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マルクスとエンゲルスの思想の違いから宮沢賢治の目指した共同社会の姿を見る。『甦るマルクス 「晩期マルクス」とコミュニタリアニズム、そして宮澤賢治』(大内秀明著/社会評論社)

マルクスエンゲルスの思想の違いから宮沢賢治の目指した共同社会の姿を見る

『甦るマルクス 「晩期マルクス」とコミュニタリアニズム、そして宮澤賢治』(大内秀明著/社会評論社

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 「資本論」はマルクスの最晩年の著作。拡大する資本主義の問題と矛盾を記した本書は、マルクスの死後、共に研究を行ってきたエンゲルスによって完成します。『甦るマルクス 「晩期マルクス」とコミュニタリアニズム、そして宮澤賢治』は経済学博士であり東北大学名誉教授、仙台・羅須他人教会代表の大内秀明氏による晩期マルクス主義を検証し、宮沢賢治の地域共同体思想への影響へと迫る1冊です。
■「マルクス・エンゲルス思想」という呼び名の危うさ
 本書では、同一視されがちなマルクスエンゲルスの思想の相違点、マルクスの前期から晩期に渡る思想の変遷を解説しています。端的にマルクスエンゲルスでは階級闘争への考え方の違いが大きく、それ故にエンゲルス思想の影響の元行われたロシア革命について宮沢賢治は酷評します。その一方でコミュニタリアニズムという観点から、賢治にはマルクスの影響を見ることが出来ます。マルクスエンゲルス主義という言葉はよく聞きますが、2人の姿勢の違いに照らせば、非常に危うい呼び方だと感じます。
 ロシア共産主義の失敗等により、誤った評価を受けがちなマルクスの理論を、エンゲルスから切り離して再評価する試みは、社会主義の可能性を現代において改めて模索する際の出発点にもなり得ます。また、宮沢賢治の思想の再発見という観点でも非常に意義深い1冊です。
 稲葉一良(書記長)

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