プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

大西学園争議支援カンパのお願い 解雇された用務員2人の闘いを支えてください

 プレカリアートユニオン組合員・賛助会員の皆さま、友誼組合の皆さま、大西学園争議をご支援くださっている皆さま


 大西学園争議は重大な局面を迎えています。
 大西学園で10年間住み込みで働いてきた用務員2人 が、2025年9月9日、正当な理由も示されないまま即日解雇されました。
 しかし、学園側の攻撃はそれだけではありません。
 現在、大西学園は、2人の住まいである用務員室の明け渡しを求める仮処分を申し立て、仕事だけでなく住まいまで奪おうとしています。
 これは、解雇だけではなく生活そのものを破壊する攻撃です。
 2人の組合員は、この不当な扱いを受け入れることなく、解雇無効確認の裁判、用務員室に住み続ける権利を守る仮処分などに取り組み、プレカリアートユニオンも東京都労働委員会での不当労働行為救済申立を通じて闘いを続けています。
 この闘いを続けるには、皆さまの支援が不可欠です。
 裁判費用、争議活動費など、争議は大きな負担を伴います。
 この争議を孤立させないために、どうか大西学園争議カンパへのご協力をお願いいたします。
 金額の大小は問いません。
 一人ひとりのご支援が、闘いを続ける力になります。
 どうか、連帯のカンパをお寄せください。

【大西学園争議カンパ振込先】
 口座記号番号 00150-8-608357 口座名称 プレカリアートユニオン
【他行からの振込】ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店 預金種目:当座 口座番号:0608357
※通信欄に「大西学園争議カンパ」とお書きください。

 

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雇止め問題、未払い賃金問題について交渉していた東京都内のスーパーマーケット運営会社と和解し、復職と無期転換を実現!

雇止め問題、未払い賃金問題について交渉していた東京都内のスーパーマーケット運営会社と和解しました。会社は雇止めを撤回、雇止めから復職までの賃金を全額補償し、復職時に無期転換を実現して、未払い賃金などを支払うことなどを合意しました。

 

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よかれと思ったサービス残業が、あなたと職場を追い詰める。自己犠牲ではなく、権利を使うことが職場を守る

よかれと思ったサービス残業が、あなたと職場を追い詰める
自己犠牲ではなく、権利を使うことが職場を守る

 

 プレカリアートユニオンは2026年7月9日、YouTubeライブ「プレカリアートユニオンの社内通報窓口」を配信しました。出演は執行委員長の清水直子と書記長の稲葉一良です。今回のテーマは「よかれと思ったサービス残業があなたを追い詰める!」でした。

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年7月9日16時】よかれと思ったサービス残業があなたを追い詰める!

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 職場を回すため、利用者や取引先に迷惑をかけないため、自分の能力が低いと思われないため――。労働者がよかれと思って取る行動が、結果として人手不足や未払い賃金を見えなくし、自分や周囲の労働者を苦しめることがあります。配信では、最近の団体交渉や労働相談で実際に見えてきた例をもとに、その問題が語られました。

■有休を取らないことが人手不足を支えてしまう
 最初に取り上げたのは、介護事業所など、人手不足が深刻な職場です。
 介護職場では、「私が休んだら他の人が大変になる」「利用者に迷惑をかけられない」と考え、有給休暇を申請しない人が少なくありません。「希望休は月に何日まで」と職場で言われ、その範囲を超えて休みを申し出ること自体に罪悪感を持ってしまうこともあります。
 稲葉書記長は、有給休暇は労働者の権利であり、使用者が自由に拒否できるものではないと説明しました。事業の正常な運営を妨げる場合に、別の日へ変更を求める時季変更権はありますが、極めて限定的なものです。あらかじめ有休を申請したにもかかわらず、「人がいないから」という理由だけで認めない運用は、本来許されません。
 それにもかかわらず、労働者が遠慮して休まなければ、会社は現在の人員で職場が回っていると判断します。賃金を上げる必要も、新しい人を採用する必要もないと考えてしまいます。
 利用者のために現場を支えているつもりでも、結果として人手不足を見えなくし、少ない人員による質の低いケアを続けさせることになります。過酷な労働環境が続けば、ハラスメントや離職だけでなく、利用者への虐待や事故につながる危険もあります。
 配信では、職場を本当に改善したいのであれば、有休をきちんと使い、人員が不足している現実を会社に認識させる必要があると語られました。「有休を取るのは権利」というだけでなく、人手不足の職場では、有休を使うことが改善のために必要な行動だという指摘です。

