プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

雇止め、賞与不支給などについて交渉していた東京都内の広告関連会社と東京都労働委員会のあっせん期日で和解、ほか(2026年3月の解決報告)

2026年3月の解決報告です。

雇止めや未払い賃金、パワハラなどは、決して珍しい問題ではありません。
しかし、適切に交渉すれば解決できるケースがあります。
一人で抱えず、まずはご相談ください。

 

■雇止め、賞与不支給などについて交渉していた東京都内の広告関連会社と東京都労働委員会のあっせん期日で和解!
 雇止め、賞与不支給などについて交渉していた東京都内の広告関連会社と東京都労働委員会のあっせん期日で和解しました。 解決のために尽力いただいた関係者の皆様に感謝します。

 

■労災申請を妨げる発言、安全配慮の要求、未払賃金問題などについて交渉していた埼玉県内の製造業者と和解!
 労災申請を妨げる発言、安全配慮の要求、未払賃金問題などについて交渉していた埼玉県内の製造業者と和解しました。会社は、作業中に負傷した労働者への安全配慮措置を講じることし、作業箇所への負荷が軽減される部署への配置転換を実施するなどし、解決金の支払いを合意して和解しました。

 

■【勝訴報告】佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行などの損害賠償請求訴訟で東京高裁が違法な有形力の行使(暴行)と認め慰謝料10万円の支払を命じる(3月19日・東京高裁)
 佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行事件などの損害賠償請求訴訟の控訴審で、東京高等裁判所は、3月19日、東京地方裁判所の判断を変更し、裁判で争われた各行為について「第1審被告佐賀による行為はいずれも違法な有形力の行使であると認められ、かつ、過失相殺は相当ではないから、慰謝料10万円の限度で認容されるべき」として、佐賀豊社労士に対して、稲葉書記長に10万円および令和5年10月20日から支払済みまで年3%の遅延損害金を支払うよう命じました。

 

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『高空籠城600日』上映会で大西学園争議当該組合員が連帯挨拶

3月27日、都内で日東電工の韓国子会社、韓国オプティカルハイテックの争議支援のための『高空籠城600日』上映会が行われ、大西学園に解雇されて闘っているプレカリアートユニオン組合員が連帯挨拶をしました。

 

 

大西学園争議支援カンパのお願い
解雇された用務員2人の闘いを支えてください

 プレカリアートユニオン組合員・賛助会員の皆さま、友誼組合の皆さま
 いま、大西学園争議は重大な局面を迎えています。
 大西学園で10年間住み込みで働いてきた用務員2人 が、2025年9月9日、正当な理由も示されないまま即日解雇されました。
 しかし、学園側の攻撃はそれだけではありません。
 現在、大西学園は、2人の住まいである用務員室の明け渡しを求める仮処分を申し立て、仕事だけでなく住まいまで奪おうとしています。
 つまりこれは、解雇だけではなく生活そのものを破壊する攻撃です。
 2人の組合員は、この不当な扱いを受け入れることなく、解雇無効確認の裁判、用務員室に住み続ける権利を守る仮処分などに取り組み、プレカリアートユニオンも東京都労働委員会での不当労働行為救済申立を通じて闘いを続けています。
 この闘いを続けるには、皆さまの支援が不可欠です。
 裁判費用、争議活動費など、争議は大きな負担を伴います。
 この争議を孤立させないために、どうか大西学園争議カンパへのご協力をお願いいたします。
 金額の大小は問いません。
 一人ひとりのご支援が、闘いを続ける力になります。
 どうか、連帯のカンパをお寄せください。

【大西学園争議カンパ振込先】
 口座記号番号 00150-8-608357 口座名称 プレカリアートユニオン
【他行からの振込】ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店 預金種目:当座 口座番号:0608357
※通信欄に「大西学園争議カンパ」とお書きください。


【組合員の手記】「解雇 解雇 解雇 解雇 解雇」大西学園争議の現在

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介護報酬の低さが現場を壊す 全国ユニオン厚生労働省交渉(2026年3月26日)報告

