会社が、身勝手な理由で従業員を解雇したいときに、「解雇されると経歴に傷がつく。次の就職に不利だ」などと言って、自分から退職届を書くようにし向けることがあります。解雇をしておきながら、離職票を自己都合退職だとすることもあります。解雇に伴う保証をしたくない場合や、会社が、従業員の雇用維持に対して支給される助成金制度を利用している場合（解雇すると助成金を返せということになったり、使えなくなったりするから）に、こうした偽装自己都合退職がみられます。
辞めたくないのに自分から辞めるのは損。解雇されると経歴に傷、などということを気にする必要はありません。解雇されたのに自己都合退職にされてしまうのもとっても損。
自己都合退職だと、雇用保険のいわゆる失業給付（失業したときに受け取れるお金）にも離職から３ヶ月程度の給付制限期間がもうけられてしまいます。会社都合退職なら給付制限期間はありません。
経歴に傷、再就職に不利といっても、実際に懲戒にあたる理由で懲戒解雇をされてそれを公表されるのでもない限り、解雇されたから再就職に不利とは考えにくいです。
もし、不当な理由で会社があなたと辞めさせようとしたとき、どんなに不当な理由でも、あなたが「分かりました。辞めます」と言ってしまったり、自分から退職届けを書いてしまったら、不当さを争いにくくなってしまいます。考える余裕のない状態で間違えて退職届けを書いてしまったり無理矢理退職届けを書かされたりした場合は、退職届を取り消すという意志を早めに示す必要があります。
辞めたくない、辞めさせられるのはおかしい、というときは、はっきり「ノー」と言いましょう。
経営者から「別の会社であなたの力を必要としている」と言われ、その別の会社の経営者からも「ぜひうちに来てほしい。あなたの力が必要だ」と説得されて、退職届けを書き、新しい会社に入社した直後に解雇されるというケースもあります。
退職届けを書けと言われて悩んでいる方、解雇されたのに離職票が自己都合だとされてしまった方、泣き寝入りせずに、ご相談ください。
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