■休憩を削り、ただで働くことは美徳ではない
 休憩や残業代についても同じです。
 忙しい職場では、休憩を短く切り上げたり、始業前に早く来て働いたり、タイムカードを打たずに仕事をしたりする人がいます。「みんなが頑張っているから」「自分だけ残業代を付けるのは悪い」と考えてしまうためです。
 しかし、その働き方で得をするのは、利用者や同僚ではなく、人件費を払わずに事業を運営できる経営者です。
 サービス残業で不足を埋めれば、本来必要な人員や業務時間が記録に表れません。会社は「今の人数と勤務時間で仕事ができている」と考え、改善しないままになります。
 さらに、自分が無償で働いていると、正当に残業代を申告する人や有休を取る人に対して、「自分は我慢しているのに、なぜあの人だけ」と不満を向けるようになる場合があります。労働者同士が監視し、権利を使う人の足を引っ張る構造が生まれます。
 清水委員長と稲葉書記長は、ケア労働に誇りを持つのであれば、自己犠牲を続けるのではなく、働いた時間を記録し、休憩を取り、残業代を請求することが必要だと強調しました。権利を主張することは仕事への責任を放棄することではなく、安全で持続可能な職場をつくるための行動です。

■「遅れてはいけない」が運送の安全を壊す
 運送業界でも、「荷主に迷惑をかけてはいけない」という責任感がサービス残業につながっています。
 会社が決めた配車では定時に出社しても指定時刻に間に合わないため、労働者が自主的に早く出勤する。しかし会社は、遅れれば責任を追及する一方で、早く来た時間については「勝手に来ただけ」として残業代を支払わない。このような二重基準があると語られました。
 本来、定時に出勤して間に合わない運行計画であれば、責任を負うべきなのは、その計画を組んだ会社です。労働者が無償で早出することで間に合わせれば、会社は無理な配車でも運行できると判断し、改善しません。
 無理な時間設定に合わせようとすれば、速度超過や焦り、注意力の低下につながります。事故が起これば、ドライバー本人だけでなく、歩行者や自転車利用者など、道路を使う多くの人の生命が危険にさらされます。
 高速道路を使わなければ間に合わないのに、労働者が自費で高速料金を負担するような例についても触れられました。会社の都合で必要な費用を、労働者が負担するのはおかしいという指摘です。
 荷物を安全に届けるために必要なのは、無償の早出や無理な運転ではありません。現実的な配車を組み、必要な労働時間と経費を会社に負担させることです。

■残業を隠した結果、仕事自体が不要だと判断された例
 配信では、外資系企業で退職勧奨を受けた労働者の例も紹介されました。
 その労働者は、仕事への責任感から長時間働いていましたが、「残業を申告すると能力がないと思われるのではないか」「時間内に終わらせるべき仕事なのだから、残業代を申請してはいけない」と考え、時間外労働を全く申告していませんでした。
 会社も労働時間を適切に把握せず、本人の自己申告に任せていました。その結果、記録上は残業を全くせずに仕事をしているように見えていました。
 その後、会社が世界的な人員削減を進めた際、「この人は残業をせずに働いている。仕事に余裕があるのではないか」「このポジションはなくてもよいのではないか」と判断され、リストラの対象にされました。
 実際には長時間働いていたにもかかわらず、自分を守るつもりで残業を隠したことが、仕事量を少なく見せ、自分の雇用を危うくする材料になってしまったのです。
 労働時間は、残業代を請求するためだけの記録ではありません。どれだけの業務を、どれだけの時間をかけて行っているかを会社に示す資料でもあります。働いた時間を正確に記録しなければ、必要な人員や業務量も正しく判断できません。

