プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

生コン業界を正常化する運動への不当労働行為 「関西生コン事件を考える」検証シンポジウム(2月15日・東京)

 相次ぐ不当逮捕、関西生コン支部全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)に対して行われている弾圧は、単に労働運動の弾圧に留まらず、深刻な人権侵害も行われ熾烈を極めています。関西生コンを支援する会(平和フォーラム内、東京都千代田区神田駿河台3-2-11連合会館1階)主催による「検証シンポジウム 関西生コン事件を考える」が、東京で2月15日に、大阪で2月16日に行われました。東京のシンポジウムについて報告します。
 闘う組合だから狙われた
 なぜ、関西生コン支部(以下、関生)が弾圧を受けているのでしょうか。ご存知の通り、労働組合による争議行為は全盛期と比べ、激減しています。しっかりと正当な権利を主張し、労働者の権利の実現だけでなく、生コン業界を正常化する力を持っている関生は稀有な存在といえます。関生はまさに、民主主義の先頭に立っていると言えるのです。闘いが「そういう闘いだから狙われた」のだと関生支部弁護団の小田幸児弁護士は述べました。
 警察による不当労働行為
 また、この弾圧は警察が作り上げていった事件であるという側面を持つのだといいます。大阪高検レベルで事件の全容を作り出しているように考えられると小田弁護士は語りました。警察検察は、存在自体が威圧的であるとして労組法の原則を検討もせず「威力業務妨害」と判断し、組合員にも組合を抜けるように圧力をかけるなどをしています。これらの行為は、まさしく不当労働行為そのものです。企業ではなく警察が不当労働行為を行っているのです。
 国際人権法の観点からも問題
 国際人権法の専門家である青山学院大学法学部の申惠教授は、労働組合の権利行使による逮捕は、労働基本権の侵害だけでなく国際人権規約に定める社会権規定にも反するものだと刑事弾圧について解説しました。関生の武委員長らが受けている恣意的な勾留も、人権の観点から決して許されることではありません。
 レイシストに餌を与えるな!
 また、ジャーナリストの安田浩一氏は、今回の問題のより深刻な点は、弾圧の尖兵としてレイシストたちが参戦していることだと発言しました。この問題を契機に、労働組合運動の力が削がれてしまい、日本の民主主義の根幹が揺さぶられるだけでなく、ネトウヨレイシストといった排外的差別主義者たちに力を与えてしまうことになりかねないのだと、安田氏は問題を提起しました。
 近く、弾圧に対する国賠訴訟も行われます。シンポジウムは、関生への弾圧に対して一丸となり闘うことを確認しあい閉会しました。

稲葉一良(書記次長)

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