【新任役員紹介&組合員の手記】
SOGIハラを団交で解決、労災認定も実現
トランスジェンダーの権利擁護の活動に幅広く取り組む
「一つの差別を看過すれば、いずれ自分も差別される」
今回新たに執行委員に選任いただきましたSally(サリー)と申します。本来ならフルネームで自己紹介すべきところ、Sallyという名を名乗っているのは、私がトランスジェンダーであり、昨今SNSを中心にトランスジェンダー、特にトランス女性への差別が渦巻いており、組合外部にも読まれる可能性のある読み物等に関しては、ある程度匿名を通してほしいとお願いしたからです。自分の身を守るための措置として、ご理解いただけると幸いです。
争議団会議やLGBT・ジェンダー平等チームのミーティングに参加していただければ、リアルなSallyをご紹介できると思いますので、ぜひご参加をお願いいたします。
■LGBTQ+の労働問題対応力は日本随一
さて、プレカリアートユニオンは日本でも随一の、LGBTQ+の労働問題に対応する力やノウハウを持つ労働組合であると、いち組合員として自負しています。
そもそも私がプレカリアートユニオンに加入したのは、会社の上司から受けたSOGIハラによってうつを発症し、それに伴って1年半以上休職せざるを得ませんでしたが、復帰に際してまともな対応を会社が取ってくれなかったことにあります。
会社は当初、復帰に際して三重県内の工場への配転を打診してきました。厚労省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」でも、職場復帰は原則として元の職場へ戻すのが最善であると示されているにもかかわらずです。もちろんこれについて組合は団体交渉で、ハラスメント上司が現職場に居るのなら、その上司を配転させるのが筋だろうと、猛烈に抗議・交渉を行ってくれました。その後SOGIハラ問題について会社とは解決に至ることができ、労基署からは労災認定も下り、今では同じ会社の同じ事業所の、別の部署でのびのびと仕事ができています。
■全ての労働組合で取り組んでほしい
「LGBT労働問題」とは言っても、会社の対応につき一つひとつ応答を行っていくやり方そのものは、他の労働問題と何ら変わらないものです。もちろんLGBTに関する専門知識があるに越したことは無いですが、それが本当に必要になった時には、弁護士なり専門家なりの手を借りれば良いだけです。
冒頭で私は、プレカリがLGBTQ+の労働問題について随一の対応力があると述べましたが、本当は全国の各単組でも怖気づかす、「LGBT労働問題対応!」と謳ってほしいと思っています。
■各地のパレードに参加し仲間を励ます
私は自分の労働問題が解決した後、プレカリの組合員だった友人に誘われ、トランスジェンダーの権利擁護を目的とする団体「トランスジェンダージャパン」(TGJP)の活動にも参画するようになりました。
今や全国各地(約40か所)でプライドパレードが行われるようになりましたが、パレードに参加するのをためらうトランス当事者もたくさん居ます。それでもここに、この町にトランスは居るよ、一緒に生きてていいんだよ、仲間はたくさん居るよ、ということを伝えたいがために、私はTGJPのメンバーとして全国ほぼ全てのパレードに参加し、高々と旗を振って歩いています。
先月大阪でパレードが行われた日は、ちょうど総選挙の投票日でした。私達が歩いた沿道の人たちの約半分が投票に行かず、さらに投票に行った人でも小選挙区では約4割強の人しか維新に投票しなかったにもかかわらず、大阪の小選挙区は全て維新候補が当選してしまいました。
つまり大阪の全有権者の約2割にしか維新は信任を得ていないということです。それでも選挙に勝った者が政治を動かします。
■差別扇動に抗い異なる課題を持つ者が連帯する
私がパレードを歩くのは、先述した当事者自身へメッセージを送るという意味合いとともに、投票へ行かなった半分の人たちのような、世の中のことには無関心だと振る舞うような人にも、LGBTQ+に関する課題があるのだということを認識してもらうのも目的の一つだと思っています。
認識して関心を持てば、今や誰でも手のひらの中で物事を調べることができます。でもその調べた結果が差別扇動的なものだらけな現状では、正確に情報は伝わりません。だからこそ、異なる課題を持つ市民どうしでも、互いに連帯し、声を上げ、差別に抗っていかねばならないと思っています。まさに労働組合と同じ、団結の精神です。
トランス当事者からさえも「トランス団体が難民問題を主張するのは間違っている」などといった声があるのも事実ですが、私は日本人や日本人のトランスだけが幸福になれば良いなどとは毛頭思っていません。
移民・難民に限らず、一つの差別を看過すれば、いずれ自分が属するマイノリティも差別にさらされることになるというのは、歴史が証明しています。
労働問題の解決も、人権を守るための手段の一つ。プレカリアートユニオン組合員の皆さんには、自分の問題が解決した後は、ぜひ他の組合員の力になったり、他の社会課題にも目を向けるようになっていただけると、とても有り難いです。
11月17日(日)には(13時、新宿中央公園水の広場集合、13時30分出発)、TGJPも実行委員会の一員である「東京トランスマーチ2024」が新宿で開催されますので、ぜひご参加ください。
Sally(サリー)(執行委員)
【労働相談は】
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