プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

合理的な理由も説明せず解雇を強行するMCM Fashion Group Japan(株)。社内の権力争いにコロナを悪用する 「コロナ便乗解雇」を許さない!

 Aさんは、従業員約30名の革製品ブランドであるMCM Fashion Group Japan株式会社(代表取締役 李俊範)で働いていました。会社は、他の世界的に有名なファッションブランドも軒を連ねる銀座の一等地に建つ、いわゆるラグジュアリーブランドです。

 Aさんは、当時会社のプレジデント(代表)を務めていたN氏より誘いを受けて入社エグゼクティブアシスタント(社長秘書)として働く傍ら、当時開設されたばかりのオンラインストアの業務もサポートしており、主にカスタマーサービスは一人で対応してきました部署異動を申し出て、2020年3月よりEコマース部に異動しています。

 新型コロナウイルスの影響により、会社は店舗の休業やテレワークの積極的導入などを進めてきました。当初、Aさんも在宅で何の問題なく仕事をこなしていました。4月に入りプレジデントのN氏が会社を去るや否や、事態は急変します。Aさんは「新型コロナウイルスの影響による経営不振」を理由に突然4月末での解雇を言い渡されたのです。N氏の退陣の影では、ヴァイスプレジデント(代表補佐)との権力争いが噂されていました。N氏が去った後、会社の実権を握ったヴァイスプレジデント派により次々とリストラが行われていたのです。Aさんの解雇は、コロナに託けて気に入らない社員を放逐する「コロナ便乗解雇」とも呼べるものでした。

 Aさんは、誰でも一人から入れる労働組合プレカリアートユニオンに加入し、会社に対し解雇撤回を求め団体交渉を申し入れました。会社は新型コロナウイルスの影響などを理由とし、5月中準の候補日を提示しました。4月中に交渉が行われなければ、解雇が強行されてしまうことを危惧し、4月中の開催が難しいなら交渉開始まで解雇を留保するように申し入れますが、会社は「どちらにせよ解雇を撤回する意思はない」と十分な説明をしないまま解雇を強行。労働組合の申入に対し、根拠を十分に示さず一方的にAさんの仕事と生活を奪ったのです。

 会社は「Aさんの仕事はもう必要なくなった」と主張しながらも、Aさんに対し後任者への引き継ぎを求めるなど、一貫性のない行動を繰り返しています。解雇をしなければならない数的根拠や配置転換の余地など、必要な回答は未だ得られていません。社内の権力争いにコロナを利用して邪魔者を追い出す卑劣な「コロナ便乗解雇」、決して許されることではありません。

【ご意見・抗議先】
MCM Fashion Group Japan株式会社 代表取締役 李俊範
〒104-0061東京都中央区銀座3-5-4十字屋ビル
TEL03-5159-3883 FAX03-5159-3884

【労働相談は】
誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒108-0014 東京都港区芝5-29-17 MY三田ビル1F
TEL03-6809-6055 FAX03-4335-0971
※2020年5月19日頃まではTEL03-6276-1024
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
メール info@precariat-union.or.jp

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当事者の思い

  新型コロナウィルス感染症の影響で、政府より緊急事態宣言が発令されて以降、ストアの休業が余 儀なくされていたため、会社の売上が激減していることは理解しておりましたが、まさか急に呼び出 されて、2週間後に解雇するとの知らせを受けるとは夢にも思っていませんでした。

    整理解雇であるならば、四要件を説明してほしく、それに納得感を持てない限り、私は解雇に同意 できないと伝えても、「グローバルが決めたこと。会社が決めたのであなたの同意は関係ない」と いった、極めて一方的な対応をし続けたまま、結果的に詳細の説明もなく、もちろん私の同意もな く、MCMは解雇を強行しました。

    しかし、4月にマネジメントを新たに採用したり、解雇する対象を選択した背景に、判断をした人の 好き嫌いが反映されているのではないかと感じられる面があったりなど、到底納得のいくものでは ありません。

    MCMでは、1年以上勤務する従業員が少ない環境において、1年半にわたり勤務してまいりまし た。その間、私なりに、会社のために、取引先のために、そしてお客様のためにとってどうしたら最善の対応ができるかを念頭に置いて業務に従事してきたのですが、これらがまるで評価されてこな かったのかと思うような最後の迎え方に、大変残念に思っています。

    今回のような一方的な解雇は、「外資にありがちだよね」の一言では済まされるものではありませ ん。解雇には客観的に合理的な理由、社会通念上相当であることが必要であると労働契約法第十 六条に規定されています。その点についてMCMに理解してもらい、「会社としては誠実に対応して いる​つもり​」といった、ひとりよがりなものではなく、客観的に見ても誠実であると認識できる対応を してもらいたいと思っています。

    そして、私と同じ状況に陥ってしまった方がもしいたとしたら、泣き寝入りすることなく、しかるべきア クションを起こし、問題解決に向けて取り組むことに意味があることを、私の経験を通じてお伝えし ていけたらと思っています。