介護報酬の低さが現場を壊す
全国ユニオン厚生労働省交渉(2026年3月26日)報告

 2026年3月26日、参議院議員会館会議室において、プレカリアートユニオンの上部団体である、全国コミュニティ・ユニオン連合会(全国ユニオン)は厚生労働省に対し、介護労働者の賃金・労働条件の抜本的改善に関わる介護保険制度について、基本報酬、とりわけ早急に訪問介護報酬を引き上げることなどを柱にした交渉を行いました。

■処遇改善加算では解決しない構造問題
 交渉では、「処遇改善加算」による賃上げの限界も指摘されました。事前に厚生労働大臣に宛てて提出した要請書では、最低賃金を上回る基本給に対して加算が上乗せされるべきであり、「加算を含めて最低賃金に達する」ような運用は認めるべきではないと指摘し、厚生労働省が作成したQ&Aの「最低賃金を満たした上で、賃金の引き上げを行っていただくことが望ましい」とあるのを「望ましい」を削除するよう求めています。
 また、加算制度は事業所ごとの裁量に委ねられているため、必ずしも労働者に十分還元されていない実態も共有されました。結果として、制度上は賃上げが行われているように見えても、現場では生活できる水準には届いていません。
 交渉では、処遇改善加算が本来の目的とは異なる形で使われている問題も提起されました。ある事例では、多額の加算が支給されているにもかかわらず、労働者の賃金にはほとんど反映されず、経営側に留保されている実態が指摘されました。

■訪問介護の危機と地域崩壊の現実
 とりわけ深刻な問題として指摘されたのが、訪問介護の危機です。
 要請書では、介護事業者の倒産が過去最多を更新している状況が示され、訪問介護の基本報酬引き下げが経営悪化を加速させていることが強調されました。
 訪問介護は、在宅での生活を支える基盤であり、これが崩れれば地域の高齢者は生活の継続そのものが困難になります。しかし現場では、人手不足と低賃金により事業所の維持が困難となり、サービス提供そのものが縮小しています。
 これは「人が足りない」のではなく、「働き続けられない制度」が人を離職させている問題です。
 交渉では、実際に介護現場で働く労働者の声が共有されました。
 長年働いても基本給がほとんど上がらず、生活が成り立たない水準にとどまっていること、夜勤や重労働に耐えながらも将来の見通しが立たないことなど、切実な声が共有されました。

■介護の未来を守るために
 介護は、単なるサービスではなく、社会の基盤です。その基盤を支えているのが介護労働者であり、その労働条件が崩れれば制度そのものが成り立たなくなります。
 現在起きている問題は、「人手不足」ではなく、「低賃金と過重労働によって人が辞めていく構造」です。
 この構造を変えない限り、いくら人材確保策を打ち出しても問題は解決しません。
 今回の交渉は、現場の実態を直接厚生労働省に突きつける重要な機会となりました。しかし、制度を変えるためには継続的な取り組みが不可欠です。
 プレカリアートユニオンとしても、介護労働者の声を可視化し、賃上げと労働条件改善の実現に向けた取り組みをさらに強めていきます。
 介護を支える人が安心して働ける社会を実現するために、今こそ制度の根本的な見直しが求められています。
 厚生労働省交渉では、このほかに、スキマバイトの労働契約締結のタイミング、高年齢者雇用安定法に関わる70歳までの高年齢者終業確保措置の実施などについても交渉しました。

 

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写真提供:東京ユニオン

 

「外国人労働者の労働問題を可視化する」プレカリアートユニオンYouTubeライブ(2026年3月24日)報告

外国人労働者の労働問題を可視化する
プレカリアートユニオンYouTubeライブ(2026年3月24日)報告

www.youtube.com#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年3月24日18時】外国人労働者の労働問題・最近の解決事例(配信し直し) 

 

