【組合員ねこのおまんじゅうさんの手記】映像審査業務のきついノルマを改善した

11月中旬に組合に加入したねこのおまんじゅうです。映像審査という業務に就いていて、1日7時間弱ずっと映像を見てチェックをする仕事です。基本的に360分のノルマが課せられています。余裕が35分程度しか無く、私は時間外労働をしなければ終わらせられていませんでした。
契約社員のため雇用期間があるのですが、1ヵ月の試用期間を過ぎてもずっと3ヵ月更新です。きついノルマにも関わらず、ノルマ残しすぎだと呼び出しを受けるし、契約期間が短いため無理をしがちな面がありました。また、最近では更になぜノルマが残ったかという理由書を書かなければいけなくなり、理由書について上司と話した事が組合に入るきっかけになりました。
他にも無給でトイレ掃除をしなければなかったり、重大そうな事案があればその都度正社員に相談しにいかなければいけません。また、大きいミスがあると勤務中に呼び出されて、連絡事項や注意を受けたりすることもありました。なので、以前は審査時間を確保するために昼休みを潰していました。他の審査員たちも、始業前・昼休憩・終業後に仕事をする人たちが常にいるような状況でした。
組合に加入する前、中間管理職の社員と話した時に、残ってやっている人は自主的にやっている人もいるとか、ノルマを減らせないかと言ってみても全く交渉する気が無さそうで、多分これは更に上の上司達もダメなのではないか？と思っていたのですが、案の定でした。
団体交渉で上司達が話していたのは、規定の時間数の審査が終わらなくても帰ってる人もいるから自由に帰っていいが、私がノルマだと思い込んで勝手にやっていた、というような話し方でした。今までの上の立場にいる正社員達の振る舞い等も合わせて考えると、こうやって人を孤立させるようなやり方で契約社員を辞めさせて来たんじゃないか？と思います。
あくまでノルマではないと上司達が言い張っているのを逆手に取って、それなら決まった時間数を審査する必要はない、という方向に（委員長の）清水さん達が話を持って行っているのを見て流石だなあと思うと同時に、不思議な感情が湧いて来ました。
決定権を持つ人達が目の前で責められている姿というのは、今勤務している会社に勤め始める前も見たことがありませんでした。上司というのは基本的には敬われていて、たとえ向こうがこちらに敬語を使わなくてもこちらは向こうに敬語を使わなくてはいけませんし、挨拶の有無でも向こうがこちらに挨拶しないのと、こちらが向こうにしないのとでは失礼さの度合いが違ってきます。今の社会にはそういう暗黙の規範があると思います。
私もそれにいやいや従っている面はあるのですが、いざ目の前で不利な状況になっている上司達を見て、気まずいという気持ちと、上司達にはそれ程親しい気持ちを持っていないと思っていたはずなのに、その時はなぜか親戚のおじさんたちが怒られているように感じ始めていました。腕組みをして言葉に詰まったまま天井を眺めている上司達を見て、こんな姿見たくなかったと思ってしまったのです。
もしかしたら、劣勢になってしまった上司に対する単純な判官贔屓のような感情もあったかもしれません。ですが、これは自分の中にある権威主義的な部分や、内面化された家父長制なのではないかと思います。普段意識してなくても、やはり強い人に強くいて欲しい、強い側に同調したい気持ちがあるのでしょう。権威主義的な面は今よりも前に自覚していたのですが、家父長制についてははっきりと感じたことはなかったので、興味深かったです。
あと二週間ほどで二度目の団体交渉です。一度目は後から考えてあれを言っておけば良かった！という事が色々あったので、記憶を書き起こしたりして次回に備えようと思います。

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