プレカリアートユニオンブログ

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【組合員の手記】30年間上がらなかった給料を上げよう。運送・運輸支部で実現したいこと 運送・運輸支部支部長 美澤良之

30年間上がらなかった給料を上げよう
運送・運輸支部で実現したいこと
運送・運輸支部支部長 美澤良之


 組合員の皆様お疲れ様です。私は本年1月末に開催されたプレカリアートユニオン運送・運輸支部大会において新たに支部長に選出されました美澤良之と申します。よろしくお願いいたします。
 現在の運送・運輸業界の現状は本当に酷いものです。パワハラ、賃金未払い、長時間労働、おまけに休憩なし等、どれもこれも通常では考えられないような出来事が日々当たり前のように起きています。
■この30年間、私たちの給料は上がったでしょうか?
 1955年頃から1973年頃の高度成長期においては、頑張れば頑張っただけ収入を得ることができ、また1986年から1991年頃のバブル期においては、株式や不動産を中心にした資産高騰により景気が上向き、運送・運輸業界も高収入が得られる業界の一つでした。よく言われるのが、バブル当時は飲食後に繁華街でタクシーをつかまえるのが非常に困難で、1万円札を振ってタクシーに止まってもらうのが当たり前だったとか(当然その1万円は運転手さんへのチップになります)。後にバブルが弾け景気が回復しないまま30年、私たちの生活は本当に辛いものとなりました。
 この30年間、私たちの給料は上がったでしょうか? 運送・運輸業界においては、ほとんど昇給してはいないのではないでしょうか。
 30年間給料が上がらないのに、物価は上がっていく。最近では、ロシアによるウクライナ侵攻によりエネルギー原料の高騰、小麦等の穀物の高騰などによって値上げラッシュ。もうどうしたらよいのか分からない、という状態ではないでしょうか。
■業界の「当たり前」を変える
 皆さんのお勤めの運送・運輸会社では残業代は1分単位でキチンと支払われていますか? 出勤時にタイムカードを打刻し、退勤時にタイムカードを打刻する。労働から完全に解放された休憩時間を除き、この間の時間全てが労働時間となります。私の勤務先では、以前は30分単位での残業計算で、30分未満は切り捨てをされていました。お恥ずかしい話ですが、私はプレカリアートユニオンに加入するまでこのことが違法であることを知らず、数十万円の未払い賃金が発生していたのです。
 現在の運送・運輸の会社においてはこういった違法な未払いが当然のように行われ、また一部の悪徳士業の入れ知恵により巧妙に支払いを誤魔化し続けています。さらに問題なのは、その悪しき事実を業界全体で黙認し、それが運送・運輸業界の「当たり前」なんだと言わんばかりに知らん顔をするお役人たち。
■死なないように働くだけで精一杯
  また、最近の報道でも話題になっている少子化問題も、長時間過重労働の影響が大いにあると私は思います。
 2021年の合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)は、1.30で、2022年は、1.27と毎年下がってきています。
厚生労働省人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3.pdf
より引用。
 長時間労働による過労や心的ストレス等も原因の1つではないでしょうか。
 私が長時間労働で苦しんでいた時は、パンやおにぎりを食べながら運転をし、現場に着いて積み下ろしの待ち時間を休憩とし(※待機時間ですので本来は休憩時間ではなく、賃金も請求できます)、身も心も休まる時がありませんでした。当然体は痩せ細り疲れ果て、家に帰ればただ眠るだけの生活を繰り返し。こんな状態で円満な家庭を築き、子どもを育てようなんて思えるはずがありません。ただただ死なないようにするのが精一杯でした。
 現在国が掲げている少子化対策は、「異次元の少子化対策」として児童手当など経済的支援の強化、学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充等ですが、給料が上がらないのにまた増税となるのでしょうか。
 こういった問題を業界や国が何とかしてくれるのを待つのではなく、我々プレカリアートユニオンが先頭に立って、少しでも良い方向に進めようと私たち運送・運輸支部は考えています。我々の業界は昔からこうだから、自分一人が声をあげても変わらないではなく、我々一人ひとりが立ち上がり、そして団結することによって大きく流れは変わるものと信じています。
 美澤良之(プレカリアートユニオン運送・運輸支部支部長)

プレカリアートユニオン運送・運輸支部支部長に選出された美澤良之さんの挨拶「PUから運送業界を変える!」

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