差別と排除について知り、差別者たちと対峙するためにまず読んでほしい1冊
『新版 学校では教えてくれない差別と排除の話』(安田浩一著/皓星社)
埼玉県川口市を中心に起こっている排外主義政党・政治家の扇動によるクルド人排斥運動に強い危機感を感じている。
憎悪の矛先は子どもたちにも向き、SNSでは連日夥しい数のヘイト投稿が垂れ流されている。『学校では教えてくれない差別と排除の話』は、ノンフィクションライターの安田浩一氏による1冊。本書は差別問題を考える入門書にふさわしい1冊である。
まず筆者自身が差別に関心を持ったきっかけから始まり、技能実習生問題、ヘイトスピーチ問題、沖縄の問題を紹介し、最後にこのような差別と私たちはどのように向き合うべきかを伝える。
■「日本人差別」は10年前に盛んに用いられた典型的なデマ。
冒頭に述べたクルド人に対するヘイトの問題は本書の第6章でも触れられている。犯罪が増加している等という明らかなデマに基づき、人々に不安を煽りそれに乗じて差別扇動が行われる構図は今も昔も変わらない。
本書のプロローグでは在日朝鮮人に対する「在日特権」というデマを取り上げ差別扇動を行う際に使われたヘイトビラが紹介されている。ヘイトデモの首謀者らは時に逮捕され、多額の損害賠償を命じられるなどし、このような行為や主張の流布は社会的にも容認されない行為であるということに議論の余地はないだろう。
にも関わらず、クルド人ヘイトの際にもはこのビラにも書いてある「日本人差別」という言葉が使われ、その他はほとんど在日朝鮮人の差別の文脈と同じようなことが同じように、時には先鋭化して顕れているなどむしろ過激化している向きも見られる。
歴史は繰り返すというが、あまりにも早い。本書を読んでまずは、この「日本人差別」という言葉のおかしさとその理由を知ってほしい。
■差別者と路上で、言論で対峙しよう
差別を扇動するのは排外主義者や極右政治家、資本家が中心を担うのかも知れないが、その実行者の大多数は一般市民である。この構造は戦争と何ら変わりない。最近では時に自警団よろしく、草の根から市民達が排外主義運動を作り上げる動きまで出てきている。
差別への対抗は悪意ある少数者の扇動を正しい知識を持つことで跳ね返すことにある。これは戦争を止めることにも繋がる。本書を読んであらためて差別と自分自身の認識について点検してみてほしい。
また、本書のタイトルに「学校では教えてくれない」とあるように反差別に教育の果たす役割も重要である。今回の川口騒動のなかから希望の光を見いだすならば、学生たち、子どもたちのなかに差別をしている大人はおかしいという感覚を持つ者が少なからずいることである。
本書の最後には、差別と排除を知るための本が紹介されている。自分自身が差別の心を持たぬよう正しい知識を身につけ、そして、みんなでヘイターと路上で言論で対峙していこう。排外主義へのプロテストをごく一部の市民だけに押しつけ任せきりにしてしまった社会は、等しく戦争への道へと突き進むことになる。
稲葉一良(書記長)
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