各政党の回答(回答到着順)
[質問 1]
日本政府は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の「芸術家の地位に関する勧告」を
批准しているものの、社会での認知や法的な整備は未だ不十分です。その結果、文化
芸術や芸能に従事する人々は重層的な下請け構造の最下層に位置し、報酬や活動環境
が劣悪であることが指摘されています。芸術家の権利向上や文化芸術分野に関して予
定している取り組みついて、具体的にお聞かせください。
◆日本共産党
ユネスコの「芸術家の地位に関する勧告」は「芸術家が、⽣活と社会の発展のために重要な役割を果たしている」「被雇⽤と⾃営にかかわらず、芸術家の社会保障、労働条件、課税条件を改善することが必要」と述べています。この指摘は意義あるものであり、当然、わが国においてもその内容の具体化が求められます。⽂化・芸術活動を⽣業にしている⽅々は、フリーランスも多く、⼀般の労働者に⽐べて低収⼊であり、収⼊増と社会保障の充実は待ったなしです。⽇本ではフリーランスを「個⼈事業主」として「労働者性」を認めていないため、労働法制の保護の対象になっていません。⽇本共産党は、「⾮正規ワーカー待遇改善法」を提案しています。その中で、労働者性の判断の⾒直し、労災補償の拡充など労働基準法の改正、個⼈加盟の組合結成や団体交渉権、ストライキ権の保障など労働組合法の改正を求めています。
⽂化・芸術分野は、⻑時間・過密労働が蔓延している現場でもあります。業界の努⼒もありますが、⺠間任せにせず、時間外労働規制、インターバル時間の確保など国が責任を持つべきです。⽇本共産党は、「⾃由時間拡⼤推進法」を捉案しています。中⼩企業、個⼈孝業主を直接⽀援(社会保険料負担の⽀援)し、全国⼀律時給 1500 円、早期に 1700 円に、労働時間は 1 ⽇ 7 時間、週 35 時問をめざします。
フリーランスを苦しめている消費税は廃⽌をめざし、今すぐ⼀律に 5%への滅税を求めます。フリーランスの芸術家、スタッフの⽣業を直撃しているインボイス制度の廃⽌を求めます。
◆中道改⾰連合
フリーランスを働き⽅の実態に応じて労働者として適切に保護するとともに、インボイスを廃⽌し、フリーランスの⽅が安⼼して芸術活動ができる環境を整備し、社会の活⼒の源泉となる⽂化芸術に従事する皆さまへの⽀援策を今後も充実させていきます。中道改⾰連合は「障がいの有無にかかわらず、⽂化や芸術を通じた共⽣社会の実現」を基本政策として掲げています。
◆れいわ新選組
フリーランスの⽂化芸術のアーティスト(声優・漫画家も含むすべての表現者)の⾃由な表現活動に対する経済的な阻害要因になっている、「消費税インボイス制度」の廃⽌を⽬指します。
同時に、業界の低賃⾦とハラスメントの問題にも取り組みます。国連が⽇本のアニメ業界について、労働搾取の問題があると指摘したように、これまでの⽇本のサブカル⽂化がクリエーターのやりがい搾取に陥ってきた問題(低賃⾦・ハラスメント)を改善する必要もあり、フリーランス保護法における契約の透明性(準契契約の普及や報酬基契の設定など)の向上によって、発注・受注の⼒関係において弱い⽴場の表現者を守っていく事も重要です。
これらの政策により、芸術家やアーティストの創造的エネルギーが⾦銭的にも報われる社会を⽬指します。
◆社会⺠主党
芸術家の権利向上は、表現の⾃由や正当な報酬、安全な労働環境の確保等多⽅⾯からの取り組みが必要です。⽂化芸術基本法を強化し、フリーランスを含むアーティストの契約・⽣活・社会保障の安定、著作権保護の強化、ハラスメント防⽌などの創造環境整備をすすめたいと考えます。また、芸術家の活動環境の整備のために、労働組合や専⾨職能団体の活動保護、制作現場におけるハラスメント防⽌や労働安全の確保に取り組みます。
[質問 2]
2025 年 11 ⽉施⾏のフリーランス新法に関連し、⽂化芸術分野においても⼀定の報酬基
準を明確化するべきであるという動きが近年⾼まって来ています。芸術家の報酬ガイドラインは、イギリス、フランス、カナダを始めとする欧⽶各国で整備されているだけでなく、韓国においても導⼊への動きが加速しています。⽇本における芸術家の報酬ガイドラインを整備することが必要だと考えます。この考えに賛成ですか。下記より選択し、その理由をお聞かせください。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①はい
