える困難さについては、直に接してきた役員は理解しているため、できる限り自省を促してきました。
 DMU及び前田(宮城)氏は、プレカリアートユニオンの交渉先の会社にプレカリアートユニオンに関する誹謗中傷と、プレカリアートユニオンと交渉に応じないよう求める書類を送りつけています。プレカリアートユニオンの組合員は、前田(宮城)氏やDMUのこの行動について、「DMUは、労働組合でありながら悪徳経営者の側に立つのですね」とあきれていました。リテラシーのある方には、前田(宮城)氏らの行動に合理性がないことは理解できますので、引き続き、代理人と相談しながら、毅然と淡々と対応していきます。
 清水直子(執行委員長)

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前田史門氏によるDMU代表者の肩書きを記したセクハラメール

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前田史門氏によるセクハラメール。労働組合をビジネスと混同しているかのようなタイトル

 

職場を作り出す取り組みも提言。『棄民世代 政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす』(藤田孝典著/SBクリエイティブ)レビュー

 「就職氷河期世代」には、およそ1971年~84年生まれで、団塊ジュニア世代、ポスト団塊ジュニア世代が該当するといわれています。バブル崩壊後の社会情勢の影響により、就職において極めて困難な状況であった世代を指します。氷河期世代は、その後も雇用政策に翻弄され、自己責任であると再チャレンジへの道を閉ざされ続けてきました。著者の藤田孝典氏は、「棄民世代~政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす~」において、これらの氷河期世代は現代の「棄民」であると論じています。

「正社員」になっても埋まらない溝
 就職氷河期世代が大学や高校を卒業し、社会に出ようとしていた時期は、企業が極端に求人を絞ったタイミングでした。有効求人倍率は1を割り込み、1993年から2004年まで毎年8~12万人が就職できない状況が続きました。新卒で正社員として就職できなかった氷河期世代は、派遣や非正規など、いわゆるフリーターとして働き始めます。著者は「秋葉原通り魔事件」や「年越し派遣村」の影響で氷河期=非正規というイメージが出来上がってしまっているが、実際には、例えば大卒ならば35歳以上で正社員になるなど「後から正社員」になる者が多いと指摘しています。ただし、これらの「後から正社員」は新卒採用の正社員との待遇格差が大きく、経済的事情から世帯形成が困難な状況に置かれています。

長生き「してしまう」リスク
 また、氷河期世代は年金による老後の収入も期待ができません。極度の少子高齢化等による深刻な財源不足により年金制度そのものに大きな問題があることに加え、非正規で働き続けた期間などから無年金・低年金である者が少なくないのです。加えて、介護保険料は右肩上がりで上がり続けます。貯金が全くできていない世帯が全体の4分の1にもなる氷河期世代ですが、更に平均寿命が延びることにより長生き「してしまう」ということが大きなリスクになってしまうのです。更に、近年ギグエコノミーの急速な拡大により雇用はますます不安定化しています。

凄惨な犯罪と「無敵の人」
 「無敵の人」というネットスラングがあります。守るべきものを何一つを持たず、自分の命にさえ大した価値を感じられない人はある意味では「無敵」であり、そのような人に犯罪を思いとどまらせることは難しいということを表しています。ここ最近日本で起きた凄惨な事件で、40~50代の棄民世代が加害者・被害者として関わっているケースが多いといいます。練馬区で、引きこもり状態の当時44歳の我が子を殺した元事務次官(当時76歳)は、必ず殺害するという強い意志を持って犯行に及びました。背景には、就職に失敗し引きこもってしまった息子からの深刻な暴力行為などがあったといいます。多くの犠牲者を出した京都アニメーション放火事件を起こしたのもまた、当時41歳の男性でした。

労働組合・協同組合が希望
 著者は、これらの世代に対して政府が行っている支援プログラムは「やっている」感を演出するだけのもので、実際に十分に機能しているとは言い難いと指摘しています。給与所得を上げることが難しいならば、問題解決のために支出を減らす扶助を行い可処分所得割合を高めることが大切であると主張します。更にシェアリングエコノミーによって家賃負担を下げ、社会の共有財産を増やしていくことで、一人ひとりが最低限の生活に必要とされるコストを減じることができ、生活の安定につなげることができます。そして、互助共助の精神による協同組合、労働組合の実践により地域社会を支えていくことが大切だといいます。

