プレカリアートユニオンブログ

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福島みずほさんによるレビュー/すべての女の子に、あなたには力があって、あなたにはあなただけの良いところがあると伝えたい。『わたしは無敵の女の子』(ケイト T. パーカー著/海と月社)

 最近、『わたしは無敵の女の子』という本を読んだ。とっても元気になるので、手元に置いて繰り返し読んでいる。
 これは4歳から18歳までの約200人の女の子たちの様々な写真とメッセージから構成をされている。どの写真もどのメッセージも本当に素晴らしい。本の製作者であり撮影をしたケイトさん自身がサッカーなどをやってきたスポーツパーソンと言うこともあり、アスリートの女性たちの素晴らしさと言ったら。ダンスをしたり、いろんな探検をしたり、笑ったり、様々な表情の女の子は100%輝いている。大口を開けて笑う子、泥だらけの子、不屈の闘志を燃やしている子、病を抱えて希望に向かって生きている子、実にさまざまである。見ているだけで元気になる。
 日本では、「女の子」というと、未熟であるとか、かわいいとか、保護しなければならないとかまだよくものを知らないと言うような感じのイメージだが、ここにいる女の子たちは未来がたくさんあると言う意味で極めてパワフルであり、そして、つよい。未知数の女の子たち、無限大の可能性を持つ女の子たちである。女の子と言うイメージがまったく変わる。女の子っていいなぁ、女の子って素晴らしいといいたくなる。

 著者が「はじめに」というところで書いてある部分を引用させてもらいたい。
 「女の子は男の子より劣っているとか、もっとやせなくちゃとか、どうせ1人じゃ何もできないとか言われたら、どうか気にしないで立ち向かってほしい。なぜって、私たちは【なにかが足りない】どころか、【じゅうぶん持っている】のだから!大切なのは【他人】ではなく【自分】の本心に耳をかたむけ、それを声にだすことだ。それもとびっきり大きな声で」
 女の子は、未経験だとか、知識がないとか、ろくにものを知らないとか思われがちだ。しかし、何かが足りないのではなく十分持っているという指摘は本当にその通りだ。自分の中にある力を自覚し、自分はできるのだと思うこと、それが本当に大事なことである。
 どれだけ女の子たちは、ダメだダメだと言われ続けてきたのだろうか。だからこそ自己肯定感が低く、自分の中に力があるにもかかわらず、その力を出すことができずに、萎縮をしてしまう。

 この本の中のメッセージにこういうのがある。
 「私は水球がだいすきだし、かたっぽのまゆげだけ上げられるし、テニスもできるし、へんがおで、みんなをわらわせることもできる。いもうとのペニーが3つのときには、字のよみかきだって、おしえてあげたんだから」サブリナ6歳
 6歳の女の子のこんなことを私はできると言う自信は素晴らしい。
 「車にひかれて、骨がつぶれた。でも、生き延びたわたしは、何があろうと最高の自分になってみせるって決めた。」シェルシー14歳
 全力で生きる女の子たちの自信や決意は素晴らしい。

 日本で、私はこんないいところがあるなんて言ったら、何をうぬぼてるんだというか、笑い話になってしまうかもしれない。しかし、この写真の中に出てくる女の子たちはみんな全力投球で、真摯であり、また自分なりの考え方を持っている。そこが本当に素晴らしいのだ。
 女の子がそのままで、力がある、わたしにはこんないいところがあると言い切れる日本の社会になったらとってもいい。全ての女の子たちが自分にはこんないいところがあるとどんなに小さくても言い切れるととってもよい。
 今は、もちろんたくさん問題があるけれども、こんな元気な女の子たちがこんな形で育っていれば将来本当に変わっていくだろう。

 第一章の「『自信がある』は、つよい」の部分はこういう文章で始まっている。
 「いま、男性の賃金が1ドルとすると、女性はたったの79セント。テレビのスポーツ番組で、女性アスリートの活躍をとりあげるのは放送時間のたったの5%。女性が主役の映画やテレビドラマはたったの12%。そんな話をこの章に出てくる少女たちにしたら、なんと言うだろう。ここにいる女の子たちは、みんな聡明で、才能があって、つよい。そして、そのことを本人もわかっている。どの子も自信をみなぎらせている。それが、わたしたちに希望を与えてくれるー彼女たちがおとなになるころには、きっと、不公平な扱いは消えているだろう、と」
 本当に未来は変わっていくだろう。そして、明確に変わり始めている。

 構成のどれも素晴らしいが、わたしがその通りとニヤリとしているのは、「『楽しめる』は、つよい」という部分の文章である。
 「この章の少女たちも、いつだって楽しもうとしている。そして、その喜びを分かちあっている。彼女たちには、ささやかな喜びを見つけるための、芯のあるつよさがある。楽しめる人は、つよい。
あなたも、そうなろう。」
ね、いいでしょう。写真を見るだけで、メッセージを見るだけでワクワクしてくる。

 「このソバカス、気にいってる。だって、これもあたしの一部だもん。」9歳
 全て私の個性というこういう考え方は本当に良い。外からの「女の子はこうあるべきだ」というのを乗り越えている。外からの評価や視線に怯えずに、わたしはわたし、これはわたしの良いところ、気にいっていると言うつよさに心打たれる。
 みんなどこまで遠くへ行けるだろう、楽しく。みんなどこか「わたしは無敵の女の子」だった。いろんなことに喜びを見つけて生き生き生きてきたのである。伸びやかな気持ちに本当になってくる。少女時代をもう一度生き直すようなそんなワクワクした新しさに満ち満ちてくる。

 帯に、「すべての少女と、かつて少女だったあなたを祝福するフォト&メッセージ」とある。すべての少女とかつて少女だったあなたを本当に祝福してくれるフォト&メッセージである。祝福してもらい、力をもらってニコニコがんばれる。自分の中の女の子がなんだってできるよと励ましてくれている。
そしてすべての女の子に、あなたには力があって、あなたにはあなただけの良いところがあると伝えたい。
 ぜひ読んでください。また、ぜひたくさんの女の子に、かつて女の子だった女性たちに届けてください。もちろん男性もぜひ読んでください。
レビューアー:福島みずほ社民党党首/参議院議員

※このレビューは、《2021年5月5日発行の福島みずほ氏のメールマガジン福島みずほ元気ニュース」》で配信された文章より一部抜粋し、許可をいただき掲載をさせていただきました。

 

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