②いいえ
③わからない
④その他
◆日本共産党
①はい
その理由:
⽂化庁が策定した「⽂化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」では、報酬の決定に当たっては、適正な⾦額となるよう、発注者と受注者が⼗分協議することになっています。協議すらなく⼀⽅的に報酬が決められてしまう、⽴場が弱い芸術家にとって、⼀定の報酬基準を明確にすることは意義のあることです。
芸術家、スタッフなどは、年収 300 万円以下が 6 割という調査もあり、本業の他にアル
バイトなどをして⽣計を⽴てている⽅が少なくありません。しかも、コロナ禍で⼤打撃を受けた上に物価商騰、インボイス制度などで実収⼊が減り「廃業を考える」という声も寄せられています。また、仕事そのものが不定期であり、仕事がキャンセルになった時の保障もありません。国の⽂化政策は、短期的な経済価値を求めるもので、⽂化・芸術をつくりだす芸術家やスタッフの地位向上は⼆の次になっています。
「フリーランス新法」が施⾏されましたが、フリーランスが不当な扱いを受けたときに公正取引委員会などが指導するのみで、是正されないことも起きています。フリーランス新法は、公正な経済活動を確保する最低限の規定であり、労働法制で保護を広げることが不可⽋だと考えます。
◆中道改⾰連合
④その他(⽂化芸術関係者の意⾒も⼗分に聞きながら、⽂化芸術の社会的な価値が適正に評価される報酬ガイドラインを整備して個々の芸術家を⽀えるとともに、表現の⾃由が守られ、経済的⾃⽴も両⽴できる⽂化芸術⽀援策を⼒強く推進していきます)
◆れいわ新選組
①はい
その理由:回答なし
◆社会⺠主党
①はい
その理由:報酬基準の明確化は、芸術家の⽣活保障の安定のために有益だと考えます。
[質問 3]
令和 7 年度の文化庁の概算要求は 1400 億円、と前年度比で 31.8%増加しているものの、一般会計総額に占める割合はおよそ 0.1%前後に留まっています。これは先進諸国の中では圧倒的に低い水準となっており、文化芸術に従事する人々の活動を圧迫する遠因とも考えられています。日本の国家予算における文化予算の割合はどのくらいが望ましいですか?その理由と、それを達成するための具体的な政策をお聞かせください。
目標値( %)
目標達成のための具体的な政策をお書きください:
◆日本共産党
望ましい割合 1%
逹成のための具体的な政策:
2026 年度⽂化庁予算(案)は 1073 億円で、2025 年度と⽐較し、9 億円の増額となっていますが、国家予舞の 0.09%にとどまり、0.1%を割り込んでいます。毎年 1000 偲円程度では、現在の物価⾼騰による経費の増加に、芸術家も芸術団体も対応できません。国家予算に占める⽂化予算の割合は、フランスの 8 分の 1、韓国の 12 分の 1 にすぎません。予算を抜本的に増額し、国⺠の⽂化を創造し、享受する権利を保障するべきです。⽇本の軍事費は過去最⾼の 9 兆円を突破しました。他国を攻め込むための⻑射程ミサイルの関連経費だけでも⽂化予算の 9 年分です。GDP ⽐ 2%を超え、アメリカの⾔いなりでさらに⼤軍拡をすすめようとしています。国がその気になれば、そのごく⼀部を⽂化・芸術にまわすことはすぐにでもできます。
今後とも⽂化・芸術に携わる団体・個⼈のみなさんと⼒を合わせ、⽂化予第を抜本的に増やす運動にご⼀緒にとりくむとともに、国会論戦に⼒を尽くします。
◆中道改⾰連合
⽬標値( %)未回答
⽬標達成のための具体的な政策:
⽇本の⽂化予算が先進諸国に⽐べ圧倒的に低い現状は、看過できない課題です。⽂化芸術は、⾔葉も国境も越える最⼤の平和外交であり、我が国の⽂化芸術のソフトパワーが発揮される予算が必要です。今の芸術家の皆さまが活躍できる環境整備とともに、未来を創る投資、次代を担う芸術家への投資としても、⽂化芸術関係の予算の増額をめざします。
◆れいわ新選組
⽬標値( 1.3 %)
理由:⽂化庁の資料(⽂化芸術関連・データ集 令和 6 年)において国家予算に占める⽂化⽀出の⽐率がもっとも⾼い韓国では、⽇本の 10 倍以上の 1.3%程度(2025 年予算、約 9500億円)であり、遅れを取っている⽇本が⽂化振興を図るには、予算規模は最低でも同レベル(1.5 兆円)は必要。
⽬標達成のための具体的な政策をお書きください:
具体的には⽂化政策としては以下のものを考えています。
