プレカリアートユニオンブログ

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残業代が出なくなる?! 天下分け目の闘い「田口運送残業代請求訴訟」で意見陳述

残業代が出なくなる?! 天下分け目の闘い
田口運送残業代請求訴訟の第1回期日で
「運転手共通の問題」原告が意見陳述

田口運送株式会社(田口精一代表取締役/東京都北区)で大型トラックのドライバーとして働く組合員が、残業代の支払いを求めて5月22日に提訴。基本給を最低賃金に設定し、時間外労働賃金とは性質の違う手当を時間外賃金であるとして、残業代の支払いを免れようとしている点が争点です。こんな制度が広がったら、サービス残業が合法化されてしまう――。6月28日の第1回期日で、原告が意見陳述を行いました。

 私は、運送業界で働くドライバーの置かれた深刻な状況を改善したい、という思いで提訴をしました。
 私が運転しているのは大型トラックです。きつい仕事ではありますが、仕事に見合う給料を受け取ることができると思い大型免許を取得しました。しかし、長時間の重労働であることは変わらない一方、賃金は下がり続けています。
 会社は、時間外労働の賃金を支払わないようにするため、本来時間外労働の賃金とは性質が異なる手当てや、無事故手当までが、時間外労働の賃金であるかのように就業規則等を勝手に変更し、時間外労働の賃金の支払いを拒んでいます。
 会社は、最低賃金が上がると基本給をわずかに上げるのですが、その一方で手当で相殺するので総額は変わらないと説明しています。各種手当てが時間外労働の賃金であるなどというのは、でたらめな話です。
 大型免許という資格を持ちながら、1時間当たりの時給に直すと最低賃金で働かせられています。しかも私たちの劣悪な労働環境は、すでに若者たちにも見透かされています。その上輸送している商品を破損させた場合の商品事故の弁済金が給与から天引きされることも常態化しています。
 今回、私は提訴をいたしましたが、決して私だけの問題ではありません。同じ業界で働く運転手の多くが同じ問題に直面しています。この裁判で、運送業界の再建に貢献出来ることを願っています。
■原告(田口運送グループユニオン=田口運送・都流通商会支部