いなばの生活力向上計画 第35回
『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』
鈴木大介氏の著書から過酷な職場の悪影響を考える
毎回生活力向上に役立つ情報をお伝えするこのコーナー。今回は少し趣向を変えて、1冊の本を紹介したいと思います。『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』は、鈴木大介氏の著書。長年こどもや女性若者の貧困をテーマに取材執筆活動を行ってきた筆者は、病気で「高次脳機能障害」になり、どんなに頑張ってもやるべきことが思うようにできない状況に自身が置かれることとなります。帯には、「その貧困は『働けない脳』のせいなのだ」と衝撃的なフレーズが。
■様々な原因で「高次脳機能障害」に
発達障害をかかえる仲間が、職場で様々なトラブルに巻き込まれ時にはトラブルを引き起こし、就労が不安定になりがちであることについては、ブックレビューコーナーなどで幾度か触れてきました。本書のテーマ「高次脳機能障害」は、発達障害の当事者や、精神疾患に係った末、はたまた、脳血管疾患など様々な理由により引き起こされる脳の機能障害です。本書では、その「脳疲労」の症状について、丁寧に言語化しています。
「ただ、疲れるだけ」、「甘えだ」など、誤解と偏見を生みやすい症状について、当事者となった著者ができるだけイメージしやすいよう言語化に挑む内容となっています。
■「高次脳機能障害」とまでは行かずとも脳の疲れは正常な判断力を奪う
当然、脳の疲れそのものは、高次脳機能障害特有の症状ではありません。人が生きている以上、疲れとは無縁でいられません。長時間労働やそれによる睡眠不足などで脳は疲労します。頑張りすぎて、一時的に頭がほとんど回らなくなったみたいな経験は多くの人がしたことがあるはずです。
本書の内容からは少しだけはみ出してしまいますが、脳が疲労しているときに大きな買い物や契約ごとの判断をしてはいけません。正常な判断が疎外され、家計の損害に繋がりやすいといえます。当たり前に思えるかも知れないのですが、なぜそのようなことがいえるのかという理由についても本書を読めば分かるはずです。
働き過ぎて、また、職場のハラスメントを我慢しすぎて精神疾患に罹患してしまう労働者が増えています。これは繰り返しお伝えしてきたところですが、お金のやりくりのために無理をして長時間働いたり、酷いハラスメントに耐えることは却って生活の不安定に繋がりかねません。およそ100年前に行われた第1回メーデーは1日8時間労働の実現を目標に掲げ行われました。春闘のこの季節に8時間でしっかりと暮らせる賃金の実現のための一歩を踏み出してみませんか。
稲葉一良(書記長)
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