プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

実際に関わった労働事件を通し臨場感もって語られる労働運動の半世紀。『労働弁護士「宮里邦雄」55年の軌跡』(宮里邦雄著/論創社社)

実際に関わった労働事件を通し臨場感もって語られる労働運動の半世紀

『労働弁護士「宮里邦雄」55年の軌跡』(宮里邦雄著/論創社社)

ronso.co.jp

 『労働弁護士「宮里邦雄」55年の軌跡』(宮里邦雄著/論創社社)は、2021年7月に論創社から発行されたインタビュー形式の本です。本の前半は労働弁護士としての55年間の軌跡を語られていて、後半はふるさとの沖縄や幼少期のことを語られています。宮里邦雄さんは、50数年に渡り数々の労働事件に取り組んできた現役の労働弁護士、その人の言葉で語られる過去の事件や体験談は通常では経験できないもので大変興味を惹かれる内容です。本誌は実際に関わった労働事件を通して語られていているため非常に臨場感があるとともに、当時の空気や情勢などが会話の中で伝わり、だんだん引き込まれていく感覚で私は読みやすいと感じました。
 私がこの本で特に気になった部分を挙げると、派遣法の元になった事件のインタビューで、当初は専門家が自由に色々な場所に行って働ける非常に限定的な法案だったという話、宮里さんはこれを通してしまうとなし崩し的に規制緩和をされて未来では恐ろしいことになると考えていたが、当時の推進派は非常に専門的な人限定だから法案が通っても大丈夫だと考えていたそうです。これは現代では派遣法は規制緩和をされて一般の労働者にも適応されてしまったことからも宮里さんの考えが正しかったと証明されてしまいました。
 この本を通して労働者が過去いかに闘って権利を獲得してきたかをインタビュー形式で語ることで理解しやすく、また面白く読むことができるので興味のある方はぜひ読んでみてほしいです。

 郡山喜行(組合員)

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炭鉱の危機に立ち上がった女性たちの実話。映画『フラガール』(李相日監督/2006年・日本)

炭鉱の危機に立ち上がった女性たちの実話

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映画『フラガール』(李相日監督/2006年・日本)

 映画『フラガール』は、2006年に日本で制作された実話をモデルにした映画作品です。監督は李相日、主演は松雪泰子、国内の様々な映画祭で賞を受賞をしました。蒼井優岸部一徳富司純子等の迫真の演技も物語に深みを与えています。
■「こんな手ぇした18歳って、どうだべさ」
 舞台は1965年のいわきの炭鉱街、蒼井優演じる紀美子が友達の早苗からフラダンサー募集の話を聞き、一緒に応募しないかと誘われる所から物語は始まります。「こんな手ぇした18歳って、どうだべさ」と早苗は荒れてひび割れた両手を出し、こんな生活を抜け出したい、チャンスを掴みたいと訴えます。人目を忍んでひっそりと話しをする2人は、すぐに大人に見つかって追いかけられてしまいます。なぜ、フラダンサー募集の張り紙の話をして追いかけられてしまうのでしょうか。その理由は、実はとても深刻なものでした。
■ハワイより炭鉱だ!!怒る炭鉱労働者達
 炭鉱では、大幅な人員削減の話が出ていました。黒いダイヤとも言われた石炭ですが、石油へのエネルギーシフトの波には勝てず、赤字により経営に大きな影響が出ていました。また、映画の舞台になった1965年、日本は前年の東京オリンピックの好況から一転、不況に陥っていました。そんな、先行きの見えない世の中を反映してか、国内では空前のハワイアンブームに沸いていました。
 会社は、この波に乗り、赤字化した山を救い失業者を1人でも減らすために山から出る温泉資源などを利用して、ハワイアンセンターを作る計画を打ち出します。ハワイアンセンターには多額の資金が投入されるため、「そんな金があるならば俺たちの雇用と仕事を守れ」と労働組合はハワイアンセンターに猛反発していたのです。
■前途多難なフラガールたち
 なかなか周囲の理解を得られないまま、山を守る起死回生の一打として常磐ハワイアンセンターの開設準備は進められていきます。岸部一徳演じる吉本紀夫はハワイアンセンターの館長です。この町で育った炭鉱娘達を立派なフラダンサーにして町の暮らしを守っていきたいという強い気持ちから、本場のハワイでフラダンスを学び、プロのダンサーとして東京で活躍していた主人公の平山まどかを指導者として招聘し、フラダンサーを募りました。説明会には多くの炭鉱娘が訪れましたが、ハワイアンダンスのビデオは炭鉱で育った彼女たちにとって刺激の強すぎるものでした。
「裸踊りだ」等とみんな恥ずかしがり逃げてしまい、紀美子、早苗を含め残ったのは4名だけでした。加えて、初日早々平山は酷い二日酔いで現れます。彼女は母親の借金を背負いお金が必要だっただけではじめからろくに指導をする気などなかったのです。
■生徒も教える側も成長する
 はじめは「炭鉱娘にフラは無理」などと突き放した態度をとっていた平山でしたが、紀美子や早苗の熱意に動かされ、彼女たちを真剣にダンサーとして育てるようになります。厳しいレッスンに耐えながら、メキメキと腕を上げていく4人の姿を見て、いつしかフラガールの人数も増え段々と世の中の注目も集め始めます。はじめは田舎の炭鉱町が気に入らずふてくされていた平山も、指導者として人間として彼女たちとふれあうことで着実に成長していきます。しかし、背景の問題は何も解決していません。映画は、その後、炭鉱夫達との対立やまどかを追って東京からやってくる借金取りなど様々な障害を乗り越え成長しながらフラガール達が常磐ハワイアンセンターでのショーを成功させる迄の道のりをドラマチックに描き出します。
 この作品は、単純なエンターテイメントとして楽しむこともできますが、背景にある社会問題や労働問題に焦点を当てることで、様々な一面が見えてきます。フラダンスに反対する母に対して早苗が言った「おらの人生はおらのものだ」という悲痛な叫び、そしてそれの想いが昇華されたラストの圧巻のダンスソロには凄みさえ感じました。
 稲葉一良(書記長)