・低賃⾦構造に陥りやすいクリエーターやアニメーターに対する公的補助
・⽂化の担い⼿育成のための予算、国⽴劇場など⽂化芸術インフラの維持
・若い世代の⽂化を享受する側へのカルチャーパスのような仕組み
・アナログ作品のアーカイブ保存⽀援
・障害者の表現活動・芸術活動を福祉予算だけでなく、⽂化・芸術予算で⽀援
◆社会⺠主党
⽬標値( 1 %)
⽬標達成のための具体的な政策:
⽂化庁の予算に限らないが⽂化予算の拡充は急務。フランス、韓国などが約 1%程度であり、とりあえずの⽬標とすべき。額にして 1 兆円未満であり、増税してまで激増させている防衛予算のことを考えれば⼗分可能な規模と考えます。
[質問 4]
2022 年、UNESCO により「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter)」が制定され
ました。本憲章は、⽂化芸術分野における持続可能な活動環境の整備、公正な報酬・契約、ハラスメント防⽌、透明性の確保などを柱とする国際的な指針です。⽇本においても、⽂化芸術に関わる複数の団体が本憲章に署名し、その理念の実現を⽬指す動きが広がっています。
貴党は、この UNESCO フェアカルチャー憲章の理念に賛同しますか。下記より選択のう
え、その理由をお聞かせください。また、賛同する場合、同憲章の理念を⽇本の⽂化芸術政策に反映させるため、どのような具体的取り組みを⾏っていくお考えか、お聞かせください。
① 賛同する
② 賛同しない
③ 現時点では判断できない
④ その他( )
理由をお書きください:
具体的な取り組みをお書きください:
◆日本共産党
①賛同する
理由:
フェアカルチャー憲章の前⽂に「アーティスト、クリエーター、その他の⽂化の担い⼿は、世界中の⽂化のアイデンティティ、想像⼒および資産に多⼤な貢献をしている」 とあります。また、「芸術の⾃由、公正な労働条件、適切かつ適正な報酬の実現・・・持続可能な⽣計を⽴てる能⼒を阻害するあらゆる障壁に対処することを⽬指します」と明記しています。⽂化・芸術に携わるすべての⼈たちに対する⽇本共産党の⽴場や思いと⼀致するものです。
具体的な取り組み:
質間 1 、質問 2 の回答の内容の実践になります。また、⽇本政府が、この憲章に賛同・署名することを求めていきます。
◆中道改⾰連合
① 賛同する
全ての⼈の尊厳が守られ、持続可能な活動ができる環境を整えるために、あらゆる差別、ハラスメントを禁⽌し、独⽴した⼈権救済機関を創設します。さらに、⽂化芸術・芸能に携わる皆さまからのお声をいただきながら、我が国の⽂化芸術を⼤きく発展させるため、⽂化芸術政策を進めていきます。
◆れいわ新選組
① 賛同する
質問 1 でも答えたように、フリーランス保護法における契約の透明性の向上など、労働搾取の問題への取り組みは依然として重要です。欧州では、政府の公募への応募資格要件として、適正な⽀払い(フェア・ペイ)を設ける国もあります。
また、フリーランスの社会保険適⽤の在り⽅も含めた勤労者皆保険の構築など、働き⽅に中⽴な社会保険制度についても検討が必要です。フリーランス協会の調査によれば、働き⽅の違いに関わらずセーフティネットが提供される必要性を感じているフリーランスは 9 割を超えています。
そして、⽂化芸術に従事する⼈々の声を国会に届けるため、れいわ新選組では、アート芸術分野の当事者として活躍している現役の声優や漫画家を、候補者として擁⽴してきました。
それは実際の業界の現状をもっともよく知る当事者だと考えたからです。
◆社会⺠主党
① 賛同する
⽂化芸術に関わる⼈々が直⾯する不公平な労働環境や報酬格差といった課題を改善することは急務。具体的な取り組みについては検討中です。
第51回衆議院議員総選挙にあたっての公開質問状
私たち労働組合「プレカリアートユニオン」は、雇用形態や職種を問わず、誰でも、ひとりでも加入できる労働組合です。
不安定就労や個人請負、フリーランスといった形態のもとで働く人々が増え続けるなか、私たちは当事者の声を基点に、労働環境の改善と権利の確立を求めて活動してきました。
当組合には、文化芸術・芸能分野に従事する組合員も数多く在籍しており、現代美術家自身によって日本で初めて結成された労働組合「アーティスツ・ユニオン(Artists’ Union Japan/AUJ)」は、プレカリアートユニオンのアーティスト支部として、芸術家の労働問題に取り組んでいます。