 プレカリアートユニオンは2026年3月24日、YouTubeライブ「社内通報窓口」を配信しました。今回の配信は、前回3月の配信が機材トラブルにより約30分で途切れてしまったことを受け、その続編として実施されたものです。テーマは「外国人労働者の労働問題と最近の解決事例」であり、執行委員長の清水直子が単独で出演しました。書記長の稲葉一良はインフルエンザのため欠席となりました。

■配信トラブルを踏まえた再配信の背景
 冒頭では、前回配信のトラブルについて振り返りが行われました。前回はスマートフォンによる配信を試みた結果、約30分で配信が途切れるという事態が発生しました。一方で収録側では配信が継続しているように見えていたため、内容自体は最後まで話し続けていましたが、その大部分が視聴者に届いていなかったことが後に判明しました。
 このため、今回の配信では、前回伝えきれなかった外国人労働者の労働問題について、改めて体系的に説明することが目的とされました。

■外国人労働者問題の現実
 配信ではまず、日本社会において外国人労働者がすでに不可欠な存在となっている現実が指摘されました。日常生活の中で接するサービスや労働の多くが外国人労働者によって支えられており、「共に暮らしている社会」であることが強調されました。
 しかしその一方で、労働条件や権利保障の面では著しい格差や問題が存在しています。とりわけ、雇い止めや賃金未払い、ハラスメントなどが重なりやすく、制度的にも立場が弱いことから、問題が表面化しにくい構造があります。

■排外主義への対抗と労働運動
 今回の配信では、外国人労働者問題が単なる労働問題にとどまらず、排外主義の問題とも密接に結びついていることが指摘されました。プレカリアートユニオンも賛同する「ヘイトにNO!全国キャンペーン」には、移住者支援団体や労働組合ネットワークなど、多様な団体が参加しています。
 ここで重要なのは、労働運動がこの問題の中心的な担い手の一つになっている点です。単なる理念的な反差別ではなく、具体的な労働条件の改善を通じて排外主義に対抗するという実践的な位置づけが示されました。

■具体的事例:合意破棄と不当労働行為
 配信の中核では、実際に取り組んでいる事例が紹介されました。その一つが、外国人労働者に対するパワーハラスメントと、それに関連する団体交渉の問題です。
 当該事案では、使用者が資格外就労を命じ、ばらせばお前も同罪だ、仲間も強制送還されるが責任をとれるのかなどと脅迫したことも含むパワーハラスメントについての団体交渉の中で、傷病手当金と賃金との差額を補償する旨の合意が成立していました。しかし、その後会社側がこの合意を一方的に覆し、さらにハラスメント行為を正当化する姿勢を示しました。
 このような対応は不当労働行為に該当する可能性が高く、プレカリアートユニオンは東京都労働委員会への救済申立を行っています。

■組合の対応戦略
 この事案に対しては、単なる交渉にとどまらず、複数の手段を組み合わせた対応が検討されています。具体的には、労働委員会での手続に加え、街頭宣伝や抗議行動、場合によっては訴訟提起も視野に入れた対応が取られています。
 さらに、企業名の公表や記者会見を含め、社会問題として可視化することも選択肢として示されました。これは、個別事案の解決にとどまらず、同種の問題の再発防止を目的とした戦略です。

■なぜ問題が繰り返されるのか
 配信では、こうした問題が繰り返される背景についても言及されました。外国人労働者は、言語や在留資格、雇用関係の制約などにより、使用者に対して強く従属しやすい構造に置かれています。そのため、違法または不当な扱いを受けても声を上げにくく、結果として企業側の行動が是正されにくい状況が生まれています。
 この構造を放置すれば、個別の問題が解決しても、同様の被害が繰り返されることになります。そのため、労働組合による集団的な対応が不可欠であると指摘されました。

■労働組合の役割の再確認
 今回の配信を通じて明確にされたのは、労働組合の役割が単なる「相談窓口」にとどまらないという点です。組合は、個別の労働問題を解決するだけでなく、企業の行動を是正し、労働環境そのものを変えていく主体です。
 とりわけ外国人労働者の問題においては、個人では対抗できない場面が多く、集団的な交渉力を持つ組合の存在が決定的に重要になります。