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当事者が主体的に問題解決するための手助けとは。『ケースワークの原則[新訳改訂版] 援助関係を形成する技法』(フェリックス・P・バイステック著/誠信書房)

当事者が主体的に問題解決するための手助けとは

『ケースワークの原則[新訳改訂版] 援助関係を形成する技法』(フェリックス・P・バイステック著/誠信書房

 ソーシャルワーク博士であるF・P・バイステックによる『ケースワークの原則 援助関係を形成する技法』は、困難を抱えたクライエントが主体的に生活することができるように支援を行うケースワークについて記した1冊です。1957年の刊行から既に半世紀以上が経つ所謂「古典」的名著として知られる一方、今なおその普遍的な考察からは多くの気付きを得ることができます。
■主体的に問題と向き合う手助け
 かつて、様々な困難や問題を抱えた人、時としてそれにより罪を犯してしまった人などは「救済」の対象でした。ソーシャルワーカーがそれらを診断し、救済に値するかどうか判断し、どのようにするべきだという断定や予断を元に一方的に救済は行われていました。本書は援助関係を形成することがケースワークの実践に不可欠であるとし、代わりに問題を解決してあげるのではなく、専門家として本人が主体となって自身の問題をする手助けをするための技法について7つの原則を挙げて解説しています。
■問題の主人公はクライエント
 各原則は「クライアントを個人として捉える」、「クライエントの感情表現を大切にする」、「援助者は自分の感情を自覚して吟味する」、「受け止める」、「クライエントを一方的に非難しない」、「クライエントの自己決定を促して尊重する」、「秘密を保持して信頼感を醸成する」となっています。人を人として捉え、時には援助者が自身の感情を振り返りながら、信頼に基づいた援助関係を築く手法であることが原則にも現れています。
 クライエントを勇気づけ、主体的な生活が営めるように支援をする、バイステックの手法は、労働組合でのエンパワーメントの考え方にも大きく通じるものがあります。問題に直面した仲間がその問題と向き合えるように支え、共に解決の道筋を見いだしていくことが労働運動にとっても大切です。代わってあげる、解決を請け負うといった行動が実は仲間のためにもならないのだということを改めて認識しました。
 稲葉一良(書記長)

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問いかけから始める支援。『人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則』(エドガー・H・シャイン著/英治出版)