■AIの回答をそのまま労働相談に持ち込まない
 後半では、「よかれと思って」の別の例として、生成AIの利用についても語られました。
 最近は、労働問題についてAIに相談し、その回答をもとにプレカリアートユニオンへ相談する人も増えています。AIが組合を探し、プレカリアートユニオンを紹介する使い方は有益な面があります。
 一方で、自分の主観だけを前提にAIへ質問すると、AIが相談者の期待に沿うような回答を作り、法的には難しい主張を「できる」と説明する場合があります。相談者がその回答を正しいと信じ込み、実際の相談で修正することが難しくなる例があると語られました。
 また、AIに作らせた長文を、自分でも十分に読まず、組合の担当者へ大量に送るケースもあります。重要な事実が大量の文章に埋もれ、交渉に必要な情報交換ができなくなります。
 清水委員長は、AIを使うこと自体を否定するものではないとした上で、労働相談では、文章が上手でなくても、自分が経験した事実や感じたことを自分の言葉で伝えてほしいと呼びかけました。AIが作った文章の意味を正確に理解しないまま自分で会社に送れば、その文章の内容について責任を負うのは、AIではなく送った本人です。

■我慢することではなく、声を上げることが職場を守る
 今回の配信で共通していたのは、善意や責任感そのものを否定することではありません。
 同僚を助けたい。利用者や取引先に迷惑をかけたくない。仕事をきちんと終わらせたい。その気持ちは大切です。
 しかし、その善意が無償労働や権利の放棄に向かえば、会社が負担すべき人件費や責任を、労働者が肩代わりすることになります。問題を見えなくし、自分を疲弊させ、同僚にも同じ我慢を強いることになります。
 サービス残業をしないこと。有休を使うこと。休憩を取ること。働いた時間を正確に記録し、賃金を請求すること。無理な業務命令や配車について声を上げること。これらはわがままではありません。
 むしろ、職場の問題を可視化し、安全で持続可能な仕事に変えていくために必要な行動です。
 「よかれと思って」続けていることが、自分や周囲を苦しめていないか。少しでも疑問を感じたら、問題が深刻になる前にプレカリアートユニオンへ相談してください。一人で我慢するのではなく、労働組合を通じて、会社が負うべき責任を会社に負担させることが、職場を本当に守ることにつながります。

 

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7月14日(火)17時から、プレカリアートユニオンのYouTubeライブの配信を行います。
#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年7月14日17時】警備会社テイケイとの闘いを振り返る

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東京東部労組・大久保製壜支部「重大労災7か年社前集会」に参加 ナショナルセンターの枠を超え、労災根絶へ連帯を広げる

 7月7日、東京東部労組と大久保製壜支部が呼びかけた「重大労災7か年社前集会」に、プレカリアートユニオンからも5人が参加しました。2019年7月7日に発生した積荷崩落という重大労災と背景の「金儲け第一」に抗議し、労働者の命と健闘を守る職場づくりを求めて毎年開催されているものです。集会では、夜勤・交替勤務や安全管理のあり方など、重大労災の再発防止に向けた訴えが行われました。

 プレカリアートユニオンからも参加者が連帯のスピーチを行いました。労災や長時間労働、安全配慮義務違反は一つの職場だけの問題ではなく、社会全体で解決すべき課題です。私たちもこれまで取り組んできた運送業、製造業など様々な業種での労災、安全配慮義務違反、労災申請妨害など、労働者が一人で声を上げることが難しいときこそ、労働組合が力を発揮することを実感しています。

