プレカリアートユニオンブログ

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USS子会社、中古車販売リプロワールドの悪質なパワハラ問題と闘う社員の(東京都労働委員会)陳述書を公開!

中古車オークション最大手のUSS子会社、中古車販売業のリプロワールドの悪質なパワーハラスメント問題と闘う営業社員が、東京都労働委員会労働組合法第7条3号違反の支配介入で不当労働行為救済申立中)に提出した陳述書を公開します。なぜ、USS子会社のリプロワールドでパワハラが問題となるのか、営業社員がどんな目に遭っているのかが、非常によく分かります。会社を正すため勇気を持って立ち上がった社員にご支援、ご協力をお願いいたします。

2017年5月11日

東京都労働委員会平成29年(不)第23号
リプロワールド事件

■■■■
プレカリアートユニオン
〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-29-4西新宿ミノシマビル2F

陳述書

 私は、群馬県内の高校を卒業後、大手住宅設備会社に入社し、アルミサッシの製造業務に従事しました。その後、人に接する仕事をしたいと志し、販売業、営業職、介護職などを経験しました。3年ほどは、個人事業主として営業会社を経営していたこともあります。

 2014年6月、株式会社リプロワールドに正社員として入社し、高崎支店にて営業に従事してきました。車が好きだったのと、親会社であるUSSは、中古車オークション会社の最大手であり、グループ会社に中古車買い取りで名前の通ったラビットなどがあるため、安心してやりがいをもって働けると思ったからです。

 求人誌である求人ジャーナルの求人広告を見て応募し、内藤次長と高崎支店の渡辺副支店長と面談を行い、「残業は1日2時間くらいで、残業代は払う」などと説明され、入社しました。

 リプロワールド自体は、自動車・自動車部品及び自動車用品の仕入販売・修理・輸出入など送を行う、従業員100人程度の中古車販売会社です。

 リプロワールドにおける営業とは、買い付け担当を意味します。私は営業として、群馬県内及び近県の新車ディーラーや個人の自動車屋さん(修理工場、板金工場、自動車販売業、自動車保険の代理店等)に、挨拶回りをし、中古車及び事故を起こして修理が必要な車を査定し、買い取り金額を提示し、買い付ける仕事をしていました。この中古車を買い付け、それを販売して、会社は利益を上げています。中古車の買い付けができないことには、商売になりません。

 中古車や事故車を持っているお客様は、通常、数社に査定させ、最も買い取り金額が高いところに販売します。しかし、リプロワールドでは、査定担当の営業部長や営業次長が、USSのオークションの相場のみを基準に査定金額を出すため、他社よりも査定金額が低くなる傾向がありました。オークションの方が高く売れることもあれば、ダイレクトに車を必要とするお客様に販売した方が高く売れることもあります(ダイレクトに販売すれば、オークション出品の中間マージンも必要ありません)。リプロワールドでは、買い付けた車全てを、親会社であるUSSのオークションに出品しなければならないというわけではありません。つまり、お客様にダイレクトに販売することもあるのです。にも関わらず、車の状態やダイレクトに販売できる可能性に関わらず、査定担当者が、独自に適切な判断をすることなく、ただ単にUSSのオークション相場でしか査定しないため、もっと高額で売れる車であるにも関わらず、低い査定しかしないがために、買い付けが難しい状態になっています。

 他社より安い査定金額になる傾向になるにも関わらず、受注がとれないのは、営業力がないからだとか、他社より数万円も低い査定金額であるのに、お客様との人間関係で買い付けろと無理強いをされます。梶川事業本部長、エリアマネージャーである福田次長からは、繰り返し、パワーハラスメントを受けました。例えば、2015年12月に、私が、その後所属した宇都宮支店で、梶川本部長、福田次長と半期のフィードバック面談を行った際、どうしたらいいと思うかと問われたので、私が、「半期の数字で査定件数は目標達成しているのに買い取り金額で競合他社に負けているので営業エリアの見直し(営業エリアを広げること)をしたい」と伝えたところ、梶川部長、福田次長は、高圧的に「買えない理由を会社のせいにしている」「全営業の中で成績は最下位だ」「赤字社員で給料を払う価値がない」などと罵倒しました。さらに「(2016年)3月までに成績が上がらないと、どうなるか分かっているのか」と何度も繰り返しました。この時期の私の営業成績は、最下位などではなかったと記憶しています。私より、勤続年数の長い先輩の営業社員が、私よりは下の順位にいたことを記憶しています。

