プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

「投資の勧め」再び。無駄(浪費)を減らして生活を豊かにするために【いなばの生活力向上計画 第32回】

いなばの生活力向上計画 第32回
「投資の勧め」再び
無駄(浪費)を減らして生活を豊かにするために


 毎回生活に役立つ情報をお届けするこのコーナー、今回は投資についてあらためてお伝えしたいと思います。思い返せば連載開始第2回、今から3年弱前にも投資について解説しました。当時は金融投資を政府が盛んにPRしていた時節も相まって、不十分な知識で乗せられて、「想定外」の損害を出して生活に多大な影響を出さないためにも「投資」とは何か、何を目的として何のためにする必要があるものなのかを解説する必要を感じ解説したのを覚えています。
 投資とは生活をより豊かにするために日々の生活の余力で行い財産を作る為の営みです。財産は当然、お金や不動産だけではありません。技術や能力、人間関係、健康も立派な財産です。
■投資対象は金融商品だけではない
 前回の解説から、3年弱が経ち物価は信じられないほど上がりました。皆さんも今の100円は3年前の100円の価値を持たないということが実感できると思います。この文脈で、貯蓄は「絶対にノーリスク」とはいえないと聞けば、多くの方がなぜか分かると思います。今だからいえますが、もし当時外貨や物価の上昇を見越した金融投資(NISAなどを通して行うなど)をしていれば、貯蓄に回すより経済的利益は大きかったと思います。
 しかしながら、投資の対象は金融商品だけではありません。知識・技術を身につけることや中々出来ない経験・体験をすることも立派な投資です。有名な投資家は「40歳までは自分自身に投資しろ」などと言ったものですが、現在の現役年齢を考えればこの年齢を過ぎても自分自身への投資は積極的に行ってよいものだと考えられます。
■投資は生活を犠牲にして行ってはならない
 家計簿については何度も取り上げてきましたが、投資は家計を管理して日々の生活費用に若干の余裕を持たせその中から行うべきものです。投資にはリスクが伴うので、貯蓄の代わりにしてもいけません。生活の余力をもしもの時のための費用を賄う貯蓄と投資に振り分け仮に失敗しても、生活に大きな影響のない範囲で取り組むことが絶対的なルールです。始める方は、まずは収入の1割前後の金額を目安に始めてみるのが良いと思います。
 また、お金の話ばかりしましたが、お金ではなく時間を掛ける投資もあります。お金はギリギリだけど何とか時間はという方は時間を投資の材料として生活を豊かにすることもできます。
労働組合の活動も自分への投資
 金融投資をするならば、無理のない範囲でNISAを行う事がお勧めです。自分への投資ならば、各種資格試験の勉強や講習、楽器を習ったりスポーツジムなどもお勧めです。また、職場で困らないためにより安定した労働条件で働けるように、日々の労働組合の活動に休みを取るなどして参加することも立派な投資です(これをやっていないといざというとき簡単に職場で窮地に立たされてしまいます)。そして、物価が上昇する中、日々の生活にゆとりを持たせるためにもしっかりと春闘に取り組んでいきたいものです。
 稲葉一良(書記長)

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グレートウーマンたちが切り開いた道を次世代に繋ぐ1冊。『グレートウーマンに会いに行く それぞれの人生と活動にリスペクトを込めて』(福島みずほ編/現代書館)

