とちぎテレビ開局１５周年記念番組で、栃木のご当地ヒーロー「雷様剣士ダイジ」の制作会社であるプラグ・インの大澤崇久代表取締役、プラグ・インの代理人である五十嵐潤弁護士（東京共同法律事務所）と、「雷様剣士ダイジ制作委員会」で番組制作にあたっていたクリエーターが加入するプレカリアートユニオン執行委員長の清水直子が、２０２０年７月２２日、栃木県の県政記者クラブで記者会見を行いました。
組合員であるクリエーターの手記
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プラグ・イン（大澤崇久代表取締役）は、とちぎテレビから優越的地位を濫用され、損失を押しつけられたことから、７０７５万７２５４円の損害賠償を請求して、２０１９年１２月２０日に宇都宮地方裁判所に提訴しました。
プラグ・インの代理人、五十嵐潤弁護士は、「とちぎテレビとプラグ・インとは、プラグ・インが３分の２、とちぎテレビが３分の１を出資し、共同事業体である雷様剣士ダイジ制作委員会を作って運営していた。とちぎテレビに優越的地位を濫用され、２０１９年３月に打ち切られるまでの５年間にかかった制作費約１億２０００万円がプラグインに押しつけられたため、その３分の１である約４１００万円を請求した。一方、ＣＭ放送料については、プラグ・インが４割の分配を受けるはずだったので、不足している約２９２２万円を請求した」と説明。「５年間で制作費１億２０００万円のほぼ全てをプラグ・インが負担したのは、当時プラグ・インが受注する仕事の９割がとちぎテレビのもので、主従の関係のなかで異を唱えることができなかった。そのなかで従業員の賃金も払えなくなった。その意味では、使用者と労働者側が同じひな壇で会見をしているのは、優越的地位を濫用したとちぎテレビに責任があるということで一致しているからだ」と話しました。
プラグ・インの大澤崇久代表取締役は、「制作委員会の幹事社はプラグ・インだったが、ほとんどの決定はとちぎテレビ側の了解が必要だった。ひどい契約だったとしても、立場的にはとちぎテレビの言うことを聞くしかなかった。それが会社と従業員を守ることだと思っていた。とちぎテレビからは、『ダイジ（の数字）が良くなれば制作費を出してやる』と言われていたが、個人的にかなりの費用負担をした。栃木テレビ側からパワーハラスメントも受け、田畑を売って（金を）払えと言われたこともある。こういう制作会社の実態を知ってほしい。とちぎテレビには反省してほしい」と訴えました。
プレカリアートユニオン執行委員長の清水直子も、「実質的な使用者であり解決の権限があるのはとちぎテレビ。とちぎテレビが２０１９年１０月以降団体交渉を拒否していることから、速やかに誠実に交渉に応じるよう求めたい。文字通り命を削って番組制作にあたっていたクリエーターに敬意をもってほしい、持続的に番組の制作できる条件を整えてほしい」と、発言しました。
会見では、県政記者クラブに加盟する１０社が参加して熱心に質疑応答が行われました。会見の後には、とちぎテレビ周辺で、プレカリアートユニオンが街宣活動を行いました。
栃木県の県政記者クラブで会見を行った前日の７月２１日にも東京の厚生労働省記者クラブで、プラグ・インの大澤崇久代表取締役、代理人の五十嵐潤弁護士、村上一也弁護士（ともに東京共同法律事務所）とプレカリアートユニオン執行委員長の清水直子が出席して同様の会見を行いました。
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