社長、団体交渉申入書が届いたらどうしますか?
―「怖い」より先に、知っておくべきこと
2月18日のYouTubeライブ「プレカリアートユニオンの社内通報窓口」では、「社長、個人加盟のユニオンから団体交渉申入書が届いたらどうしますか?」というテーマで配信を行いました。
労働者向けの番組でありながら、今回はあえて「使用者・経営者側」に向けた内容です。なぜなら、団体交渉をめぐる無用な混乱や対立の多くが、「知らないことによる過剰な恐れ」から始まっているからです。
■ ユニオンとは何か ― なぜ驚かれるのか
配信ではまず、「ユニオン」という言葉の整理から始まりました。日本では企業内組合が主流であり、会社の中にある労働組合が一般的です。しかし個人加盟のユニオンは、会社の外にあり、個人が加入できる労働組合です。
会社に労働組合がない場合、あるいは企業内組合が個別トラブルに十分対応しない場合、労働者は個人加盟ユニオンに加入します。その結果、会社に「団体交渉申入書」が届くことになります。
多くの社長が「突然何かが届いた」と感じます。中には「怖い」「トラブルになるのでは」と身構える方もいます。しかし、団体交渉は法律で保障された正規の制度であり、特別な攻撃ではありません。
■ 団体交渉は拒否できない
最も重要な点として強調されたのは、「団体交渉は拒否できない」ということです。
労働組合法では、正当な理由なく団体交渉を拒否することは不当労働行為とされています。拒否すれば労働委員会への救済申立ての対象になります。
「話し合えばいいんでしょう」と言って、組合を通さずに当事者と直接交渉しようとするケースもありますが、これも違法です。団体交渉を申し入れられている以上、団体交渉として対応しなければなりません。
組合を介さずに「組合なんかやめれば個別に対応する」と言うことも、支配介入と評価される可能性があります。
■ 誠実交渉義務とは何か
団体交渉に「出席すればいい」というものでもありません。形式的に出席し、「無理です」「認めません」と繰り返すだけでは誠実交渉とは言えません。
要求を拒否するのであれば、なぜ拒否するのか、どの部分は認められるのか、どの部分は認められないのか、客観的根拠を示しながら説明する必要があります。
交渉とは、結論の押し付けではなく、理由の提示と応答の積み重ねです。そこを怠れば、団体交渉をしたことにならない場合もあります。
■ 過剰に恐れる必要はない
配信では、「ことさら恐れる必要はない」とも繰り返し述べられました。
ユニオンから申入書が届くと、「大事になるのでは」「会社が潰れるのでは」と想像する経営者もいます。しかし、請求金額が例えば50万円の未払い賃金であった場合、本来は計算して支払えば解決する話です。
ところが、不慣れな対応や過剰防衛によって、弁護士費用や遅延損害金が膨らみ、結果的に支払総額が倍以上になることもあります。
怖がって誤った判断をすることの方が、会社にとってリスクになります。
■ 不慣れな代理人が紛争を拡大させる
配信で特に時間を割いて語られたのが、「弁護士選び」の問題でした。
団体交渉に不慣れな弁護士が、裁判型の思考で対応してしまうことがあります。「まず裁判に持ち込みましょう」「拒否しても大丈夫です」という誤った助言により、不当労働行為に発展するケースもあります。
裁判は会社にとって時間も費用もかかります。仮に最終的に和解や支払いに至るのであれば、団体交渉段階で解決した方が合理的な場合も多いのです。
団体交渉は「交渉」であり、「裁判」ではありません。必要なのは、対話と調整の能力です。
■ 労働委員会という選択肢
どうしても不安な場合は、都道府県の労働委員会に相談することも可能です。労働委員会は、不当労働行為の救済機関であると同時に、使用者側の相談も受け付けています。
行政機関にまず相談し、制度の基本を確認することは、過剰な恐れを和らげる助けになります。
■ ユニオンは「敵」ではない
配信では、「モンスター社員を代弁する存在」というイメージが誤解であることも語られました。
ユニオンは、相談者の主張を無条件に通す機関ではありません。組合内部でも、要求が不当であれば是正を求めます。目的は職場の改善であり、破壊ではありません。
会社側が誠実に向き合えば、解決可能な案件は多くあります。
■ 「知らない」が一番怖い
恐怖の正体は「何が起きるか分からないこと」です。
団体交渉とは何か
拒否するとどうなるのか
誠実交渉とは何か
裁判との違いは何か
これらを知るだけで、多くの誤解は解けます。
■ だからこそ視聴してほしい
今回の配信は、労働者だけでなく、経営者、社労士、弁護士にも見ていただきたい内容です。対立を煽るためではなく、無用な紛争を減らすための情報を率直に語りました。
団体交渉は特別な戦場ではありません。法制度に基づく、交渉の場です。
ぜひアーカイブをご視聴ください。
そして、職場で困難を抱えている方は、正式な労働相談をLINEからお寄せください。
知らないまま怖がるより、知って判断する方が、ずっと健全です。
www.youtube.com#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月18日15時】社長、個人加盟のユニオンから団体交渉申し入れ書が届いたらどうしますか?

次回の配信は、2026年2月25日16時からです。
https://www.youtube.com/live/JlyNXKYv5Hg?si=cZiL4S9OsOfwIM2g
#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月25日16時】これって本当にパワハラですか?&パワハラとまでは言えなくてもできることはある!
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