問いかけから始める支援

『人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則』(エドガー・H・シャイン著/英治出版

www.eijipress.co.jp

 よかれと思ってしたことが、かえって人を傷つけてしまったり、困らせてしまったり、こんな経験を誰しもがしたことがあると思います。『人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則』は、MIT工科大学スローン経営大学院名誉教授であるエドガー・H・シャインによる、支援学の入門書です。
■支援とは依頼に応えることではない
 本書は、「役に立つ支援と役に立たない支援」の解説から始まります。何も考えずに、クライアント(本書では支援を受けるものをそう表記する)の表面上のリクエストに答えた結果は必ずしも本当に必要とされている助けと一致するものではないのだといいます。例えば、著者自身も子どもに「宿題を教えてほしい」と言われたとき、その裏に学校での話を聞いてほしいという真のニーズがあったのに気がつかず、ただ効率よく問題だけを教え、子どもの機嫌を損ねてしまったという体験談を語っています。支援とは、依頼に応えることと必ずしもイコールではないのです。
■質問が真のニーズを引き出す
 支援関係の対象は何も個人だけに限られません。本書ではチームに対する支援についてやリーダーとしてのあり方についても触れるなど、実に幅広く支援するということについて解説されています。大切なのは、クライアントの必要と感じている支援や直面している困難はクライアントの中にあるということです。様々な質問を駆使することで個人だけでなく集団の支援も行うことができるようになるといったプロセスが丁寧に平易に語られています。
 この本は、専門家ではなく、人を助けたり、助けを求められる様々な立場の人々に向けて書かれていることに大きな意義があります。労働組合での様々な相談も、断定的に問題点を決めつけず、「あなたは何に困っていますか」と問いかける姿勢を大切にしたいと感じました。

稲葉一良(書記長)

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職場で女性が悲惨な目に遭う背景は?『モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』(アルテイシア著/大和書房)

職場で女性が悲惨な目に遭う背景は?

『モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』(アルテイシア著/大和書房)

www.daiwashobo.co.jp

 この本をある女性から勧められて読みましたが、なぜこんな爺さんに読ませるのか不思議に思っています。この本はセクハラやパワハラに苦しむ女性のために、無神経な言葉を浴びせるヤバい人に対する対処法をユーモアたっぷりに書いたエッセイです。「多分ナベ爺さんは、若いころ相当スケベな言葉を投げかけて、多くの女性たち傷つけたに違いない」とその女性は想像して、深く反省させることを意図したのかもしれません。でも、実際は、確かに「一度もセクハラをしたことがない」と胸を張って言えるとはいえませんが、この本に出てくる「ヤバい人」ほど無粋な人間ではなかったと思います。
 私は現在65歳で、仕事も一人現場ですから、いま会社で働いている人がどういう人間関係に悩んでいるのか、実際のところ肌で感じることができません。しかしこの本の中に出てくる「ヤバい人」はおそらく昭和世代の上司でもあるおっさんが大部分を占めています。いま現役のおっさんは、40から50歳代でしょうから、おそらく私たちが若かった頃の1970年代の女性解放運動を知らない年代です。正直この本で取り上げられている「モヤる言葉」が職場でしかも上司の口から発せられているとしたら、(実際そうなのでしょうが、ちょっと私にとっては信じられないので)、明らかに時代は後退しています。
 たとえそのような言動があったとしても、役職者でなく万年ヒラのおっさんが地雷を踏んでました。というのは当該の女性はすぐ事実を上司またはその上の上司に報告し、問題は即決してました。当たり前の事ですが、地位が上に行けば行くほど人間は(仕事の上、職場の中に限定されますが)おおむね立派な人でした。いま職場組織がそういった健全なヒエラルキーになっていないとしたら、その辺が根源的な問題かもしれません。また、我々が若い時は「女性の時代」とも言われ、会社もこぞって優秀な女性を新卒で採りました。逆に新卒の男性が力仕事などを含む単純反復的な仕事に回され、我々は大いに不公平を感じたものです。男女機会均等法ができたのもこの頃です。それが何故かこの本のような、女性受難の時代に後戻りしたのか私にはわかりません。悲惨な目に逢っている今の女性にとっては、何とか心が折れないように対抗する手段が必要でしょうから、半分笑い飛ばしながら男社会に対抗していく必要もあるでしょう。
 この本では「褒めるふりをしたモヤい言葉」や「迷惑すぎるクソバイス」などの職場で女性に浴びせられる無神経な言葉や「女性を標的にする、または距離を取るべきヤバい人」などその言葉を発する主に男どもに対抗する方法がいろいろなケースに分類されています。笑い飛ばせなければやっておられない状況です。いつからこんな状況になったのでしょうか? 「女性の時代」といわれた頃には、女性が子育てなどでいったん職場を離れても再就職制度など現役復帰しやすい人事制度が作られました。企業によっては自前で保育園を会社の近くに建てたりしました。経済のグローバル化はそのころ既に予測されていましたので、結婚して専業主婦になるという道はすでに閉ざされかけていたし、当時の女性も専業主婦になる気は毛頭なかったと思います。明らかにどこかの時点で企業が人を大切にすることを忘れ、損か得かの利益追従に走り、その方法も新しい価値を創造するのではなく、ひたすらコスト削減ばかりに注力したことが原因です。
 したがって会社員も自分がそのターゲットにならぬよう日和見主義者となり、ひたすら人の足を引っ張ることに勢力を費やしたのです。真っ先にその餌食となったのが女性でしょう。数の上では企業で多数派だった男性はとりあえずは難を逃れましたが、これからは男性に対する強烈な圧迫が始まるでしょう。やはりこの企業社会の在り方を性別にかかわりなく考えていかなくてはならない時にきています。
 渡辺耕一(組合員)

