「最近よく聞く『ジェンダー』って、何?」 そんな人にまず読んでもらいたい入門書
『基礎ゼミ ジェンダースタディーズ』(守如子・前川直哉著/世界思想社)
皆さんは、ジェンダーという言葉を見てその言葉の意味を端的に堪えられるだろうか。内閣府のホームページなどを見るとセックスを生物学的性差、ジェンダーを社会的・文化的な性差と説明し解説を加えている。
『基礎ゼミ ジェンダースタディーズ』は、関西大学社会学部教授である守如子氏、福島大学教育推進機構准教授である前川直哉氏が編者を務める。帯を見ると、「女性はメイクをすべき?」、「スポーツは男性向き?」、「災害の被害は平等?」、「LGBTは私のまわりにいない?」、「女性専用車両は『男性差別』?」、「少子化の原因は『女性の社会進出』?」、等の言葉が並ぶ。これらは典型的なジェンダーにまつわるよくある疑問である。
本書はこのようなよくある疑問出発点として根本にある問題を基本からわかりやすく解説している。本書でジェンダーにまつわるよく目にする論点を概ね一通り把握することができるだろう。著者は全15章ごとに違い、計13名の識者が初めて問題に触れる読者にも分かりやすく丁寧に問題の所在を解説している。
■ジェンダーに関するよくある思い込みを解説
本書は第Ⅰ部からⅣ部までの4部構造となっている。「第Ⅰ部 ジェンダーの視点を身につける」ではジェンダー論の基礎的論点について、「第1章 『男らしさ・女らしさ』を決めるのは誰?(前川直哉著)」、「第2章 フェミニストは『萌え絵』が嫌い?(森妙子著)」、「第3章 LGBTは私のまわりにいないのか?(堀川修平著)」というテーマで解説する。
この3つの論点はおそらくもっとも巷で議論されているものだろう。これを読むことでジェンダー論の輪郭とよくある思い込みなどが浮かび上がってくると思う。以下、第Ⅱ部「『わたし』のまわりのジェンダー」では日常生活におけるジェンダーに関する疑問や論点を紹介し、「第Ⅲ部 社会の課題とジェンダー」では、社会問題の中にあるジェンダーの視点、「第Ⅳ部 インターセクショナリティの視点で考える」では、総括的に女性の人権や「トランスジェンダー問題」について解説する。
どの章もその最後にキーワードとブックガイドを載せ、基本を確認し更に知識を深めたい人へのナビゲートも万全だ。また、巻末にはワークシートが付属しており、本書が議論の土台として作られていることがあらためてよく分かる。まず、この本を読んで網羅的に論点補把握したら、次に気になった箇所の知識を専門的な書籍で学び議論を深めていく、本書をはじめとする「基礎ゼミシリーズ」共通の特徴にあらためて脱帽する。
インターネット上では、ジェンダーとフェミニズム、セクシャルマイノリティの問題について様々な偏見や誤った知識に基づく発言が行われている。特に、所謂「ネトウヨ」と呼ばれる連中の発信は盛んだ。本書を頼りに学ぶことで、そんなネトウヨにさらに的確に反論することができるようになりそうだ。また、ネトウヨ自身にもぜひ読んでほしい。社会全体の課題や問題の解決には正しい知識に基づく議論が不可欠だ。
稲葉一良(書記長)
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