 本書では、このほかにも様々な視点から「棄民世代」を救う為の考察がされています。棄民世代の問題を放置すれば、日本社会は破滅を免れません。「人が人らしく働いて生活できる社会」を求め、私たちが日々活動をしていくことの大切さを、改めて強く感じました。

稲葉一良(書記次長)

www.sbcr.jp

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労働組合で尊厳を取り戻し「ネトウヨ」化回避を。『プレカリアート 不平等社会が生み出す危険な階級』(ガイ・スタンディング著/法律文化社)レビュー

 プレカリアートという言葉は、1980年代フランスの社会学者たちによって一時雇用の労働者を指して用いられた言葉ですが、現代ではその中に様々な意味を含むものとして用いられています。『プレカリアート 不平等社会が生み出す危険な階級』の著者ガイ・スタンディングは、ロンドン大学教授を務める経済学者です。ベーシックインカム推進派としても知られる著者が、プレカリアートを取り巻く社会情勢や今後の展望について、幅広く分析し見解を記しています。

形成「されつつ」あるプレカリアートという階級
 本書では、プレカリアートとは形成「されつつ」ある階級であるとされています。雇用や生活は極めて不安定で、特定の職業的アイデンティティに帰属する事が出来ない状況に置かれており、特に日本では、高い教育を受けたにも関わらずその能力に見合わない仕事や低い地位を強いられる若者が急増し、大きな不満を抱いていると分析しています。労働者の共同体の一員であるという連帯感を持たず、疎外感や自分が道具になっているという感覚を強く持っていることも特徴です。不平等・不安定から抜け出す手がかりを得られず、多くの国々で少なくとも労働人口の4分の1程度がこのようなプレカリアートになっているといいます。

プレカリアートユニオンという労働組合が現れたのは喜ぶべきこと」
 プレカリアートが出現した理由の1つには、グローバリズムの名の下にあらゆる者を商品化してきた新自由主義が挙げられます。労働は完全に商品化され、その価格競争の中で労働力は単なる数字として、その人間性を奪われ続けています。また、教育の商品化も同様に深刻です。教育の格差や教員の地位の著しい低下、効率性を重視するために教員のいない学校化を推し進めようという考えもあるということを本書は紹介しています。著者は、そんな格差が拡大し続ける国際情勢の中、「プレカリアートが独立して声を上げようという最初の試みの中から日本でプレカリアートユニオンという労働組合が現れたことは喜ぶべきことだ」とし、労働運動自体も旧来型の労働運動から変革していくことの重要性を説いています。

ネトウヨプレカリアート
 日本でも問題になっている「ネトウヨ」等とも呼ばれる排外的差別主義者は世界中に広がっており、彼らもまたプレカリアートであると著者は分析しています。仮に相当な教育を受けていたとしてもプレカリアートに陥ってしまえば、出口の見えない貧困、不安定な労働等を強いられます。プレカリアートは強い不満と怒りを感じていながらそれらを解消する具体的な術を持ちません。世界中でプレカリアートの怒りが排外主義と結びつき、かつてのナチスドイツのようなファシズムポピュリズムを掲げる政党への支持が急増しています。民主主義が薄まり、若者の投票率が少なくなり、そして右傾化が進んでいく。今の日本を見ても全く同じ兆候が見られることに戦慄を覚えました。

ベーシックインカムにより生存権保障を提唱
 著者は、プレカリアートの抱える問題を解決するための解決策の1つとして、ベーシックインカムの導入を提唱しています。生存のための労働から解放され、労働をよりよい生活のためのものと位置づけることで、プレカリアートをはじめとする労働者は、資本に対し対等に交渉をする力を得るのだといいます。

 極めて多角的・網羅的にプレカリアートを取り巻く様々な環境への分析、提言を行っています。本書には日本でのプレカリアートという言葉の使われ方は少し異なっていると記されていますが、不安定であり出口が見えないという点では変わりありません。私たちプレカリアートユニオンの目指す社会は、「ネトウヨ」等に陥ることなくプレカリアートが団結してその権利を勝ち取り、最後にはプレカリアートという身分そのものをなくしていくことだと信じています。

稲葉一良(書記次長)

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