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誰もが集い楽しめる場を作りたい一心で楽器演奏のできる食堂を開設し手に取った1冊。こども食堂とは何か?の全てが詰まっていた『つながり続ける こども食堂』(湯浅誠著/中央公論新社)

誰もが集い楽しめる場を作りたい一心で
楽器演奏のできる食堂を開設し手に取った1冊。
こども食堂とは何か?の全てが詰まっていた


『つながり続ける こども食堂』(湯浅誠著/中央公論新社

www.chuko.co.jp
 青森県生まれの自分が、なぜか縁も何もない群馬県へ移り住んだのは、今から10年程前のこと。自身、二度の離婚の経験者であり、二度目の離婚の際、半ば自暴自棄に陥っていたのかもしれません。何もかもを捨て丸裸となり、人生最大の勝負をするのには場所などどうでもよかったのです。とはいえ、生きるためには仕事をしなければならず、派遣会社の門を叩いた結果、仕事先が群馬だったというわけでした。
 仕事時間以外はいろいろと考える時間が多く、自分自身の過去を何度も振り返ってみました。両親と離れ祖父母と暮らした幼少期。地元学区内の小中校ではなく大学附属の小中校へ通ったため、何故か地元の子どもたちから疎外された思春期。宗教に走り家庭を顧みない嫁、俗にいう上流階級の嫁親族との不和に悩んだ青年期。「良き人生」とは程遠い時間を過してきた経緯があり、波乱万丈な生き方をしてきました。
 それでも恵まれている部分もあり、三度目の結婚ができました。とても感謝しています。現在、4人の子どもの父親をしています。自身、とても子ども好きで、他人のお子様であっても大好きです。子どもは未来の宝です。どの子も平等に笑顔で健やかに育ってほしいと願っています。どうしても、過去の自分と重ねて見てしまいます。
 が、しかし。現状は理想形とは違っています。いじめ、ネグレクト、生活格差のある現代。人として生まれ、人として成長し、最期を迎えるその日まで皆が笑顔で平和な時間を共有することは難しいことなのでしょうか。いろんな場所で、いろんな形で環境を変える動きが成されています。しかし、まだまだ満足のできる結果がでていないのが事実。そんななか、近年「こども食堂」が増加しています。とても素晴らしいことであり、それなら自分でもできるし、正に自分の想いをかたちにできるのはコレしかない!と感じ、思い切ってお店を開きました。
 個人的に音楽が好きで、学生時代からギターを握っていたこともあり楽器演奏もできるる食堂。老若男女が集い楽しめる空間を提供したい! との一心で。それこそ、総体的な「こども食堂」自分の想いだけが先走り、こども食堂をひらいたのだが、しょせんは素人。周囲のこども食堂の運営は、どのように行われているのだろうか? 実に多くのこども食堂があり、運営方法も様々。どうしたものか? と思い悩み、手に取った一冊の本が湯浅誠氏の『つながり続ける こども食堂』です。2021年6月10日初版発行で、このコロナ禍におけるこども食堂の在り方も記されています。氏曰く「こども食堂とは、孤立する人のいない にぎわい をつくる場所である」との、冒頭からの一文。衝撃を受け、一気に読んでしまいました。こども食堂とは? の全てが分かる本でした。自分が思い悩んでいたことが解消されスッキリ。自分が思い描いていたことと酷似していて、親近感・安心感も沸いてきました。
 こども食堂とは数式とは異なり、明確な答えがあるわけではありませんが、必要な場所だと思います。昔のように大家族ではなくなり核家族が増え、かつ共働きも増え、子どもとの接点すら減っている現代社会。増々こども食堂の需要は高まるでしょう。生きていく上で一番寂しいのは、自分の存在を認めてくれる仲間がいないことだと思っています。
 他人と接していても、なかなか自分の存在をアピールできない人もいるのでしょう。それならば間に入って繋いでくれる人も必要でしょう。こども食堂とは、単に食べられる場所ではなく、人と人を繋いでくれる場所でなければいけません。いつの日か、全ての人が誰に気兼ねすることなく平等に笑い楽しめることができる日がくることを切に願い、こども食堂の在り方を考えつつ運営していく所存です。最後に、こども食堂とは何か? を今一度皆さんに考えていただければ幸いです。
 横山誠剛(群馬県渋川市在住/組合員)
※Circle4(サークルフォー) 群馬県渋川市渋川1813-24上毛ビル1階。営業11時~23時。水曜定休。

