プレカリアートユニオンブログ

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貧困との闘いに立ち上がるイギリス労働者。『1945年の精神 (THE SPIRITOF '45)』(ケン・ローチ監督/2013年・イギリス)

貧困との闘いに立ち上がるイギリス労働者。『1945年の精神 (THE SPIRITOF '45)』(ケン・ローチ監督/2013年・イギリス)

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 1945年は、第二次世界大戦が終わった年です。イギリスでは、戦前戦中から労働者階級が深刻な貧困に喘いでいました。兵隊として働いていた労働者たちは、戦争が終わると今度は力を合わせて、貧困と闘います。『THE SPIRIT OF'45(1945年の精神)」は2013年イギリスで製作された、ケン・ローチ監督による映画です。
■1930、行き過ぎた資本主義と貧困
 30年代以降、イギリスの労働者の生活環境は劣悪でした。資本家は利益だけを追い求め、人を人として見なさず、冷酷な搾取を繰り返します。食料だけでなく、住環境も劣悪です。当然、医療を受けることもできません。社会は、行き過ぎた資本主義により、一握りの資本家の私物と化していたのです。
■1945、社会を自分たちの手に
 労働者達は一致団結して立ち上がります。戦争でファシズムを打倒した彼らが、次に倒すべきは、社会悪でした。労働党は多くの労働者の支持を受けて選挙で圧勝、貧困やそれによる害悪をなくすべく、次々と社会保障を実現させていきます。多くの事業が国営化し、生活できる労働条件、住環境の改善、無料の医療を勝ち取りました。1945年、労働者達は「社会主義」による労働運動を行い、社会を自分たちの元に取り戻したのです。
■2021、今こそ労働者の団結を
 サッチャー政権により、個人主義が唱えられ、様々な国営企業の解体や、規制緩和が行われた延長に現代はあります。資本主義は日に日に先鋭化し、一握りの資本家が、多くの労働者から搾取を繰り返し、人を物のように扱う時代に逆戻りしています。その結果、私たちは、人間らしく働く権利や尊厳、さらには生存権すら脅かされています。
 日本を見ても労働法は守られず、所得格差は拡大するばかり。貧困が社会問題化し、住宅を確保できない家庭が出てくる、医者にかかれない等々、社会には害悪が蔓延っています。今の時代だからこそ、1945年の精神に倣い、働く人たちが一致団結するべきだと考えます。
 稲葉一良(書記長)

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