プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

【組合員の手記&解決報告】映像審査会社の2023年春闘。法人が審査分数の引き下げ決めた

映像審査会社の2023年春闘
法人が審査分数の引き下げ決めた


 映像を審査する仕事に就いています、ねこのおまんじゅうです。
 7時間弱で360分(6時間)の映像を審査するという無理な業務を課せられていて、前回の交渉で私個人については、団体交渉を経てノルマ扱いをしないと決まりました。
 しかし、他の従業員については、以前と変わらず実質的にノルマのような運用が続いていました。前回の交渉で改善すると約束したのに、対策は講じられず、交渉以前のまま運用されていました。
■新たに加入した組合員にも解決金
 法人側は私を含む従業員についても、労働時間を適切に管理すると前回約束しました。しかし、新たに組合に加入した従業員についても、私についても、タイムカード通りには払われていませんでした。もう1人の組合員については、始業前に早く来て業務をしたり、昼休憩中や退社時間を過ぎても業務を続けていたのに、その間の賃金は支払われていませんでした。また、時間外に業務をしないように、等の注意もされなかったそうです。
 今年の春闘交渉の結果、私と他の組合員、2人ともに時間外労働分の解決金が支払われました。
■自分以外の労働者の改善がなかった
 今回の団体交渉の場では、360分という数値を設定するのは問題無いかのように言われたところから始まり、前回の交渉から時間が巻き戻ったようだと驚きました。
 私が組合に入ったのは、2021年11月のことだったのですが、そこから今年の交渉が始まる2023年3月まで私以外の従業員の状況が改善しておらず、変えたくない、変わりたくないという強い意志を法人側に感じていました。
 上司たちにとっては、変わるということがとても難しいようです。交渉の場ではふさわしくないと指摘されたことについて、説明を重ねられて上司も既に誤りだと分かっていそうだったのに、なかなかそれを直接的に訂正できないようでした。
 態度によっては交渉にあたって不利になるかもしれない、という理由もあるかもしれませんが、机の向こう側で顔を見合わせている上司の姿を見て、複雑な気持ちになりました。なぜなら、私達労働者は使用者から変化を強いられている、と感じているからです。
■低コストで現場を回そうとする使用者
 組合に入っていない場合、労働者の立場では労働条件等の点で我慢させられることがとても多いと思います。それは、別の視点から見れば、労働者側は負の心の変化を求められている、とは考えられないでしょうか。
 例えば、無理な仕事量をさせられたり、負担が掛かってミスして責められたり、ハラスメントが起きたりするとします。それでも、上司から口頭で労われたり、同僚と話したりして、変わる兆しのない職場環境に対して「まあ仕方ないよね」と諦める方向に気持ちを動かさざるを得ない。使用者側にとっては、放っておけば低コストで現場を回せる便利なやり方で、とても腹立たしく思います。
 この報告を書いている最中、私達が交渉を進める内に、1日7時間弱あたりの審査分数を360分(6時間)から300分(5時間)に引き下げ、社内に周知すると法人側が約束しました。前回から比べると、とても大きな前進だと思います。
 労働者である私たちにとって良い変化がきちんと現場で運用されるよう、また、より良い職場環境に変えていけるように、引き続き活動していきます。
 ねこのおまんじゅう(組合員)

 

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