プレカリアートユニオンブログ

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退職代行社長の逮捕を受けて「退職届は出せばよいだけ」。一方で「解雇なのに退職届は書いちゃダメ」

退職代行社長の逮捕を受けて「退職届は出せばよいだけ」
一方で「解雇なのに退職届は書いちゃダメ」

 2月に入り、退職代行サービスを運営する会社の社長と従業員が、報酬を得る目的で退職交渉に関わる法律事務を弁護士らに違法に紹介した疑いで逮捕された、という報道がありました。
 退職代行サービスは、「自分で辞めると言えない」「これ以上会社と関わりたくない」という切実な思いから利用されることが多く、近年、急速に広がってきました。しかし本来、退職は、退職日を明確にした書面を提出すれば足りるものであり、会社が「退職を認めない」ということはできません。
 プレカリアートユニオンのブログでは、コピー&ペーストして使うことができる退職届のひな形も公開しています。

コピペして使える「退職届」のひな形を公開 - プレカリアートユニオンブログ

■退職代行業者を頼ることで権利を失うことも
 退職代行業者は会社と交渉を行うことはできません。そのため、置かれている状況によっては、労働者が本来持っていたはずの権利を、自分でも気づかないまま失ってしまう可能性があります。
 労働組合、特に個人加盟の労働組合であれば、退職を妨害しないこと、年次有給休暇の完全消化、未払賃金の支払い、ハラスメントに対する補償などを議題として、団体交渉を行うことができます。
 一方で、退職について争う必要があるのに、退職届を書いてしまったという相談も後を絶ちません。
 こうした状況を踏まえ、プレカリアートユニオンは2月4日、YouTubeライブ番組「プレカリアートユニオンの社内通報窓口」にて、「解雇なのに退職届は書いちゃダメ!――解雇をめぐる大誤解」というテーマで配信を行いました。
 出演は、執行委員長の清水直子と、書記長の稲葉一良です。

■「退職」と「解雇」の違いが選択肢を左右する
 配信の冒頭で清水委員長は、退職は労働者自身の意思による労働契約の終了であり、解雇は使用者が一方的に行う契約終了であるという基本を確認しました。
 解雇であれば、不当解雇として争い、職場復帰や解雇期間中の賃金支払いを求められる可能性があります。一方、退職として扱われた場合には、「自分の意思で辞めた」という前提が置かれ、解雇の有効性を争うことは難しくなります。

■「退職勧奨」という、見えにくいグレーゾーン
 ここで重要なのが、退職勧奨です。
 退職勧奨とは、会社が労働者に対して「辞めたほうがいい」「退職を考えてほしい」と働きかける行為を指します。形式上は「お願い」であっても、実際には強い心理的圧力がかかることも少なくありません。
 退職勧奨自体は直ちに違法とはなりませんが、退職を強いたり、拒否したことを理由に不利益な扱いを受けたりした場合には、違法と評価される可能性があります。

■「退職届を出せば2週間で辞められる」という基本
 清水委員長は、混乱しやすいポイントとして、民法上の原則にも触れました。
 退職届を出せば、原則として労働者は2週間で退職できるというルールです。会社が「辞めさせない」と言っても、法的にそれを強制することはできません。
 ただし重要なのは、
・「退職願」ではなく「退職届」であること
・退職日を明確に記載すること
 です。形式を誤ると、「会社の承認待ち」という扱いになり、トラブルの原因になることがあります。

■なぜ「解雇なのに退職届」を書いてしまうのか
 問題となるのは、本人が辞めるつもりはなかったにもかかわらず、退職届を書いてしまうケースです。
「解雇をする。だから退職届を書け」
「このままでは解雇になる」
「退職にしておいた方があなたのためだ」
 こうした言葉に追い込まれ、冷静な判断ができないまま書類にサインしてしまう人は少なくありません。
 この点について稲葉書記長は、「解雇なのに退職届を書いてしまうと、不当解雇として争う道がほぼ閉ざされてしまいます」と指摘しました。退職届は、労働者自身が契約終了を選択したことを示す、非常に強い証拠として扱われるためです。
 また、雇用保険についても、自己都合退職より会社都合退職の方が、給付開始までの期間や給付日数の点で有利になる場合が多いことが説明されました。

■休む、という選択肢もあります
 強度のパワーハラスメントセクシュアルハラスメントなどにより、深刻な健康被害があり、就労が困難な場合もあります。そのような場合には、退職するという選択肢だけでなく、退職せずに休むという選択肢もあります。
 休む意思を文書で伝え、無理に出社せず、会社とのやり取りを文書に限定し、電話には出ないなど、自分を守る対応を取ることも重要です。

■書く前に、必ず相談してほしい
 今回の配信を通じて一貫して伝えられたメッセージは、「本当に退職したいなら退職届を出せばよいだけ」、ただし「退職届を書く前に、必ず相談してほしい」ということでした。
 それは本当に解雇なのか。退職勧奨なのか。本当に退職したいのか。退職だけできればよいのか、それとも職場の問題について争う余地があるのか。
 それを一人で判断するのは、非常に困難です。
 プレカリアートユニオンでは、状況を整理し、どんな選択肢があり、それぞれにどんなリスクがあるのかを、相談者と一緒に確認しています。
 次回の配信は、2月10日(火)14時から16時を予定しています。

 

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プレ配信(アーカイブ公開中)
2026年1月21日(水)16:00
https://www.youtube.com/live/PntU0_rM7jw?si=Sl5K-h6oDV4DDq01


今後の配信予定
2月10日(火)14:00~16:00
2月18日(水)14:00~16:00
2月25日(水)16:00~18:00

 

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