グレートウーマンたちが切り開いた道を次世代に繋ぐ1冊


グレートウーマンに会いに行く それぞれの人生と活動にリスペクトを込めて』(福島みずほ編/現代書館

www.gendaishokan.co.jp


 『グレートウーマンに会いに行く それぞれの人生と活動にリスペクトを込めて』は、社民党党首、参議院議員、弁護士である福島みずほ氏による1冊。同タイトルのYouTube企画の待望の書籍化となる。 国会で、環境・人権・女性・平和を4本柱に据えて活動中の著者が22名の「グレートウーマン」と対談し、その活動やどのように道を切り開いてきたか等を幅広く紹介している。
■7つの分野のグレートウーマン合計22名を紹介
 本書は全7章からなる。第1章「地域で輝くグレートウーマンたち」、第2章「法の現場のグレートウーマンたち」、第3章「ケアの現場のグレートウーマンたち」、第4章「教育現場のグレートウーマンたち」、第5章「平和を願うグレートウーマンたち」、第6章「共生社会を目指すグレートウーマンたち」、第7章「ジェンダー平等を目指すグレートウーマンたち」、様々な分野の第一人者ともいえるグレートウーマン達と福島さんとの対話を通じて今までの活動の経緯と現在生じている乗り越えるべき課題が見えてくる。単に活動を紹介するだけでなく、読み手にも問題に取り組むとっかかりをわかりやすく示しているのが特徴だ。
全国ユニオン鴨桃代前会長も登場
 第6章「共生社会を目指すグレートウーマンたち」では、なのはなユニオンの鴨桃代委員長も紹介されている。プレカリアートユニオンも所属する産別組織「全国ユニオン」の前会長でもあり、非正規の処遇改善を訴えて闘い連合会長選挙に挑戦し大方の予想を裏切り大健闘した。保育士として働く中で労働運動に関わり、「なのはなユニオン」を結成、段々と組合活動に軸足を移していく。ホテルを実効占拠し闘った京浜ホテル闘争、リーマンショックのさなか派遣切りで路上に投げ出されてしまう派遣労働者の命を守る闘いであった年越し派遣村など全国ユニオンでの闘いも紹介されている。労働組合の活動を通じて地域にとってかけがえのないコミュニテイを形成しこれからも明るく、楽しく、激しく組合活動に取り組む。
 本書は単にYouTube上の動画に上がっている会話のやり取りを読みやすくまとめたものに留まらない。対談では語られなかった福島さんの想いや、様々な写真、参考となる資料やグレートウーマン達の軌跡を時系列で追える年表が見やすくまとめられており戦後のグレートウーマン達の活動の歴史を横断的に捉えることが出来る1冊となっている。この本を手に取った中から未来のグレートウーマンが現れるようにという筆者の願いのような気持ちを感じる。YouTubeで既に対談を見た方にもぜひ手に取ってもらいたいし、この本を読んだ方はぜひYouTubeで対談の動画を見て欲しい、そんな1冊だ。
 稲葉一良(書記長)

 

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性被害の当事者が研究者になるまでの半生から修復的司法の可能性を探る。『当事者は嘘をつく』(小松原織香著/筑摩書房)

性被害の当事者が研究者になるまでの半生から修復的司法の可能性を探る


当事者は嘘をつく』(小松原織香著/筑摩書房

www.chikumashobo.co.jp


 性暴力は被害者の心を深く傷つけ壊していく。『当事者は嘘をつく』は小松原織香氏による著作。著者は関西大学文学部学術振興会特別研究員(PD)であり、修復的司法を専門とする。タイトルを見て性被害を訴える当事者をよってたかって「嘘つき」呼ばわりする醜悪なネット世界でのやり取りを想起した。性暴力を訴えた被害者に対する二次加害は性加害そのものにも十分に匹敵しうる深刻な問題であるが、本書で語られるのはそのような被害者バッシングについてではない。自身が性暴力の被害者でありサバイバーである著者が幾度となく死の淵に立たされながら生き抜き、研究者になり自分の体験を語る言葉を獲得していく物語が記された1冊である。
■「私は嘘をついている」という立脚点
 著者は、被害を語るとき「私は嘘をついている」という思いから逃れられなかったという。事件から時間が経過することで都合のいい記憶の改編が起きている可能性や、何を語り何を語らないかを取捨選択することで過去そのものを提示することが難しいという想いが時に自分自身を責め苦しみを生む。このことが立脚点となり本書は記されているという。前半は自身が、心の傷と向き合いながら研究者を目指し研究者になっていく過程が記されている。
■「支援者」による加害性と当事者性
 本書では、支援者の善意の裏にある無意識の加害性についても触れられている。被害者同士の自助サークルに否定的な医療関係者をはじめとする支援者は多い。当事者研究を嫌う風潮についても語られる。被害者の語りは「嘘(完全に事実を再現したものではないもの)」なのだから、当然その被害の全てを支援者に伝えることは出来ない。そこで生じる「わかっていない」、「あなたにはわからない」という言葉や感情は、「わかってほしい」という気持ちを持つ故であるということに筆者自身も気がついていく。本書の後半では水俣病研究に取り組む著者の様子が語られる。前半で当事者として問題に取り組む自分、後半で当事者でないものとして問題に取り組む自分を描き研究者としてのあり方や当事者性について掘り下げられていく。
 著者が専門とする修復的司法とは「当該犯罪に関係する全ての当事者が一堂に会し、犯罪の影響とその将来へのかかわりをいかに取り扱うかを集団的に解決するプロセス、又は犯罪によって生じた害を修復することによって司法の実現を指向する一切の活動」(Wikipediaより引用)を指す。日本における性被害の法的救済は立ち後れているが、厳罰を求める一方でこの司法的修復の可能性についても広く議論されるべきだと本書を読んで感じた。
 稲葉一良(書記長)