 労働災害は、業種や組織の違いを超えて、働くすべての人に関わる問題です。そのため、労働者の命と健康を守る運動は、ナショナルセンターや組織の違いを超えて協力し合うことが重要です。プレカリアートユニオンは、これまでも様々な労働組合や市民団体、弁護士、研究者らと連携しながら活動してきました。今後も、労災をなくし、誰もが安全・安心に働ける職場を実現するため、ナショナルセンターの枠を超えた連帯をさらに広げ、現場から声を上げる仲間とともに取り組みを進めていきます。

 

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元組合員T氏による損害賠償請求訴訟 最高裁が上告・上告受理申立てを棄却し東京地裁判決が確定 プレカリアートユニオン側が全面勝訴

元組合員T氏による損害賠償請求訴訟 最高裁が上告・上告受理申立てを棄却し東京地裁判決が確定 プレカリアートユニオン側が全面勝訴

 

 プレカリアートユニオンの元組合員T氏が、プレカリアートユニオン執行委員長・清水直子及び、T氏が使用者に対して提起した未払賃金等請求訴訟の代理人を務めた弁護士2名を相手取り、「自身の意思に反して訴訟上の和解を成立させた」などと主張して高額の損害賠償を求めた訴訟について、最高裁判所は、2026(令和8)年7月3日、T氏の上告を棄却するとともに、上告受理申立ても受理しない決定をしました。これにより、プレカリアートユニオン側全面勝訴とした東京地方裁判所判決が確定しました。

■裁判所はT氏の請求を認めず
 本件では、T氏は、未払賃金等請求訴訟において判決を望んでいたにもかかわらず代理人弁護士が意に反して和解を成立させたこと、プレカリアートユニオンが使用者との不当労働行為救済申立事件で和解協定を締結したこと、記者会見や組合活動などが違法であることなどを主張し、清水委員長と代理人弁護士2名に対して多額の損害賠償を請求していました。
 これに対しT氏の主張を退けた東京地方裁判所に続いて、東京高等裁判所も、T氏の主張を全面的に退けました。判決は、未払賃金等請求訴訟の和解について、和解成立直前のやり取りや和解成立後のT氏の対応などの証拠関係を踏まえ、代理人弁護士らによる和解が違法であるとは認められないと判断しました。また、和解金の一部がプレカリアートユニオンに支払われた点についても、T氏の了承があったことをうかがわせる証拠が存在し、無断で支払われたとは認められないとしました。さらに、不当労働行為救済申立事件における組合と会社との和解協定は、組合と会社との権利義務関係に関するものであり、T氏個人の権利利益を侵害するものではないとして違法性を否定しました。記者会見や組合活動、労働組合への紹介などについても、不法行為の成立を認めるに足りる証拠はないと判断し、T氏の請求をいずれも退けました。
 最高裁判所は、T氏の上告理由について、民事訴訟法が定める上告理由に該当しないと判断し、また、上告受理申立てについても受理すべき事件には当たらないとして退けました。これにより、東京高等裁判所の判断が確定しました。

■事実と法に基づき活動を続ける
 本件は、代理人弁護士による訴訟活動や、労働組合が使用者との間で締結する和解協定について、その違法性が具体的な証拠に基づき否定され、T氏の請求が最終的に退けられた事案です。プレカリアートユニオンは、今後も組合員の権利擁護のため、適正な団体交渉、訴訟活動及び労働委員会手続に取り組んでいきます。

 

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物価高を生き抜くために本当に必要な「生活力」とは【いなばの生活力向上計画 第50回】