yokomaru1225.wixsite.com

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全国ユニオン第20回定期大会開催される。コロナ時代の労働運動を考える記念シンポも

全国ユニオン第20回定期大会開催される
コロナ時代の労働運動を考える記念シンポも

 7月17日四谷三丁目ワイム貸し会議室にて全国コミュニティ・ユニオン連合会全国ユニオン)第20回定期大会が行われました。新型コロナウイルスが世界中の労働者に大きな影響を与えたこの1年を振り返り、労働者の権利を護り拡大していくための時期方針が決議されました。
■もう一度連帯社会を構築するために
 関口事務局長による開会の挨拶で、定期大会はその幕を開けました。議長団が選任され、登壇した後、鈴木会長が挨拶をしました。「この10年間の自己責任に基づく新自由主義社会の歪みが明らかになり、多くの失業者を生み出している。非正規とすらいえない、非雇用・フリーシフトは拡大している。改めて、特権階級のための東京オリンピックは中止すべき。もう一度連帯社会を構築するために、全国ユニオンが最先頭に立って闘っていくことを宣言したい。」と、はじめ、次回の衆議院で絶対に自公政権過半数割れさせると、力強く訴えました。
新自由主義の暴走を食い止め、命を守る労働運動を
 その後の、来賓挨拶では社会民主党党首福島みずほ様、連合副事務局長・安永貴夫様、日本労働弁護団幹事長・水野英樹様、日本労働弁護団闘争本部長・棗一郎様、コミニティユニオン全国ネットワーク事務局長岡本哲文様にメッセージをいただきました。どの来賓の方々も、人命や人権、生活を軽視した新自由主義社会のあり方に警鐘を鳴らし、労働運動の重要さを語ってくれました。
 その後、大会成立を確認し、議案の提案、などが行われ、鈴木会長による団結ガンバローにて定期大会は幕を閉じました。大会宣言では、「働き方や国籍などにとらわれず、会社や地域で1人1人が安心して希望を持って生活し働ける社会を実現していこう。節目となる第20回定期大会を新たな社会実現の第一歩とし、着実に歩みを進めていこう」と宣言されました。
■ユニオン運動の新時代語るシンポ
 全国ユニオン第20回定期大会の後、記念シンポジウムが行われました。なのはなユニオン鴨桃代執行委員長がコーディネーターを務め、鈴木剛全国ユニオン会長、コロナ相談村実行委員の大久保秀一弁護士と、女性による女性のための相談対実行委員会の黒川美恵子さんがパネリストとして登壇し、いたみワーカーズコープ高木哲次理事長がオンラインで参加しました。
■顕在化・固定化する貧困
 鈴木会長が「年越し派遣村」の頃と変わって、女性や移住労働者の相談が増えたことに触れ、コロナ禍の社会情勢を語った後「年越し支援・コロナ被害相談村」等の経験から、と題した大久保秀一弁護士による報告が行われました。相談村の取組の概要を説明し、生活に困窮し相談村を訪れた相談者のケースを紹介した後、厚生労働省の統計データなどを使い非正規労働者が置かれた過酷な状況について語りました。「何度も相談に来る方がいる」と、貧困の顕在化、固定化について問題提起しました。
■ますます深刻化する女性の貧困
 続いて、黒川さんから「女性による女性のための相談会」で行った取り組みについて報告がありました。相談会の動画と共に支援の様子が伝えられます。相談者は40~60代の方が多く、非正規など仕事の相談、心と身体の問題などの健康相談に対応したそうです。電話がなく相談に繋がれていなかった女性も目立ったそうです。コロナ禍で女性不況が一層深刻化している現状が語られ、活動を通じて作成された政策提言が紹介されました。
 その後、パネリストによる意見交換が行われ、高木理事長からオンラインで伊丹での取り組みが紹介されました。登壇者の発言から、コロナ禍の労働運動に不可欠なのは、市民運動と連携連帯し社会を変えていく取り組みなのだと感じました。
 稲葉一良(書記長)

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