『会社に人生を振り回されない 武器としての労働法』は2021年3月31日にKADOKAWAから発売された著書で、執筆されたのは、旬報法律事務所の佐々木亮弁護士です。佐々木弁護士にはプレカリアートユニオンも大変お世話になっており、労働者の働きやすい環境を作るために日々尽力されている方です。
■会社は簡単に解雇できない■
この本はすべての働く人に向けてわかりやすく、労働法について具体的な例を元に解説している本です。労働法を知っていればハラスメントや不当な解雇、賃金未払いなどに対して自身の身を守る強力な武器になると確信が持てるでしょう。
たとえば、私が気になったところは、雇用形態別の契約社員(有期雇用)について、会社は契約期間が切れたからといって一方的に労働者を切ることができないということです。これまで何回も契約期間が更新されていたので、今回も更新される、大丈夫だと思っていたら、会社側から契約期間が切れたからもう来なくていいと雇止めされた場合、そのような契約なのだから仕方がないと労働法を知らなければ思ってしまいます。しかし、この本を読めば、いくつかの条件(何回も契約を更新されているなど)を満たしていれば、労働者には契約更新の期待する正当な理由があるとして、会社側に雇止めを無効にするよう要求することができるとわかります。
ほかにも、解雇を成立させるにはかなり高いハードルがあるので、会社は簡単には解雇などできないこと、ハラスメントなどを訴える時には録音が必要なこと、近年のコロナ関係の労働トラブルの対策など、本のタイトル通り「武器としての労働法」について労働者が知りたいことが書かれています。
■労働者はより良い労働環境を勝ち取れる■
日本人としての感覚なのか、私の個人の考えなのかわかりませんが、会社は絶対的に私たち労働者より立場が上で、会社の決定や方針に対して反論しづらい環境があると思います。しかしそれは間違いで、会社が労働法を無視しているならば労働者はそれを正し、より良い労働環境を勝ち取ることができるのです。そのためにもまずはこの本を手に取って読んでほしいと私は思います。
郡山善行(組合員)
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著書にサインする佐々木亮弁護士(旬報法律事務所)。プレカリアートユニオンの顧問弁護士でもある。/著者の佐々木亮弁護士とプレカリアートユニオンの稲葉書記長。佐々木弁護士には、稲葉書記長が当該組合員として解雇問題を闘った際の代理人を務めていただいた。