■配信の意義と今後の展開
 配信の終盤では、視聴者に対して継続的な情報発信と相談の呼びかけが行われました。リアルタイム視聴だけでなく、アーカイブ視聴を通じて広く情報が共有されることが想定されています。
 また、次回配信では、彫刻家・評論家、多摩美ユニオン支部長、アーティスツ・ユニオンオブサーバーで、副執行委員長小田原のどかさんをゲストに招き、より多角的な視点から労働問題を扱う予定であることも告知されました。

■結論
 今回の配信は、外国人労働者の問題を単なる個別トラブルとしてではなく、社会構造の問題として捉え直す内容となっていました。重要なのは、問題の可視化と、それに対する集団的な対応です。
 外国人労働者の問題は、日本社会の労働環境の歪みを最も端的に示す領域の一つです。その改善は、外国人労働者だけでなく、すべての労働者の権利向上につながります。
 プレカリアートユニオンは、今後もこうした問題に対して実務的かつ継続的に取り組み、配信や相談活動を通じて支援を広げていきます。


【お知らせ】
外国人労働者も、日本人労働者も
その悩み、一人で抱えていませんか?
『ヘイトにNO!全国キャンペーン』賛同
分断ではなく、団結で職場を変える川口アクション
プレカリアートユニオン主催
【日時・場所】
2026年4月10日(金)13時
JR川口駅東口前
https://precariatunion.hateblo.jp/entry/2026/03/19/223023


3月31日(火)16時から、プレカリアートユニオンのYouTubeライブの配信を行います。
#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年3月31日16時】小田原のどかさん(彫刻家・評論家、多摩美術大学支部支部長、副執行委員長)に聞く「労働組合でできること」
https://youtube.com/live/30k2u52YxO4?feature=share

ご都合のつく方はぜひご視聴ください。お気軽にコメントもお寄せください。アーカイブもご視聴いただけます。
配信内で答えてほしい質問などありましたらメールでお寄せください。info@precariat-union

※個別・具体的な労働相談については、コメント欄ではなくLINE労働相談で受け付けています。
LINE労働相談 https://page.line.me/340sctrx?openQrModal=true


これまでの配信はこちら。
#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年3月24日18時】外国人労働者の労働問題・最近の解決事例(配信し直し)
https://youtube.com/live/8iRgKOU-Ac0?feature=share

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年3月17日16時】外国人労働者の労働問題・最近の解決事例(中断しました)
https://www.youtube.com/live/7HuCj_dWLQs?si=C_NBgAbaLZaT7IJk

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年3月11日17時】あのうさんくさい広告に一言!労災、傷病手当を徹底解説
https://youtube.com/live/nj_hochPoX0?feature=share

【補足動画】#プレカリアートユニオンの社内通報窓口【3分30秒から】労働組合に加入できない警察・自衛隊で働く方のハラスメント問題への対応法を解説
https://www.youtube.com/live/dbu7_xNZtDU?si=0yraDoSbsp6Uior8

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年3月3日15時】まだ間に合う!春闘で賃金を上げよう&賃上げ以外の要求もしよう
https://youtube.com/live/3NkZyhwbrlw?feature=share

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月25日16時】これって本当にパワハラですか?&パワハラとまでは言えなくてもできることはある!
https://www.youtube.com/live/JlyNXKYv5Hg?si=OjjmibueornBgxlX

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月18日15時】社長、個人加盟のユニオンから団体交渉申し入れ書が届いたらどうしますか? 
https://www.youtube.com/live/bcjux8yymBU?si=bWuaEEyQl-FXij0O

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月10日14時】30分未満は切り捨てていませんか?残業代をめぐる大誤解! 
https://www.youtube.com/live/JA8frq4By8k?si=uny638HzgqpRy6JG