 食料品や光熱費などの値上がりが続き、「毎月の生活が苦しくなった」と感じる人が増えています。賃上げはもちろん重要ですが、それだけで生活の不安が解消されるわけではありません。
 6月17日に配信したプレカリアートユニオンのYouTubeライブ「物価高を生き抜く生活力向上」では、物価高の時代を生き抜くために必要な「生活力」について、清水直子委員長とともにお話ししました。今回は、その内容をもとに、「生活力」とは何かを改めて考えてみたいと思います。
■「収入」だけでは生活は決まらない
 労働相談を受けていると、高収入にもかかわらず生活に困っている人がいる一方で、それほど高い収入ではなくても、安定した暮らしを続けている人にも出会います。
 その違いは、収入の多い少ないだけでは説明できません。
 大切なのは、自分がどのような暮らしをしたいのか、そのためには毎月どれくらいのお金が必要なのかを理解し、計画的に生活を組み立てることです。
 「生活力」とは、お金をたくさん稼ぐ力ではなく、自分の生活を主体的に設計する力でもあります。
■「欲しいもの」は本当に自分が選んだものですか
 世の中には、「もっと良い家に住むべきだ」「もっと高級な物を持つべきだ」という価値観があふれています。
 もちろん、高価な趣味や買い物をすること自体が悪いわけではありません。本当に欲しいものであれば、それを目標に計画的にお金を貯めることにも意味があります。
 しかし、周囲と比べて焦ったり、「こうあるべきだ」という空気に流されたりして支出を増やしてしまうことはないでしょうか。
 生活力とは、節約の技術ではありません。本当に自分が大切にしたいものを見極め、優先順位をつける力でもあります。
■消費社会に振り回されない
 企業は商品を売るために、次々と新しい欲望を生み出します。
 新しいスマートフォン、新しいサービス、新しい流行。「持っていなければ遅れている」と感じさせる情報が、毎日のように目に入ってきます。
 しかし、それらが本当に必要かどうかは、一人ひとり違います。
 消費そのものを否定する必要はありませんが、「何となく買う」のではなく、「自分で選ぶ」ことが大切です。
 労働組合は、企業の論理に流されずに働く人の立場から物事を考える運動です。消費についても同じように、「本当に必要なのか」と立ち止まって考える視点を持ちたいものです。
■社会保障を知ることも生活防衛
 生活力には、お金の知識だけでなく、社会保障制度を知ることも含まれます。
 傷病手当金、高額療養費制度、雇用保険など、日本には働く人の生活を支える制度があります。しかし、制度を知らないために利用できず、不安だけを抱えている人も少なくありません。
 不安だからといって、必要以上に民間保険へ加入する前に、まず公的制度でどこまで保障されるのかを知ることが大切です。
 労働相談でも、「制度を知っていれば、こんなに悩まなくて済んだのに」と感じるケースによく出会います。
 生活力とは、お金を稼ぐ力だけでなく、制度を正しく活用する知識でもあるのです。
■投資も「生活」があってこそ
 新NISAなどの影響で、投資への関心も高まっています。
 しかし、「投資で一発逆転」を期待するような考え方は危険です。
 まず必要なのは、毎日の生活基盤を整えることです。生活費が足りない状態で無理に投資を始めても、長続きはしません。
 余裕資金の範囲で、長期的な視点を持って取り組むことが大切です。
 また、投資とは金融商品だけではありません。知識を身につけること、健康を維持すること、社会保障制度を学ぶことも、自分への投資と言えるでしょう。
■生活力は、働く人の「交渉力」にもなる
 労働相談では、「生活が苦しいから会社を辞められない」「理不尽なことを言われても我慢するしかない」という声を数多く聞きます。
 生活基盤が弱いほど、不当な扱いに対して声を上げにくくなるのです。
 だからこそ、生活力を高めることは、自分の権利を守る力にもつながります。
 賃上げや労働条件の改善を求めることはもちろん大切です。しかし、それと同時に、自分の生活を主体的に組み立てる力を身につけることも、物価高の時代を生き抜くためには欠かせません。
 「いなばの生活力向上計画」でお伝えしたいのは、単なる節約術ではありません。働く人が、自分らしい暮らしを守りながら、将来への不安に振り回されずに生きていくための知恵です。
 物価高が続く今だからこそ、「本当に自分に必要な暮らしとは何か」を改めて考えてみませんか。そこから、自分らしい生活力づくりが始まります。
 稲葉一良(書記長)

