プレカリアートユニオンブログ

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【プレカリチャンネル】全国ユニオン主催「トラックドライバー固定残業代制悪用問題への対抗手段を考える集い」2015年1月24日/鴨田哲郎(弁護士)講演 

2015年1月24日に全国ユニオン主催で開催された「トラックドライバー固定残業代制悪用問題への対抗手段を考える集い」での鴨田哲郎弁護士の講演。一部を抜粋してご紹介する。

https://www.youtube.com/watch?v=i-G5mYdTvPQ

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運送業界で、適正に残業代を支払わない固定残業代制の悪用が拡大し、長時間・過重労働を慢性化させる原因となっている。仕事の種類や乗っている車の大きさ、無事故手当など、残業代の性質がない手当を時間外賃金だということにして、残業代を支払わないというやり方だ。これらの固定残業代制の悪用を指南する弁護士や社会保険労務士も存在する。労働時間は延びる一方、賃金は下がり続ける運送業界では、人手不足も深刻だ。運送業界を健全に存続させるためにも、労使が力を合わせて運送業界の労働条件の引き上げることが必要。日本の流通の根幹を支えるトラックドライバーが、仕事に見合った賃金を得て、健康を維持し、将来の展望を持って働けるようにするため、田口運送判決も活用しながらトラックドライバーの固定残業代制悪用問題についての対抗手段を考え、業界全体を対象にした取り組みにつなげたい。

※田口運送判決 プレカリアートユニオンの組合員を含むドライバー4人が、田口運送株式会社に残業代を請求した裁判で、2014年4月24日に、横浜地裁相模原支部(小池喜彦裁判官)が、原告の主張を認め、同社に2年分の未払い賃金と同額の付加金の支払いを命じる判決をだた。同裁判所は、「各種手当てによって時間外賃金を支払ったとはいえない」「待機時間も労働時間」と判断している。その後、2014年7月25日、東京高等裁判所で地裁判決に沿った内容で原告ドライバーが勝利和解を実現。その後の訴訟も和解。
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