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月4日14時】解雇なのに退職届は書いちゃダメ!解雇をめぐる大誤解 
https://www.youtube.com/live/FkU-NG6F1Hc?si=T-onL9bsl9_oBDbK

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【プレ配信】「最初に」個人加盟ユニオンへ。社内通報が機能しない現実の中で 
2026年1月21日(水)16:00
https://www.youtube.com/live/PntU0_rM7jw?si=Sl5K-h6oDV4DDq01


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【勝訴報告】佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行などの損害賠償請求訴訟で東京高裁が違法な有形力の行使(暴行)と認め慰謝料10万円の支払を命じる(3月19日・東京高裁)

【勝訴報告】
佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行などの損害賠償請求訴訟で
東京高裁が違法な有形力の行使(暴行)と認め慰謝料10万円の支払を命じる
(3月19日・東京高裁)

 

■東京高裁、暴行の違法性を認定し慰謝料の支払いを命令
 佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行事件などの損害賠償請求訴訟の控訴審で、東京高等裁判所は、3月19日、東京地方裁判所の判断を変更し、裁判で争われた各行為について「第1審被告佐賀による行為はいずれも違法な有形力の行使であると認められ、かつ、過失相殺は相当ではないから、慰謝料10万円の限度で認容されるべき」として、佐賀豊社労士に対して、稲葉書記長に10万円および令和5年10月20日から支払済みまで年3%の遅延損害金を支払うよう命じました。

■名誉毀損に関する組合の請求は同定可能性などを理由に棄却
 佐賀豊社労士による稲葉書記長への暴行によりプレカリアートユニオンが被った損害と佐賀豊社労士によるプレカリアートユニオンに関するブログ記事(1点)が名誉毀損であるとするプレカリアートユニオンの損害賠償については、損害を認めず記事については同定可能性がないなどとして控訴を棄却しました。

■団体交渉中に発生した暴行事件の経緯
 2023年10月20日、プレカリアートユニオン事務所において、池袋駅近くの「長汐病院」を運営する社会医療法人大成会との団体交渉が行われた際、団体交渉の途中で、大成会側の代理人である濱川俊弁護士と佐賀豊社労士が、団体交渉を拒否して退席しようとしたことを契機に、佐賀豊社労士が稲葉書記長に対して暴行に及びました。

■第一審判決の内容(暴行一部認定・既払処理)
 東京地裁は、2025年8月28日、佐賀豊社労士にプレカリアートユニオンに対する名誉毀損で10万円の支払いを命じ、稲葉書記長の損害3万円は既払の範囲内と判断する判決を出していました。東京地裁は、事務所フロアのエレベーター内で倒れていて佐賀豊社労士に抵抗していない稲葉一良書記長に対して行われた、左大腿部を踏みつける、腰部分を高く持ち上げ落下させる、という暴行について、不法行為が認められると判断し、損害額は3万円と判断しました。ただし、佐賀豊社労士はすでに(診療費を請求した稲葉一良書記長に対し、佐賀豊社労士の代理人が5万4242円を支払ったことについて)5万4252円の支払いをしているとして、既払金の範囲内であるとしました。
 この第一審判決に対し、原告・被告双方が控訴していました。

■東京高裁による暴行事実の詳細認定
 東京高裁は、団体交渉が拒否された直後、稲葉書記長が膝立ちになっているところを佐賀豊社労士が蹴ったとの事実が認定できると判断。
「第1審被告佐賀が第1審原告稲葉の右脇下に自身の左腕を入れ、第1審原告稲葉の背中を左手で押し、本件出入り口に進もうとして、第1審原告稲葉を転倒させたもの」
「本件ホール及び本件踊り場において、第1審被告佐賀が、第1審原告稲葉の右前腕下部分をつかみ、手前に引いたもの」
「左腕をひねり上げたり、左脇下又は左腕をつかんで押したりしたもの」
「右腕部分をつかみ、押したり、足をかけたり、首元を右手で押したり、上着をつかみ押したり、服を引いたりして、転倒させたもの、上着をつかんだり、首元を押さえつけたりしたもの」
「左肩付近の上着をつかみながら第1審原告稲葉を押さえつけ、その際に髪をつかんだもの」
「本件エレベーターにおいて、第1審被告佐賀が、第1審原告稲葉の左肩あたりをつかみ押して転倒させたり、本件エレベーターに乗る際にその脚又は腹部を踏んだりしたもの」
「本件エレベーター内で右足で第1審原告稲葉の左大腿部を踏みつけたもの」
「腰ポーチの紐をつかんで腰部分を持ち上げ、手を放し落下させたもの」

