プレカリアートユニオンブログ

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世界中から日本にやってきた人たちの物語 。『日本に住んでる世界のひと』(金井真紀著/大和書房)

世界中から日本にやってきた人たちの物語

『日本に住んでる世界のひと』(金井真紀著/大和書房)

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 日本国内には、様々な国の人たちが在住しています。そのこと自体を分かっているつもりでも、実際に本書を読むとあらためて「色んな国の人たちが日本に来て暮らしてるんだなぁ」と思わざるを得ません。『日本に住んでる世界のひと』は、文筆家・イラストレーターの金井真紀氏による1冊です。18組20人の世界中の国から日本にやってきた人たちにインタビューをしそれぞれの物語を紹介します。
■日本に来る理由は様々
 この本で紹介されている限りでも、みんな様々な理由があって日本にやってきていることが分かります。もちろん、憧れや縁、パートナーとの出会い、仕事などの理由もあります。しかし、迫害を受けて、弾圧され、差別され、暴行を受け、家族を殺され、命からがらたどり着いた人たちも相当数いることを本書を通じて知ってもらえたら幸いです。
 筆者の語り口は決して重苦しくなりすぎず、しかしだからこそ切々と実際に起こったことの残酷さ、深刻さを読み手に伝えます。
■知識を持ち差別・偏見をなくしていくために
 今日本では、外国人に対し偏見に基づく差別的感情を抱く人が残念ながら決して少なくありません。今年は統一地方選が行われる年ですが、その候補者や演説の内容にも外国人に対する差別や偏見を持ち有権者にアピールをする候補が一定数いることはとても大きな問題だと思います。そのような差別を許さないために、私たち一人ひとりが正しい知識を持ち、正しく声を上げることが必要です。本書では20人それぞれの日本における暮らし、どんな気持ちで日本にいるのか、など「個」に焦点を当ててエピソードが記されています。それらを読めば自分自身が抱いていたステレオタイプな外国人の暮らしぶりとのあまりの違いにきっと驚き、世界が広がるはずです。
 日本で暮らす外国人と聞いて皆さんは、どんな国から順番に思いをめぐらせるでしょうか。恥ずかしながら私は本書でアルメニアという国について初めて知りました。世界最初のキリスト教国で約100年前に起こったジェノサイドの歴史は壮絶です。様々な物語がそれぞれの口から語られる本書を読むことは世界を知ることに繋がります。知ることから始め、深刻な人権侵害に繋がる難民の問題、入館の問題、技能実習生の諸問題にちゃんと関心を持ちみんなでしっかりと議論し、差別について考えてみませんか。
 稲葉一良(書記長)

 

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