 

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「アリさんマークの引越社」で仕事中の事故の弁償金を負担させられている方、すぐにご相談ください!

プレカリアートユニオンは、引越会社大手の「アリさんマークの引越社」との労使紛争について、2018年2月13日、中央労働委員会で全面和解をすることができました。

会社は、労働法を遵守し、不当労働行為を行わないこと、組合員に対して、故意や重過失を除いて弁償金の負担を求めないことを確約。原告33人と未提訴4人の組合員の未払い賃金、弁償金(請求総額約2億4000万円)について、解決金を支払うことで合意(解決金額は非公開)しています。

現在、「アリさんマークの引越社」で仕事中の事故の弁償金を「友の会」から借金をするかたちで背負わされている方、残業代の不払いがある方、一方的な賃金減額に苦しむ方は、できるだけ早く、プレカリアートユニオンへご相談ください。

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【記者会見の動画公開】性暴力を受けた技能実習生が苺農家の経営者を提訴

性暴力を受けた技能実習生が苺農家の経営者を提訴しました。
記者会見の動画をユニオン・合同労組連絡会のYoutubeチャンネルで公開しました。

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youtu.be性暴力を受けた技能実習生が苺農家の経営者を提訴(2024年12月16日・東京高裁内司法記者クラブ

 

とちおとめの産地、真岡市の苺農家で来日当時19歳だったカンボジア技能実習生が「言うことを聞かないと帰国させる」と脅されて連日強姦され、妊娠させられた挙句強制的に中絶させられるという事件が起きた。
ユニオン・合同労組連絡会に加入する岐阜一般労働組合が、妊娠中絶をさせられた本人を含む3人を救出し、苺農家の経営者と団体交渉を行ったが、代理人が辞任すると団体交渉を拒否された。
そのため、被害を受けた技能実習生たち3人が原告となり、2024年12月16日に東京地方裁判所に損害賠償と未払い残業代など総額約8000万円を請求し、提訴した。原告側代理人は、伊藤和子弁護士と高井信也弁護士。
同日、東京高等裁判所内の司法記者クラブにて、岐阜一般労働組合北島あづさ執行委員長も出席し、記者会見が行われた。

岐阜一般労働組合
岐阜市竜田町4丁目3番地3
TEL:058-213-9330 /FAX:058-203-0741
メールアドレス:scrum.giu@nifty.com
https://岐阜.全国一般.jp/

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【解決報告&組合員の手記】 身に覚えない理由で懲戒解雇された介護職のSさん、団交で解雇理由を撤回させ、労働審判で勝利和解。「自分と組合と弁護士と三つ合わせたからこそ勝利した」

【解決報告&組合員の手記】
身に覚えない理由で懲戒解雇された介護職のSさん
団交で解雇理由を撤回させ、労働審判で勝利和解
「自分と組合と弁護士と三つ合わせたからこそ勝利した」