■一連の行為は反復的・執拗な暴行と評価
 以上の行為は、「あからさまな有形力の行使であり、行為態様自体からして、偶発的な身体の接触ではなく、意図的なものと認定できるもので、その程度も軽微であるとは言い難く、反復的で執拗である。」と判断。

■稲葉書記長の行為は違法とならず
 稲葉書記長が「第1審被告佐賀を退出させまいとして体を盾にしているが、通行を妨げる行為を超えて、第1審被告佐賀をつかんだり押したりといった物理的な接触を図るものではなく、暴行と評価できる行為はなかった。」「第1審原告稲葉が第1審被告佐賀の退出を妨げようとした契機は、第1審被告佐賀から蹴られて転倒したこと(本件行為1)にあり、その後、間もなく警察を呼ぶという状況になった中で、第1審被告佐賀が有形力の行使を繰り返していたという事情があるから、警察官が臨場するまでの限定された時間において、暴行の加害者と認識している相手方である第1審被告佐賀を留め置こうとしたにすぎないというべきであり、違法性や過失があるとは評価できない。」とも明確に判断しました。

■正当防衛・過失相殺はいずれも否定
 したがって、佐賀豊社労士の行為は稲葉書記長に対し、「暴行を行ったものと認められ、正当防衛は成立せず、過失相殺も認められない。」と判断しました。

■名誉毀損請求の棄却理由
 プレカリアートユニオンが佐賀豊社労士のブログ記事1点について名誉毀損であるとして損害賠償請求をした点については、同定可能性などを理由に認めませんでした。

■組合の当事者適格を明確に肯定
 なお、被告側は、プレカリアートユニオンについて「決議不存在確認訴訟」の判決を理由に「憲法上の労働組合でも、労働組合法所定の法適合組合でもない。」として訴えの適法性ついても問題があると主張していたことについては、東京高裁は「資格審査を経て法人登記がなされている第1審原告組合の法適合組合の要件該当性が否定される根拠はなく、法人格が当然に失われるものでもないから、当事者能力は問題となる余地はない。」「そして、第1審原告組合が自ら損害を被ったとして損害賠償請求している本訴において当事者適格を欠く理由もない。」とし、定期大会での追認手続きについても「これを否定すべき根拠もない。」とし、プレカリアートユニオンの請求を不適法とはいえないと判断しました。

■佐賀豊社労士は真摯に反省を。社労士会も対応を
 本判決により違法性が明確に認定された以上、佐賀豊社労士には、自らの行為について真摯に反省し、判決に従い速やかに慰謝料の支払いを行うとともに、再発防止に向けた誠実な対応を行うことを求めます。あわせて、社会保険労務士会に対しても、本件の重大性を踏まえ、専門職としての倫理と信頼を守る観点から、適切な検証と必要な対応を行うことを強く求めます。

 

佐賀豊社労士による暴行の動画

youtu.be

東京地裁判決の報告記事

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労災申請を妨げる発言、安全配慮の要求、未払賃金問題などについて交渉していた埼玉県内の製造業者と和解!