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 生命保険をかける前に、社会保険でできることを知ろう 「何となく不安だから保険に入る」を見直す 社内通報窓口(2026年7月2日)より

 プレカリアートユニオンは2026年7月2日、YouTubeライブ「社内通報窓口」を配信しました。出演は執行委員長の清水直子と書記長の稲葉一良です。

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年7月2日17時】生命保険をかける前に社会保険でできることを知ろう 

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 今回のテーマは、「生命保険をかける前に社会保険でできることを知ろう」。
 前回の配信では、物価高が続くなかで家計を見える化し、自分にとって本当に必要な支出を考えることの大切さを取り上げました。今回は、その続編として、「生命保険は本当に必要なのか」「まず知っておくべき公的な保障とは何か」というテーマについて、社会保険労務士の資格を持つ稲葉書記長が解説しました。
■家計を守るには「支出の見直し」も欠かせない
 配信の冒頭では、春闘などを通じて賃上げを求めることはもちろん重要である一方、それだけでは生活を守り切れないという話から始まりました。
 物価高が続く現在、節約だけを求められる風潮もあります。しかし、プレカリアートユニオンが提案しているのは、単なる我慢や節約ではありません。
 自分にとって何が大切な支出なのかを考え、家計を「見える化」し、優先順位を付けながら暮らしを組み立てていくことです。
 使いたいところにはきちんとお金を使い、その一方で、何となく続けている支出は本当に必要なのかを見直していく。その積み重ねが、生活を安定させることにつながります。
 その具体例として今回取り上げられたのが、生命保険でした。
■「何となく不安だから保険」は本当に必要か
 稲葉書記長は、生命保険に加入している人の中には、「何となく不安だから」「勧められたから」という理由で加入している人が少なくないのではないかと問いかけました。
 実際に配信では、稲葉書記長自身もその場でインターネット上の保険見積もりを試したところ、終身の死亡保障付きのがん保険では毎月約1万2000円程度という試算が表示されたことを紹介しました。
 毎月1万円を超える保険料は、年間では十数万円、長期間では数百万円という支出になります。
 そのお金を払い続けるだけの必要性が本当にあるのか。
 まずそこを考えることが大切だと語りました。
 もちろん、生命保険そのものを否定しているわけではありません。
 問題なのは、「何が心配なのか」を整理しないまま加入してしまうことです。
 病気が心配なのか。
 医療費が払えなくなることが心配なのか。
 家族の生活が心配なのか。
 働けなくなることが心配なのか。
 その不安の中身を具体的に考えないまま保険を選ぶのではなく、まずは何が起きたときに困るのかを整理することが必要だと説明しました。
■まず知るべきは「社会保険」
 その上で稲葉書記長が強調したのが、日本の社会保障制度の手厚さです。
 日本では健康保険や雇用保険、年金制度、労災保険など、公的な社会保障制度によって、病気やけが、失業、障害などさまざまなリスクに対する保障が用意されています。
 ところが、その内容を十分知らないまま、「病気になったら大変だから」「がんになったらお金がかかるから」と漠然とした不安だけで民間保険へ加入してしまう人も少なくありません。
 しかし、本当に必要な保障を考えるためには、まず社会保険でどこまでカバーされるのかを知ることが出発点になります。
 公的制度で対応できる部分を理解した上で、それでも不足する部分があるなら、その部分だけを民間保険で補うという考え方の方が合理的ではないかと説明しました。
■死亡保険は誰に必要なのか
 配信では、死亡保障についても具体的に考え方が示されました。
 健康保険には埋葬料など一定の給付がありますが、死亡そのものに対する保障は医療保障ほど手厚くありません。
 一方で、「だから誰でも高額な死亡保険が必要」ということにはならないと稲葉書記長は話しました。