 千葉県で夜勤専従の介護職をしているSと申します。自分が介護の仕事を始めたのは、ちょうどコロナが流行った時にリストラにあったため転職したことがきっかけでした。
 その後、介護職の派遣として働き、夜勤での正社員の仕事を探していた時、求人会社からの紹介で入ったのが、今の社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームでした。
■いくら残業しても残業代は払われず
 契約社員だったものの給料は悪くなく、ボーナスも出て、残業代も出ると契約書には書いてあったため、入職することに決めました。それから2ヶ月していくら残業しても残業代が出てないことに気づき、先輩から「ここはパック料金の給与制だ」と聞かされました。
 その時から労働基準監督署に相談や申告をしました。そしてある日、施設長兼ケアマネジャーである理事長の奥さんから電話があり、「千葉県の監査があるから出勤簿から残業した時間や出勤した日数を削って改竄しろ」と言われました。それを断ると翌日施設からの携帯のショートメールにて一週間の出勤停止命令がきました。
 出勤停止の理由は書かれておらず、「弁明に来るように」としか書かれておりませんでした。出勤停止は重い懲戒処分です。自分はそのような問題になるようなことは一切していません。十中八九、労基に申告したこと、改ざんを断ったことによる報復でした。労基の監督官の方も「労基に出頭するように手紙を出したからそれに怒ったんだろう」と言っていました。
■弁護士事務所20カ所、労組10カ所に断られ
 それから自分は多くの弁護士や労働組合に電話をかけ、相談しました。弁護士事務所は20ヶ所、労組は10ヶ所くらいかけた覚えがあります。しかしどこも「うちでは扱えない」とか「あなたが横領したんでしょ?」と言われる始末でした。
 途方に暮れたところ、ふと思い出して電話をかけた所が今のプレカリアートユニオンでした。電話に出た方に事情を説明したところ、その方は「今、法律が分かる人がいないので後でかけ直す」と言いました。それから何日かし、電話を掛け直してくださったのが稲葉書記長でした。
■理由の記載ない懲戒解雇通知。作られる解雇理由
 電話をした次の日にプレカリアートユニオンの事務所に伺い、その日に加入をしました。組合に加入した時、施設側に自分が組合に加入通告をし団体交渉を申し入れるFAXを送ったところ、社会福祉法人側は、団体交渉に応じるにあたり「反社会的組織ではないことを証明できる物を出せ」と組合を反社呼ばわりしました。その数日後、自宅には懲戒解雇を通知する手紙が届きました。その手紙にも懲戒の理由は書かれていませんでした。
 クビになってしまったのでハローワークに失業保険の手続きに行くと、離職票には「上司へのパワハラ」と記載されてました。自分は身に覚えがなく一切そのようなことはしたことありません。むしろ、理事長の奥さんや女性のユニットリーダーから「お前は育ちが悪い」、「夜勤の休憩を全部なくして働け」と言われるなど、パワハラを受けていました。
 その後、労基から「解雇予告除外認定の調査のため出頭するように」と言われました。そこではハロワとは違う理由で利用者への虐待という理由で解雇を突きつけて来ました。
 その利用者さんは過去に足にボルトを入れており、昔のボルトは経年劣化で疲労骨折を起こしやすい代物です。施設側も事故当時は千葉市に事故として届け出をし、医師も「疲労骨折か、オムツ交換の際に本人が力を入れてしまい事故になったのだろう」と診断していました。それを解雇の理由としてでっち上げをしてきたのです。
■団体交渉拒否。でたらめな主張の繰り返し
 その後、何度も施設を訪れ団体交渉を申しれてきたのですが、拒否され続けました。何度かするうちにやっと理事長に会えたのですが、理事長は施設の入り口にバリケードを築き警察を呼んだりしました。
 出勤停止以来、施設に出入りできないように暗証番号も変えられました。私物も制服と一緒に置きぱっなしになっていたので、荷物だけは引き取りに行かせてほしい、と言ったところ理事長は「返しません。返す必要はない」と言い出しました。
 流石に呼ばれた警察官の方々も、それに対して「あの人の物なんだからそれくらい返してあげなよ」と説得する始末でした。その時1人の警察官も「この人は異常だ」と、言葉を漏らしていました。