労災申請を妨げる発言、安全配慮の要求、未払賃金問題などについて交渉していた埼玉県内の製造業者と和解しました。

会社は、作業中に負傷した労働者への安全配慮措置を講じることし、作業箇所への負荷が軽減される部署への配置転換を実施するなどし、解決金の支払いを合意して和解しました。

 

 

今回の事例のように、

・作業中のケガについて労災申請をためらっている
・会社から労災にするなと言われた
・安全対策が不十分なまま働かされている
・未払い賃金がある

こうした問題は、決して特別なものではありません。

しかし、多くの場合、
「会社に言いづらい」
「トラブルになるのが怖い」
という理由で、そのまま放置されてしまいます。

その結果、本来受け取れるはずの補償や賃金を失い、さらに危険な環境が改善されないまま働き続けることになります。

今回のように、労働組合として団体交渉を行うことで、安全配慮の是正や配置転換、解決金の支払いなど、具体的な改善につながるケースがあります。

一人で会社と交渉するのが難しい場合でも、労働組合には会社と対等に交渉する権利があります。

「このままでいいのか」と少しでも感じた時点で、相談することができます。

相談の段階で会社に連絡することはありません。
迷っている段階でも大丈夫です。

 

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【解決報告&組合員の手記】茨城県の透析クリニックでパワハラ被害に 退職した同僚と加入し勝利和解を勝ち取った看護師のKさん

【解決報告&組合員の手記】
茨城県の透析クリニックでパワハラ被害に
退職した同僚と加入し勝利和解を勝ち取った看護師のKさん


 私は3年前に茨城県内の透析のクリニックに看護師として入職しました。しかし、私が、入って間もない頃から同じ職場で働く同僚が、上司2人からパワハラを受けていました。
 その同僚は、とても辛そうでした。私はまだ入ったばかりのため、なぜ、彼女がターゲットになっているか分かりませんでした。
 それと、自分も同じようになったら怖いと思っていました。

■とうとうパワハラのターゲットに
 そして、私もとうとうパワハラされていた同僚と同じように、その主任たちから、私だけ皆と同じように仕事をしていても、皆と同じミスをしても自分だけ注意をされたり、嫌な仕事を頼まれるようになりました。
 だんだん日に日にエスカレートし、とうとう休みの届出まで、口を挟んでくるようになりました。私の職場は、月に4回だけ希望休が取れることになっていました。
 私の母親が大腸癌を患って、ちょうど、5年目の受診と3ヶ月に1回の定期受診が重なり、やむを得ず希望休の4回目以内ではありますが、母の担当医が土曜日に診察をしていることから1ヶ月の間に土曜日に2回休みを入れたことをよく思わず、主任が私を呼び出し、「正社員のくせに土曜日休むなんてどういうこと! それでも正社員か!!」と怒鳴られてしまいました。
 私は、母親の病気のことを話しましたが、それでも主任は、「曜日を変えれないのか」、「担当医を変えれないのか」、そして、最後は「病院を変えれないのか」と言ってきました。私は、全て無理だと意思表示をしましたが、主任は理解をしてくれなかったため、事務長に相談したのですが、なんの解決にもならず、それどころか、ますますパワハラがエスカレートしました。

■パワハラ面談の怒りと悔しさで体調悪化
 最後には、師長、主任の2人に呼び出され、3対1で面談という名の一方的な私に対するパワハラが行われました。「何年も仕事してるのにミスが多い」、「患者からクレームがきている」など言われましたが、具体的ではなく、彼女たちは透析看護師20年以上のベテランです。その2人自身もミスをしています。
 私は、患者さんに対して、何時も誠心誠意で接しています。クレームというのが自分のなかでは信じられず、仲良くしていた同僚に、患者から私へのクレームが来ているか正直に話してほしい、と聞きましたが、そんな話はどこからも聞いてはいないと言われました。
 ミスに関して、私は、透析看護師経験は2年半でしたが、主任たちは20年以上の経験者で、それと比べるのはおかしい話だと反論したかったのですが、何も言えず、悔しさと怒りで身体が震えていました。
 そして自分たちもミスを犯しているのにも関わらず、それは隠ぺいをしているのです。次の日から体調不良で、職場を休まざるを得なくなりました。

