警備会社のテイケイが敗訴した、東京都労働委員会命令取り消し訴訟の高裁判決で、東京高裁は、プレカリアートユニオンについて「労組法に定める労働組合に該当するものと認められる。」と明確に判断しています。
【組合は、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」(労組法2条柱書本文)であると認められ、また、規約には、組合の役員が組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙される旨の規定(労組法5条2項5号)が含まれることからすれば、組合の規約は、労組法5条2項5号の要件を満たしているといえ、組合は、労組法に定める労働組合に該当するものと認められる。会社は、組合が会社の取引先に対して会社との取引をやめるよう呼び掛けていることから、組合は、「主として政治運動又は社会運動を目的とするもの」(労組法2条ただし書4号)であって労組法上の労働組合ではないとも主張するが、組合が、その組合員である、会社が雇用する労働者の労働条件の維持改善等のために会社と団体交渉をしていた等の活動実態に照らし、会社の同主張を採用することはできない。仮に、A1執行委員長を初めとする組合の組合役員が、組合員の直接無記名投票により選出された代議員の直接無記名投票により選出されていなかったとしても、以上の認定判断が左右されるものではない。
よって、会社の上記主張は、採用することができない。】
【労働組合において労組法5条2項5号所定の直接無記名投票制度により有効に選出された代表権を有する者の申立てに基づき救済命令等の発令を受けるという法律上の利益は、申立人である労働組合のみが有するものであって、相手方である使用者が有するものではないと解するべきである。
仮に、労働組合の代表権を有しない者の申立てに基づき救済命令が発せられた場合に、申立人である当該労働組合がその違法を主張しないにもかかわらず、相手方である使用者がその違法を主張して当該救済命令の取消しを求めることができるとすれば、労働者の団結権及び団体行動権の保護を目的とする救済命令制度の趣旨が損なわれるのみならず、正常な集団的労使関係秩序の迅速な回復、確保を図ることも困難になるのであって、このような解釈を採用することはできない。】
警備会社のテイケイ株式会社による不当労働行為について、プレカリアートユニオンが東京都労働委員会に2020年に不当労働行為救済申立をしたところ、団体交渉に応じなかったこと、組合事務所、組合員の自宅、組合員の就業先等に文書を送付し、また、会社本社入口に掲示するなどしたことが不当労働行為に当たる、として2022年に、救済命令が発せられました。
プレカリアートユニオンが申し入れた団体交渉に応じなかったこと、組合事務所、組合員の自宅、組合員の就業先等に、「ゆすり、たかりの集団!」、「恐カツの“プロ集団”」、「社会の敵だ!」、「ゴミは消えろ!!」等誹謗中傷する記載や反社会的勢力に資金を提供している、組合員から拠出金を搾取している旨の記載、個々の組合員に関し、「お前のやっていることは企業の脅し上げ“恐喝”と組合員からの搾取」等誹謗中傷する記載文書を送付し、また、会社本社入口に「反社にカンパブラックユニオン」、「半グレ→反社」といった記載を掲示するなどしたことが不当労働行為に当たるなどと、判断されたものです。
これに対しテイケイは、東京都を相手取って、東京都労働委員会の不当労働行為救済命令の取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に提起し、都労委の申立人であるプレカリアートユニオンも補助参加していました。テイケイによる取消訴訟は、東京地裁で2024年2月に棄却されました。テイケイは東京高裁に控訴していましたが、このほど、2025年9月24日にテイケイの控訴を棄却する、テイケイ敗訴の判決が東京高裁で出されました。
テイケイ側は、プレカリアートユニオンに対する決議不存在確認訴訟の東京地裁、東京高裁判決、最高裁決定を理由に「代表者が存在せず」「労働組合には当たらない」「本件救済命令は違法」などと主張して、都労委命令の取り消しを求めていました。
東京高裁は、(テイケイによる)団体交渉拒否に正当な理由があったと認めることはできないとして、「使用者は、不当労働行為の救済命令が労組法2条及び5条2項の要件を欠く組合の申立に基づき発せられたことのみを理由として、同命令の取り消しを求めることはできない」とし、補助参加人(プレカリアートユニオン)は、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」であると認められる、「労組法に定める労働組合に該当するものと認められる」と判断。仮に、「清水執行委員長を初めとする補助参加人の組合役員が」「組合員の直接無記名投票により選出された代議員の直接無記名投票により選出されていなかったとしても、以上の認定判断が左右されるものではない。」と判断しました。
さらに、補助参加人(プレカリアートユニオン)が原告(テイケイ)に対して団体交渉の開催を求めた時点で「清水執行委員長が、少なくとも外形的には、補助参加人の代表者として行動していたのであり、一件記録を精査しても、清水執行委員長を代表者とする補助参加人(プレカリアートユニオン)と団体交渉をすることが不可能であったとと解される事情は見当たらない。」とし、決議不存在確認訴訟の判決内容があったとしても「原告(テイケイ)が労組法に定める労働組合である補助参加人(プレカリアートユニオン)との団体交渉を拒むことは許されないといわざるを得ず、補助参加人との団体交渉に応じることを命じた本件救済命令が違法であるということもできない。」と判断しました。
東京高裁はまた、「労働組合において労組法5条2項5号所定の直接無記名投票制度により有効に選出された代表権を有する者の申立てに基づき救済命令等の発令を受けるという法律上の利益は、申立人である労働組合のみが有するものであって、相手方である使用者が有するものではないと解するべきである。仮に、労働組合の代表権を有しない者の申立てに基づき救済命令が発せられた場合に、申立人である当該労働組合がその違法を主張しないにもかかわらず、相手方である使用者がその違法を主張して当該救済命令の取消しを求めることができるとすれば、労働者の団結権及び団体行動権の保護を目的とする救済命令制度の趣旨が損なわれるのみならず、正常な労使関係秩序の迅速な回復、確保を図ることも困難になるのであって、このような解釈を採用することはできない。」と判断するなどして、テイケイによる「本件救済命令の取消しを求めることができない。」とし、控訴を棄却しました。
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