プレカリアートユニオンブログ

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生きるということは抵抗するということ。『布団の中から蜂起せよ』(高島鈴著/人文書院)

生きるということは抵抗するということ。『布団の中から蜂起せよ』(高島鈴著/人文書院


 社会運動・労働運動の現場では「ともに立ち上がろう」、などという言葉や言い回しがよく使われます。そして、社会の不合理・不条理とその影響を受けた会社の理不尽に対し抵抗し変えていくために「立ち上がる」ことが大切だと仲間に説きます。『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』は、ライターでアナーカ・フェミニストの高島鈴氏による1冊。抵抗するために「立ち上がる」必要はない、いわば生きていることそのものが抵抗なのだということを訴えます。
■アナーカ・フェミニストとして著者が目指すもの
 アナーカ・フェミニストとは「あらゆる権力とあらゆる差別に反対する考えを持つ者」であり、そんなアナーカ・フェミニストとして、著者は「何者にも、どのような大きな力にも脅かされることなく存在できる世の中を作り出したい」と訴えます。どのような世の中かは曖昧なものの「国家、家父長制、異性愛規範、資本主義をはじめとするあらゆる権力、差別中心主義を解体・否定し、その先に感情的関係性を必要としない相互扶助によって成立する社会を見据えること」、そのために「まずは弱い個人を追い詰める現状の批判、破壊、拒絶」に力点を置いています。
■立ち上がれなくても、おかしいと思うことが世の中を動かす
 一般的に先に挙げたような目的を達するために、「立ち上がれ」と主張が続きそうですが、本書はそうではありません。「『この世をマシな方向に動かす』ための働きかけの全て」を、著者は「革命的行動であると認識」し 、その蜂起のために立ち上がる必要がないこと、生きていることそのものが立派に抵抗になり得ること、そのために決して自らの命を自らで絶つようなことをしないで欲しいということを自身の傷つき体験を多く含むエッセイの中で繰り返し訴えます。デモに参加することができなくても、皆が意識の持ち様を変えるだけで世の中は少しずつでも変わっていく、そのための意識改革、とらわれからの脱出のヒントが様々な切り口から紡ぎ出された1冊です。
 稲葉一良(書記長)

 

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