 2015年9月30日で高崎支店が閉鎖されました(2015年10月末までは営業の業務はしていた)。高崎支店の閉鎖に先立って、閉鎖については一切知らされないまま、2015年8月になると、私は、貴社内藤次長、渡辺副支店長から、退職勧奨をされるようになりました。私は、明確にこれを断り、退職の意思がないことを伝えました。すると、2015年9月30日になって、渡辺副支店長は、私に「今日で高崎支店は閉鎖」と伝えました。

 2015年10月1日から、私は、宇都宮支店に所属となり、電話で宇都宮支店に出退勤の連絡をして、主に群馬県内で引き続き営業業務に従事した。

 2015年10月2日朝、福田次長(宇都宮担当のエリアマネージャー)が、電話で、中山に、「今日から9時30分と13時と17時30分の定時連絡をするように」と指示しました。中山は、顧客対応中で、同日17時30分の定時連絡ができませんでした。すると18時頃、福田次長は、電話で私に、顛末書を書けと命じました。その際、「お前、仕事をなめている」などと、強く非難しました。1度、定時連絡ができなかったことについて、強く責め立て顛末書を書かせるのは、合理性がありません。実際、宇都宮支店内で、顛末書のことを相談したところ、先輩及び同僚の営業職から、「あの人(福田次長)は、新人いびりをする人だから気にするな」などと言われました。また、2015年10月下旬、高崎支店の引越作業のため高崎支店に来ていた、総務部の堀越課長と大河原課長から、「福田次長は、かなり高圧的なことがあるので注意した方がよい」「度が過ぎる」と発言していました。このような細かい定時連絡は、労務管理上必要だからというよりは、福田次長の嫌がらせだといえます。会社は、直行直帰している多くの営業社員に対して、このような1日3回もの定時連絡を義務づけてはいないからです。さらに、お客様との商談中で、定時の連絡ができないことは通常、当たり前にあることです。それを、定時から10分遅れたから顛末書を書かせるというのは、嫌がらせ以外の何物でもありません。

 2015年11月には、福田次長は、私に対し、電話で、本来必要のない業務をしなかったことについて、「お前らみたいな能力の低い人間の考えは理解に苦しむ」などと暴言をはきました。

 また、すでに述べた通り、2015年12月9日に、福田次長、梶川次長は、宇都宮支店で、私と面談し、私に対し、査定件数の目標を達成しているにも関わらず、「全営業のなかで成績は最下位(事実ではない)」、「給料を払う価値がない」などと発言し、営業成績について私が支店の足を引っ張っているかのように責め立てました。

 2016年1月から2月になると、福田次長は、査定件数の目標は達成しているにも関わらず、「訪問件数や名刺交換が少ない」などと責め立てました。「1日40件訪問しろ」などと(単に名刺を一方的に配布するのであれば、可能な場合もあるが営業や商談をすることを前提とすれば不可能である)達成不可能な不合理な要求をされるというパワーハラスメントを受け、私は、夜眠れなくなり、時々めまいを感じるようになりました。私は、福田次長が、管理不足だとして、斎藤支店長を責め立てていると聞いて、余計にストレスを感じました。

 2016年3月4日、福田次長は、私に対し、電話で、「定時以内の時間で、訪問件数目標30件に加えて名刺を5枚回収」を徹底するよう命じました。18時15分が終業時間であるが、ディーラーの営業担当者が帰社するのが17時ですぐにミーティングを行い、ミーティングが終わるのが17時30分から18時であるため、定時内で指示された目標を達成するのは困難です。さらに、中山は、直行直帰で営業業務に従事しているため、勤務時間内で事務作業をする必要がり、営業効率が悪くなる旨を、福田次長に伝えたところ、「利益も出していないのに何を言っているんだ」「従わない場合は、業務命令違反で懲戒処分にする」などと強い調子で、責め立てました。

