プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

田口運送の田口精一社長たちに宛てて「誠実に団体交渉に応じ早期解決を求める要請書」を提出しました

今日、上部団体の全国ユニオンとともに田口運送株式会社の田口精一社長、グループ会社の田口精一社長、西山一郎社長宛の「誠実に団体交渉に応じ早期解決を求める要請書」を持参しました。問題を先送りし、対応を今の弁護士任せにしていては、紛争は拡大し、弁護士費用の負担が増える一方ではないでしょうか。田口精一社長、西山一郎社長におかれましては、組合との団体交渉を弁護士任せにせず、自ら団体交渉に出席され、早期解決のために賢明なご判断をされるよう要請します。

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田口運送株式会社
代表取締役 田口精一様

都流通商会株式会社
代表取締役 田口精一様
代表取締役 西山一郎様

全国コミュニティ・ユニオン連合会全国ユニオン
会長 鈴木剛
プレカリアートユニオン
執行委員長 大平正巳

誠実に団体交渉に応じ早期解決を求める要請書

 田口運送株式会社、及びグループ会社である都流通商会株式会社が、誠実に団体交渉に応じ、残業代不払いなどの問題を早急に解決するよう要請します。

 田口運送と都流通商会では、時間外手当としての性質がない手当(職能給、成績給、職別給、安全評価給など)を時間外労働賃金だと強弁して、ドライバーに残業代を支払っていません。長時間労働や運送中に破損した商品の弁償金を給与から天引きしたり、本人に請求したりするといった問題もあり、2012年11月以降、プレカリアートユニオンが改善を求めてきました。

 労働組合法7条2号では、労働組合が団体交渉を申し入れた場合、使用者(会社側)は正当な理由なくしてこれを拒否することはできないと定めています。団体交渉拒否は、労働組合法違反の不当労働行為にあたります。使用者は、形式的に団体交渉に出席していればよいというわけではなく、労働組合の要求や主張に対し誠意をもって回答や説明をし、その論拠を示し、必要な資料を提示する義務(誠実交渉義務)があります。

 しかし、貴社代理人の一人である江畠健彦弁護士(石嵜・山中総合法律事務所)は、当該組合員で支部書記長の梅木隆弘の賃金を2012年6月から一方的に減額していることについて、誠意を持った回答や説明をしていません。都流通商会の団体交渉が不誠実であり、実質的な団体交渉拒否という不当労働行為にあたるため、プレカリアートユニオンは、2013年9月、東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行いました。梅木の賃金減額以外の議題についても、団体交渉における貴社代理人の態度は、労使の歩み寄りによって問題を解決しようというものとはほど遠いと言わざるを得ません。

 我々組合が貴社に改善を求める以前にも、当該組合員らは、貴社に未払い賃金問題を解決するようはたらきかけてきました。残念ながら、貴社は、交渉や話し合いで誠実に問題を解決する姿勢をみせていません。やむを得ず、当該組合員らは、残業代請求など複数の裁判を起こしてきました。現在、新たに梅木の未払い残業代及び減額分の賃金を請求するため、提訴を準備しています。

 これまで、貴社が話し合いで問題を解決しないせいで起こされている賃金請求訴訟に対応する弁護士費用は、総額どのくらいに達しているでしょうか。さらに、代理人が誠実に団体交渉に応じないために、東京都労働委員会の不当労働行為救済申し立てに対応するために必要となった弁護士費用があるのではないでしょうか。それは、実際に会社に貢献している労働者にまわすべきでものです。

 組合は、貴社が、問題先送りのために多額の費用をかけ、労使間の問題を解決するには裁判を起こさなければならない、という状態に陥っていることを憂慮しています。このまま団体交渉で問題が解決しない状態が継続する場合は、争議権の行使をせざるを得ない旨、申し添えます。

 田口精一社長、西山一郎社長におかれましては、組合との団体交渉を弁護士任せにせず、自ら団体交渉に出席され、早期解決のために賢明なご判断をされるよう要請します。