【プレスリリース】
帝京大学高等学校で国語（古文及び漢文）を担当していた非常勤教員の雇い止め問題とコマ給問題（授業時間の給与しか支払われない問題）、非常勤教員に対する差別及び労働条件明示義務違反を問う裁判を東京地裁に提訴。
日時：２０２２年７月２７日（水）１２時
場所：厚生労働記者クラブ
出席者：【原告】非常勤教員（プレカリアートユニオン組合員）、【代理人】鴨田哲郎（弁護士、旬報法律事務所）、鈴木創大（弁護士、旬報法律事務所）、【労働組合担当者】清水直子（プレカリアートユニオン執行委員長）、稲葉一良（プレカリアートユニオン書記長）。
第１ 本件の概要
１ 当事者
被告 学校法人帝京大学 理事長 冲永佳史
〒173-8605 東京都板橋区加賀2-11-1
帝京大学中学・高等学校 理事長 冲永佳史
〒192-0361 東京都八王子市越野322番地 TEL042-676-9511
原告 私立高校で国語を担当する非常勤教員（組合員）
２ 本件の経緯・請求内容
私立高校の非常勤教員の雇い止めを争うとともに、いわゆるコマ給問題、非常勤教員に対する差別及び労働条件明示義務違反を問う訴訟を東京地方裁判所に提起する。
原告は２０１９年４月から１年契約で被告で雇用されていた非常勤教員で、国語（古文及び漢文）を担当し、２０１９年度は週１６コマ、２０２０年と２０２１年度は週８コマの授業を行っていたが、２０２２年度は更新されなかった。法人は、２０２１年に契約更新前の試験の平均点や試験の解答用紙の不備を理由にしており、事実に誤りがある。原告が被告に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を請求する。
教員の労働の内容は、授業を円滑・適切にするために、授業の準備、定期及び昌テストの作問と採点等の労働が不可欠であるが、被告をはじめ多くの学校で、付帯業務の賃金が支払われていない。原告は、付帯業務として平均して１コマの授業（５０分）あたり少なくとも６０分の労働を行っているため、２０２０年度及び２０２１年度の２年分の賃金を請求する。
合わせて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、被告において２０２０年４月から６月まで、リモートで授業を行った際に、正規教員のみが授業を行い、非常勤教員については休業とされ、月給の６割のみが支払われたことについて、使用者の都合による休業であるから月給全額を請求する。非常勤教員には賞与が一切支払われていないため、不合理な差別であるから賞与を請求する。
原告は、２０１９年４月から被告において稼働しているが、原告に雇用契約書が交付されたのは、同年の夏休み明けであり、原告はこれを見て初めて事故の１コマの給与が２３１０円であることを知った。本来時給額は、労働契約の締結に際して書面で明示されるべきものである（労基法１５条１項、労基則５条）。時給２３１０円という水準は、東京都の制度に当てはめると経験６年の者の時給であり、ベテランの教員の水準とは異なっている。労働条件明示義務違反の慰謝料を請求する。
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