 例えば、小さな子どもがいて、家族の生活を支える収入が一人に大きく依存している家庭では、死亡保障の必要性は高くなるかもしれません。
 しかし、共働き世帯や、一定の蓄えがある家庭では、本当に高額な死亡保険が必要なのかは家族構成や生活設計によって異なります。
 「死亡保険が必要かどうかは、人それぞれの生活設計から考えるべき問題です。」
 そうした視点を持つことが、「何となく不安だから入る」という保険選びとは大きく異なる考え方であることが紹介されました。
■高額療養費制度があることを知っていますか
 配信では、病気になったときに最も多くの人が心配する「医療費」についても詳しく解説されました。
 稲葉書記長は、「がんになったら何百万円もかかるのではないか」「入院したら医療費が払えなくなるのではないか」という漠然とした不安から医療保険へ加入する人が多いことに触れながら、まず知っておいてほしい制度として、高額療養費制度を紹介しました。
 高額療養費制度は、公的医療保険に加入している人であれば利用できる制度です。医療費が高額になっても、所得に応じた自己負担限度額を超えた分は払い戻される仕組みになっています。
 もちろん、差額ベッド代や食事代など、高額療養費制度の対象外となる費用もあります。しかし、「大病をしたら医療費だけで人生が立ち行かなくなる」というイメージだけで判断するのではなく、まずは公的制度がどこまで保障しているのかを知ることが大切だと説明しました。
 制度を知らないまま不安だけが大きくなり、高額な保険料を払い続けてしまうことは、生活設計という観点から見ても望ましいことではないという問題提起がなされました。
■働けなくなったときも公的制度が支える
 続いて話題となったのは、病気やけがで働けなくなった場合の保障です。
 会社員や健康保険加入者の場合、一定の条件を満たせば傷病手当金を受けることができます。
 また、病気や障害によって長期間働けなくなった場合には、障害年金の対象となる可能性もあります。
 稲葉書記長は、こうした制度があるにもかかわらず、「働けなくなったら収入がゼロになる」と思い込んでいる人が少なくないと話しました。
 もちろん、公的制度だけですべての生活費がまかなえるわけではありません。しかし、「何も保障がない」という前提で民間保険を考えるのではなく、公的制度で補われる部分を理解したうえで不足分を検討することが合理的だと説明しました。
 プレカリアートユニオンでも、傷病手当金や障害年金の利用について相談を受けることが多くあります。制度を知らなかったために申請が遅れたり、本来受けられる給付を受けずに生活に困窮してしまったりする事例も少なくありません。
 制度を知ること自体が、生活を守る力になるということが繰り返し語られました。
■「保険に入る前に制度を知る」という順番
 配信では、「民間保険は不要」と言っているわけではないことも改めて説明されました。
 人によって家族構成も違えば、資産状況も違います。子どもがいる家庭と単身世帯では必要な保障も異なります。
 だからこそ、「まず社会保険」「その上で必要なら民間保険」という順番が大切だというのです。
 生命保険会社や保険代理店は、それぞれの商品を販売する立場です。一方、公的制度について詳しく説明される機会は決して多くありません。
 そのため、制度を十分理解しないまま保険だけを検討してしまう人も少なくありません。
 稲葉書記長は、不安を解消するためには、まず社会保障制度を学ぶことが重要であり、それによって本当に必要な保障が見えてくると話しました。
■保険料も「固定費」である
 毎月支払う保険料は、一度契約すると見直す機会が少ない固定費です。
 毎月数千円、あるいは1万円を超える保険料でも、何十年と払い続ければ大きな金額になります。
 だからこそ、「何となく入ったまま」ではなく、自分が加入している保険の内容を確認し、社会保障制度との関係を理解した上で、本当に必要かどうかを定期的に見直すことも生活力の一つだと説明されました。
 生活防衛とは、単に支出を減らすことではありません。自分のお金が何に使われ、どんな保障を得ているのかを理解しながら生活を組み立てていくことです。
 その意味でも、社会保険制度を知ることは、働く人が安心して暮らしていくための土台になるというメッセージが伝えられました。
