プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

表現者が「ノンポリ」なんてかっこ悪い、一流アスリートが自伝で促す社会変革。 『ONE LIFE ミーガン・ラピノー自伝』(ミーガン・ラピノー著/海と月社)

 『ONE LIFE ミーガン・ラピノー自伝』は、アメリ女子サッカーの2度のワールドカップ優勝、2012オリンピックでの金メダルに貢献し、最優秀選手賞、得点王にも輝いたプロサッカー選手ミーガン・ラピノーの半生を記した自伝です。本書は単なる自伝の枠を超えサッカー界のスーパースターがアスリート界での男女差別、セクシャルマイノリティ差別(ミーガンは自信がレズビアンであることを公言しています)の問題を世に問い、自身や仲間とそれにどう立ち向かったかが克明に記された1冊です。
■影響力は積極的に行使するもの
 アーティストやアスリートの社会的・政治的発言について日本は殊更に抑圧的で、特定の意見を持たない者として振る舞うことがマナーのようになってしまっています。ファンやスポンサー、業界全体への影響などのしがらみが圧力となってその口を塞ぐのです。「有名人なんだから発言は慎重に」という圧力です。この点、ミーガンは自身のアスリートとしての影響力を活用し、セクシャリティ、男女サッカーの賃金格差、人種差別と、積極的に発言を行い、権力や世の不条理と闘います。自分が影響を与えられる立場にあるということの責任と意味を理解し世の中に問いかける姿勢は日本のスポーツ界・芸能界の方々にも見習って欲しいところです。
 日本ではこの政治的な意見を言わないよう口を塞ぐ圧力が、有名人に限らず、多くのアスリート、アーティストにかけられています。私自身も、長く細々とミュージシャンをしていますが、先輩方から「政治的な話しはしない方がいい」等と「アドバイス」をされた経験を持ちます。表現の現場では思想信条を持たない所謂「ノンポリ」がカッコいいとされがちですが、表現者が社会についての無関心を堂々と発信する、他人事のような態度を取るのは非常にみっともないことです。ミーガンに倣い、日本のアスリート、俳優、ミュージシャンも積極的におかしいことに声を上げ、世の中の不合理に声を上げていきたいです。

稲葉一良(書記長)

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