 2016年3月末、親会社の株式会社ユー・エスエスの企業倫理ヘルプライン事務局に、私は、福田次長らのパワーハラスメント問題について、報告・相談を行いました。株式会社ユー・エスエスの監査担当者が、私に聞き取りを行いました。その後、リプロワールドの社長は、私を呼び出し、「色々大変なようだが、営業は頑張ってほしい。管理職だから発破を掛けることは仕方がないが、言い方に気をつけるように指示はするから、頑張ってくれ」などと発言しました。その後、社内で、パワーハラスメント防止に関する文書が配布され、いったんはパワーハラスメントは治まりました。

 2016年12月、福田次長は、私に対し、電話で、「1日40件営業で回れ」などと再び、達成困難なノルマを強いるようになりました。

 2016年12月2日に斎藤支店長が、私と人事評価の面談を行いました。コミュニケーション能力について自己評価、斎藤支店長の評価ともに7段階中の7をつけましたが、福田次長が評価を著しく下げました。私は、福田次長のパワーハラスメント問題について親会社に相談したことへの意趣返しとしか思えませんでした。

 株式会社ユー・エスエスから「報復措置はないか」と尋ねるメールでの問い合わせがあったため、再び「1日40件営業で回れ」などと強いられるようになったこと、評価を著しく下げたことが報復だと考えていること、さらに私が成績不振だとして斎藤支店長までが非難されている、などとも伝えました。

 すると、2017年2月20日夜、リプロワールドの梶川本部長は、私に、電話で、翌日、本社に来るように命じました。

 2017年2月21日朝、本社で、梶川部長、高田部長、大河原課長が、中山と面談し、梶川部長が、「急なんだけど、3月1日から本社に異動を命じます」「業務は経理補助」「体調や色々考えて中山さんにもいいから」などと発言しました。経理担当の高田部長は、単身赴任の場合の家賃補助などについて、説明を行いました。梶川部長は、「かといって3月1日から急に本社で常勤は難しいだろうから、多少の融通は利かせるから、3月1日にみんなに赴任の挨拶をして、そのときにアパートの下見をして決めてきてほしい」と発言しました。

 しかし、私がリプロワールドに入社した際の雇用契約書には、勤務地は高崎市芝塚町1879−8 ワールド事業部営業推進部高崎支店、と記載されています。その後、高崎支店閉鎖により宇都宮支店に配属となりましたが、引き続き主に群馬県内で営業活動を行い、一定の成績を上げていまする。雇用契約書の職群は、「一般営業職(スタッフⅡ)」と明記されている。経理補助などの事務は、契約上の業務ではありません。

 社内のパワーハラスメント問題を訴えた私に対する意趣返しとして、梶川本部長は私に再度パワーハラスメントを行った上、そのことを親会社のユー・エスエスに報告したことにより、雇用契約とは異なる勤務地で、雇用契約とは異なる業務への配転を命じようとしているのに他なりません。営業成績を上げている私を、転居が必要な千葉県野田市の本社に移動させ、営業から外し、経理補助として働かせるような合理的な理由はなく、退職強要目的の不当配転であると言わざるを得ません。

 また、本社には、中山に対するパワーハラスメントの加害者である福田次長が勤務しています。ハラスメント問題については、加害者と被害者との物理的な距離を確保すべきであり、この異動は安全配慮義務の点からも不適切です。

 なお、現在掲載されている貴社の求人広告には、「転勤なし」「勤務地は希望を考慮。基本、転居をともなう転勤はなし。栄転の場合も本人の希望を優先します」と記載されています。

 2017年2月23日、私は、労働組合プレカリアートユニオンに加入し、不当配転の撤回などを求めて、団体交渉を開催しました。2017年3月17に開催された第1回団体交渉では、会社側は、私からのパワーハラスメントの相談については、要望を細かく伝えていたにも関わらず、仕事がつらいと言っていただけだ、などと言い張りました。私は、私からの聞き取りではなく、斎藤支店長の客観的な意見を聞いてほしいと、本社の大河原氏に電話で伝えていたにも関わらず、斎藤支店長からは一切聞き取りをしなかったそうです。これは斎藤支店長から本社の大河原氏に電話をして、私中山のパワハラ問題について説明しようとしたにも関わらず、「この問題には斎藤さんは首を突っ込まない方がよい」と言われて話しを聞いてもらえなかった、と私に発言しています。