■家計簿は「節約」のためではなく、自分を知るため
 配信の後半では、家計管理の具体的な方法についても話題が広がりました。
 清水委員長は、自身が現在も家計簿アプリを使って家計管理を続けており、それが約4年間継続していることを紹介しました。
 家計簿をつけ始めたきっかけは、稲葉書記長から「まず家計簿をつけてみよう」と勧められたことでした。
 実際に家計簿をつけ始めると、お金の流れが目に見えるようになり、「何となく使っていた支出」が分かるようになりました。
 何にお金を使っているのかを知ることは、単なる節約ではありません。
 自分が何を大切にしているのか、自分の生活に本当に必要なものは何なのかを知ることにもつながります。
■「米を炊いて冷凍する」ことから始める生活改善
 もう一つ印象的だったのは、自炊についての話です。
 清水委員長は、労働組合の活動で帰宅時間が遅くなることも多く、「忙しいから自炊は無理」と思っていた時期があったと語りました。
 そんな時、稲葉書記長から言われたのが、「どんなに忙しくても自炊はできる。自炊の方が早く食べられるよう段取りを組めばよい。まず米を炊いて冷凍するところから始めてみたらどうか」という助言でした。
 毎日手の込んだ料理を作ろうとすると長続きしません。
 しかし、ご飯だけでも自分で炊いて冷凍しておけば、食費を抑えることができますし、食生活も整えやすくなります。
 生活を改善するためには、小さく始めて継続することが大切なのです。
■「生活力」は誰でも身につけることができる
 配信を通じて一貫して語られていたのは、「生活力」は特別な才能ではないということでした。
 収入が高い人だけが豊かになれるわけではありません。
 また、節約だけを我慢して続けることが生活力でもありません。
 自分の収入を把握すること。
 支出を把握すること。
 社会保障制度を知ること。
 本当に必要な保険を考えること。
 少しずつ自炊を取り入れること。
 家計簿をつけてみること。
 そうした一つひとつの積み重ねが、生活を安定させる力になります。
 稲葉書記長は、「生活力向上計画」は、「普通に安心して暮らしていく力」を身につけるための連載であることを改めて伝えました。
■労働組合だからこそ生活を語る
 今回の配信では、なぜ労働組合が保険や家計について発信するのかという点についても触れられました。
 プレカリアートユニオンには、未払い賃金や解雇、ハラスメントなど、さまざまな相談が寄せられます。
 しかし、その背景には「生活への不安」があることが少なくありません。
 会社を辞められない。
 理不尽なことを言われても我慢してしまう。
 病気になっても休めない。
 こうした状況は、生活基盤が不安定であることと深く結び付いています。
 だからこそ、労働条件を改善することと同時に、生活そのものを立て直す力を身につけることも大切です。
 社会保険制度を知ることも、家計を見直すことも、自炊を始めることも、働く人が安心して暮らすための「生活力」の一部です。
■お金の不安を、一人で抱え込まないために
 今回の配信は、「生命保険に入るな」という話ではありませんでした。
 また、「節約だけを頑張ろう」という話でもありません。
 まずは社会保険制度を正しく知ること。
 漠然とした不安に流されるのではなく、自分に本当に必要な保障を考えること。
 そして、自分の生活を自分自身で少しずつ組み立てていくこと。
 そうした積み重ねが、物価高の時代を生き抜くための「生活力」につながります。
 プレカリアートユニオンは、賃金や労働時間、ハラスメントだけでなく、働く人の生活全体を支えることも労働組合の役割だと考えています。
 生活に不安があるとき、制度が分からないとき、職場で困っていることがあるときは、一人で抱え込まず、ぜひ相談してください。
 ブログにも掲載中の「いなばの生活力向上計画」は、これからも働く人が安心して暮らし、自分らしい生活を築いていくためのヒントを発信していきます。

 

7月9日(木)16時から、プレカリアートユニオンのYouTubeライブの配信を行います。
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