■尊厳否定される発言にも仲間のおかげで耐えられた
 労働基準監督署に行っても、何の解決にもならず途方に暮れていましたが、すでに退職していた同僚から、プレカリアートユニオンに加入して、闘って、未払賃金などを勝ち取った人がいるんだけど、一度会って話しを聞いてみないかと言われました。
 その同僚と一緒にプレカリアートユニオンに加入し、法人と交渉することにしました。
 最初は半信半疑で、大丈夫なのかと思いましたが、ある団体交渉に参加して目の前で迫力あるやり取りを実際に目にし、自分も闘っていこうと決意しました。
 そして、自分たちの団体交渉が進むにつれて、相手側が、私の尊厳を否定することを言ってきて、悪くいえば粗探しを毎回言ってくるので、その度に心が折れそうに何度もなりましたが、決して私たちだけで闘っているのではなく、私たちには一緒に闘ってくれているプレカリアートユニオンの人たちがいるとだから、大丈夫と自分に言い聞かせて頑張れました。
 そして、後半は、パワハラがあったかどうかの証言や事実に繋がる証拠が必要で、なぜあの時にボイスレコーダーを持ち歩かなかったのかと後悔しましたが、団体交渉で職場のパワハラアンケートをとるよう求め、アンケートの集計によって法人の主張が覆され、和解に至りました。
 本当にプレカリアートユニオンに出会えなかったら、今の自分はなかったと思いました。感謝しかありません。
 K(組合員)



【解決報告&組合員の手記】
在職中、パワハラ被害に遭ったKさんと共に加入
退職後でも未払賃金と解決金を勝ち取ることができた


 まず初めに、プレカリアートユニオンのサポートにより短期間での和解成立を勝ち取れた事に感謝申し上げます。
 私は60歳で定年退職後、再就職したのが透析の病院でした。
 私が入職した時は、究極に人が居なく昼休憩もままならず、一日中フロアを歩き回り人の悪口などを言っている暇はありませんでした。

■職場の派閥化でパワハラ被害に
 秋になり入職者が増え、主任を立て、各委員会を再開した辺りからグループ化し、看護師がコールを取らない、仕事をしない、ミスを隠蔽する一方で、私と友人のミスは小さくても指導と称しミ−ティングに取り上げられ、皆から「公開処刑」と言われていました。

■休職明け、リハビリにも通えず
 私が職場の委員長になっても、各委員長参加のスタッフ会議はなく情報共有が難しい状態で、改善していくことは無に等しく、皆がバラバラで仕事をこなしていました。
 そんななか、私が大病をし入院4ヶ月の休職をしました。
 復帰して、3年ぶりに病棟を開設するのに、経験者というだけで移動され、約束されていた週2回のリハビリにも行けず、事実上左遷状態でした。
 その時の冬のボーナスは貰えず、事務長に確認しましたが、休んでたから無い、という返答。「査定期間は働いていたのに……」と、言いましたが「ありません!」でした。
 2度程先生と話し合いましたが、並行線で自分の身体を回復させる事が先決と退職しました。退職後パソコンを習いに行きプレカリアートユニオンで戦っている方と出会い友人に話戦う決意を固めた。

■もう一度生命を与えられた思い
 私は人がいない時からの状況を全部知っていたため、団体交渉では、自分の言いたかったことなど全て話すことができました。プレカリアートユニオンの方は一つずつ丁寧に説明し解決へ導いてくれ、早期和解になったのだと思い、感謝しかありません。
 他の組合員の方の励まし、賃金計算等携わってくださった方々に感謝しつつ、私自身は後遺症も残らず元気になり、もう一度命を与えられたと思いこの春から仕事を再開する予定です。
 これからも一人ひとりに寄り添い、問題を解決していく仲間として、プレカリアートユニオンの成長と発展を願います。
 本当に有難うございました。
 Hさん(組合員)

 

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