 リプロワールドは、団体交渉で、私のパワハラ問題は存在しないと主張し、パワハラ問題を訴えたことと、私の配転は関係ないと言い張りましたが、説得力のある説明は一切しませんでした。私が、親会社の相談窓口に相談し、調査が行われたとのことですが、リプロワールドの関係者が、調査されたことを一切知らないというなど、不自然な発言が相次ぎました。

 さらに、リプロワールドは団体交渉で、私の営業成績が悪いから移動させたなどとも発言していますが、事実ではありません。例えば、2017年3月度の個人受注成績順位表をみると、私は全営業担当者46人のうち、順位としては37位になっています。しかし、40位という私より下位にさいたま支店に所属する■■■■氏(前高崎支店長。勤続年数14年3か月)がいたり、46位には、さいたま支店の■■■■氏(勤続年数18年1か月)がいます。私の当時の勤続年数は2年8か月です。私だけを営業から外して、経験のない経理補助を担当させる合理的な理由はありません。

 なお、2017年3月度の受注数は、4台でした。1位は、札幌支店の■■■■氏で十中22台でした。

 たまたま手元にある資料で、時期はずれるのですが、2016年8月度の個人映像台数順位表(査定のために車の写真を撮った件数)は、私は1位で札幌支店の■■■■氏の34台に続く2位の32台という成績を上げています。■■氏が所属する札幌支店は、競合他社がほとんどないため、映像台数のうち、受注できる割合が高くなります。しかし、宇都宮支店(私の担当エリアは群馬県内と埼玉の一部)は、競合他社が多く、群馬在住の新井栄一社長が経営する、同業他社が群馬県内には3社存在し、新井社長が経営する他社が査定した車は買い付けてはいけないという強い指示を高崎支店所属当時の渡邊支店長から受けていました。非常に制約のあるなかで、誠実に業務を行い、実績も上げています。2016年8月度の個人映像台数の順位と映像台数(=査定台数)を見ても分かるように、2位である私以下の営業担当者は、私より少ない査定しか行っていません。言い換えれば、私は、査定件数は、ほぼ上位の成績を収めていたのです。

 このような私を、営業から外して、経験のない本社での経理補助業務に就かせるのは、私が、社内のパワハラ問題を親会社に相談したこと以外に理由がありません。

 会社では、これまで、営業本部長などからの営業社員に対するパワーハラスメントが何度も大きな問題になっていました。営業成績の数字を上げようと無理をするあまり、不正が行われることもありました。例えば、査定した車を相手の希望金額が5万円、会社の査定が3万円だとすると、自腹で2万円をお客様に渡してしまい、お客様が無料で手放してもよい車を0円で引き取り、それを個人的に他社に■■し、自腹を切った2万円を回収するといったことです。このような行為が社内で何度も問題になってきました。

 営業成績でトップだった■■■■氏は、201■年■月に退職しました。■■■からの調査があり、■■■■■になって退職したと聞いています。

 2013年12月13日の朝日新聞などで報じられたように、梶川本部長らが、有印公文書偽造により逮捕されるという事件も起きています。
 
 リプロワールドには、パワーハラスメントにより、営業社員を追い詰め、場合によっては不正行為を行わせるまで追い詰めるような体質があります。また、犯罪行為を行った社員をかばい、問題を隠蔽する体質があります。このような会社の体質のなかで、リプロワールドはパワーハラスメントという不法行為の解決を訴えた私を退職させる目的で、合理性のない配転を命じたのです。合理性がないからこそ、労働組合との団体交渉でも、説得力のある説明や根拠をしめした回答ができないのです。

 私は、会社のこのような体質によって、パワーハラスメントの被害にあった社員を何人も見てきました。これは決して私だけの問題ではありません。パワハラを生じさせるような会社の体質を改めないと、会社が健全に存続することも難しくなります。

 東京都労働委員会におかれましては、労使関係の正常化と、私の処遇改善のために、賢明なご判断をくださるよう、心からお願い申し上げます。


【ご意見、抗議先】
株式会社 リプロワールド 代表取締役社長 新井 栄一
〒270-0233 千葉県野田市船形1830番地
TEL:04-7129-1111 FAX:04-7129-1011

株式会社ユー・エスエス 代表取締役社長 安藤之弘
愛知県東海市新宝町507番地の20

【労働相談は】
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