制作・発表・研究・教育などを担う芸術家は、社会にとって不可欠な文化的基盤を支える存在である一方、その多くが重層的な下請け構造の最下層に置かれ、報酬の不透明さ、契約の不在、長時間労働やハラスメントなど、深刻な問題に直面しています。
日本政府は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の「芸術家の地位に関する勧告」を批准しているものの、その理念は十分に制度化されておらず、芸術家を「労働者」として捉える視点は依然として弱いままです。近年、国際的には、芸術文化分野における公正な報酬、透明な契約、持続可能な活動環境を保障するための基準整備が急速に進んでいますが、日本はその流れから大きく立ち遅れています。
こうした状況を踏まえ、私たちは第51回衆議院選挙にあたり、文化芸術分野における労働と権利の問題について、各政党の明確な立場と具体的な政策を有権者が知るための材料とするべく、公開質問状をお送りすることといたしました。
お忙しいところ誠に恐れ入りますが、2026年2月5日(木)までにご回答をお寄せください。
なお、ご回答内容は、当団体の機関誌、ウェブサイト、SNS等を通じて公開し、広く社会に共有いたします。
[質問1]
日本政府は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の「芸術家の地位に関する勧告」を批准しているものの、社会での認知や法的な整備は未だ不十分です。その結果、文化芸術や芸能に従事する人々は重層的な下請け構造の最下層に位置し、報酬や活動環境が劣悪であることが指摘されています。芸術家の権利向上や文化芸術分野に関して予定している取り組みついて、具体的にお聞かせください。
[質問2]
2025年11月施行のフリーランス新法に関連し、文化芸術分野においても一定の報酬基準を明確化するべきであるという動きが近年高まって来ています。芸術家の報酬ガイドラインは、イギリス、フランス、カナダを始めとする欧米各国で整備されているだけでなく、韓国においても導入への動きが加速しています。日本における芸術家の報酬ガイドラインを整備することが必要だと考えます。この考えに賛成ですか。下記より選択し、その理由をお聞かせください。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①はい
②いいえ
③わからない
④その他( )
[質問3]
令和7年度の文化庁の概算要求は1400億円、と前年度比で31.8%増加しているものの、一般会計総額に占める割合はおよそ0.1%前後に留まっています。これは先進諸国の中では圧倒的に低い水準となっており、文化芸術に従事する人々の活動を圧迫する遠因とも考えられています。日本の国家予算における文化予算の割合はどのくらいが望ましいですか?その理由と、それを達成するための具体的な政策をお聞かせください。
目標値( %)
目標達成のための具体的な政策をお書きください:
[質問4]
2022年、UNESCOにより「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter)」が制定されました。本憲章は、文化芸術分野における持続可能な活動環境の整備、公正な報酬・契約、ハラスメント防止、透明性の確保などを柱とする国際的な指針です。日本においても、文化芸術に関わる複数の団体が本憲章に署名し、その理念の実現を目指す動きが広がっています。
貴党は、このUNESCOフェアカルチャー憲章の理念に賛同しますか。下記より選択のうえ、その理由をお聞かせください。また、賛同する場合、同憲章の理念を日本の文化芸術政策に反映させるため、どのような具体的取り組みを行っていくお考えか、お聞かせください。
① 賛同する
② 賛同しない
③ 現時点では判断できない
④ その他( )
理由をお書きください:
具体的な取り組みをお書きください:
以上、ご回答をお願いいたします。回答は、下記【回答送付先】まで、FAX、メール、郵送いずれかの方法にて、お送りください。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いします。
youtu.be
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【労働相談は】
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