 説得の結果、警察官立ち会いの元でさらに警察官がロッカーの解錠をすることになったのですが、その時ロッカーの鍵を警察官に渡そうとした時理事長は警察官から鍵を奪い取ったのでした。居合わせた組合の仲間たちも警察官も、理事長の異常な行動に呆然としました。
 鍵を取り返した警察官がロッカーを解錠すると、そこに荷物はあったのですが、制服と制服のポケットにあった財布はなくなっていたのでした。それは、緊急搬送の際に病院から施設へ帰るために自分が立て替えるタクシー代でした。
 おかしいのはこれだけでなく、プレカリアートユニオンが東京都労働委員会に不当労働行為救済申立をした時も、虐待の証拠だとして理事長は、朝日新聞YouTubeなどのネットニュース一の虐待の記事を証拠だとして提出してきました。それは自分や施設や理事長とも全く関係のない、北海道や岡山の介護施設の虐待事件の記事でした。理事長曰く、「これだけ日々虐待事件が起きているのだからあなたも有罪だ」と主張してきました。
■団交で解雇理由を撤回させ、労働審判で勝った
 その後、地位確認などの労働審判を申し立てたところ、理事長側にも弁護士がついたため、やっと団体交渉が行われることになりました。その時も理事長は一言も喋らず、書記長の稲葉さんをずっと睨みつけるだけか、「弁護士に一任してます」としか喋りませんでした。ですが、清水委員長や組合員の方々の鋭い質問や、粘り強い交渉によって弁護士も黙ってしまい、清水委員長が「虐待をしたというなら医者のカルテがあるでしょ、それを出しなさい」と言ったところ、弁護士は解雇理由から虐待という理由を撤回したのでした。
 その後、労働審判で、勝利和解をすることができました。
 振り返ってみると東京労働委員会や団体交渉の時点でチェスで言うチェックメイトだったのかもしれません。団体交渉も労働委員会も適当にやり過ごし、裁判だけ勝てればいいと思ったのでしょう。
 団体交渉も労働委員会も裁判と地続きの前哨戦だったのです。さらに理事長は弁護士との打ち合わせも信頼関係も構築できていなかったのでしょう。理事長のように「俺は金払ってるお客様だ」という態度では裁判は勝てないでしょう。自分の主張に必要な証拠も自分で判断し、集めるしかないのです。
■他の人の組合員を助けることは自分の力になる
 清水委員長が加入の際に言われた「組合はサービス業でも会社でもない。勝つにはあなた自身が率先して行動する必要があります」。その言葉が身に沁みました。けれども個人だけでは到底会社に勝てません。自分と組合と弁護士と三つ合わせたからこそ勝利したのだと思います。
 また自分も他の人のアクションや団体交渉に参加しました。自分の団体交渉にも多くの仲間たちが参加してくれました。これが自分のことだけしかやらなかったら多くの人たちも駆けつけてくれなかったかもしれません。他の人の組合員を助けることは次の自分の力にもなるのです。
 最後に清水さん、稲葉さん助けてくれた多くの組合の仲間の方々も本当にありがとうございました。
 ここまで長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。
 S(組合員)

 

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右から労働審判代理人の伊藤安奈弁護士、佐々木亮弁護士(ともに旬報法律事務所)、当該組合員のSさん、稲葉一良書記長。

 

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解雇、未払い賃金問題について交渉していた千葉県内の介護事業所を運営する社会福祉法人と労働審判で和解!

解雇、未払い賃金問題について交渉していた千葉県内の介護事業所を運営する社会福祉法人と、当該組合員が申立人となった労働審判で、組合も利害関係人となり和解しました。東京都労働委員会の不当労働行為救済申立の取り下げを含む、労使紛争の一切を解決しました。

 

右から労働審判代理人の伊藤安奈弁護士、佐々木亮弁護士(ともに旬報法律事務所)、当該組合員のSさん、稲葉一良書記長。

 

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