プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

ブックレビュー

偏見、差別・貧困と闘いバレーダンサーに。スト中の炭鉱で、労働者の琴線に触れる物語。『リトルダンサー』(スティーヴン・ダルドリー監督/2000年/イギリス)

偏見、差別・貧困と闘いバレーダンサーに。スト中の炭鉱で、労働者の琴線に触れる物語 『リトルダンサー』(スティーヴン・ダルドリー監督/2000年/イギリス) 『リトルダンサー(原題:Billy Elliot)』は2000年に公開されたイギリスの映画です。…

子育て論だが、大人自身が顧みたい。『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(太田啓子著/大月書店)

子育て論だが、大人自身が顧みたい 『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(太田啓子著/大月書店) みなさんは、ジェンダーバイアスという言葉を聞いたことがありますか。男女の役割に関する固定的な観念や、それに基づく差…

社会や地域と連帯して共感を集めるストを。『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』(今野晴貴著/集英社新書)

社会や地域と連帯して共感を集めるストを 『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』(今野晴貴著/集英社新書) 労働組合の争議行為の中で、最も代表的なストライキですが、最近日本ではほとんど見られなくなってしまいました。『ストライキ2.0 ブラック企…

映画『アリ地獄天国』を観て 3年間闘い続けて逞しくなった主人公。ユニオンの活動伝え労働者に勇気を与える

プレカリアートユニオンが取り組んだ引越会社との労働争議を記録したドキュメンタリー映画『アリ地獄天国』が、東京・渋谷のユーロスペースを皮切りに、11月1日から東京・田端のシネマ・チュプキ・タバタにて上映されています。11月21日からは、横浜…

『アリ地獄天国』都内でも上映開始! 生きるため、前に進むための後押しする映画

『アリ地獄天国』都内でも上映開始!生きるため、前に進むための後押しする映画 プレカリアートユニオンが取り組んだ引越会社との労働争議を記録したドキュメンタリー映画『アリ地獄天国』が、10月24日から東京・渋谷のユーロスペースで、11月1日から…

炭鉱閉鎖が迫る町で、音楽を愛した炭鉱夫たち。『ブラス!』(マーク・ハーマン監督/イギリス/1996年)

炭鉱閉鎖が迫る町で、音楽を愛した炭鉱夫たち 『ブラス!』(マーク・ハーマン監督/イギリス/1996年) 映画「ブラス!」は、マークハーマン監督による1996年製作のアメリカ・イギリス映画です。1980年代、イギリスではサッチャー政権による炭…

長時間労働と睡眠不足が命を奪う。『過労死 その仕事、命より大切ですか』(牧内昇平著/ポプラ社)

長時間労働と睡眠不足が命を奪う。 『過労死 その仕事、命より大切ですか』(牧内昇平著/ポプラ社) 過労死という言葉は、2000年代初頭には、海を越えて「karoshi」という英語まで生み出すに至りました。働き方改革により、残業時間の規制が強化され過…

実態ない概念のねつ造を丹念に解き明かす。『「在日特権」の虚構 増補版 ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』(野間易通著/河出書房新社)

実態ない概念のねつ造を丹念に解き明かす『「在日特権」の虚構 増補版 ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』(野間易通著/河出書房新社) 皆さんは、「在日特権」という言葉を聞いたことがありますか。愛国者を語る差別的な集団などが特定の在日外国人…

米史上最大の公害訴訟組織したシングルマザー。映画『エリン・ブルコビッチ』

映画『エリン・ブルコビッチ』(スティーブン・ソダーバーグ監督/アメリカ/2000年) movies.yahoo.co.jp この映画は、環境運動家のエリン・ブロコビッチ氏が闘ったPG&E社による環境汚染問題をモチーフにした、実話に基づいた作品です。主演はジュ…

弁護士による退職代行サービスの限界。労働組合なら職場を変えることもできる

『退職代行』(小澤亜季子著/SB新書) www.sbcr.jp 皆さんは、退職代行という言葉をご存じでしょうか。読んで字のごとく、「退職」を「代行」するサービスです。近年この退職代行へのニーズが高まっているというのです。労働基準法では、その最も重い罰則…

移民の清掃労働者が糧と尊厳を求め立ち上がる。映画『ブレッド&ローズ』

『ブレッド&ローズ』は2000年イギリス製作の映画です。以前もこのコーナーで取り上げた『家族を想うとき』の監督でもある、社会派の巨匠ケン・ローチ監督による初のアメリカ撮影作品です。移民労働者の貧困と差別、そして、労働組合と企業の闘いを描い…

非雇用で働く労働者の仲間として。『地下アイドルの法律相談』(深井剛志・姫乃たま・西島大介著/日本加除出版)

「地下アイドル×法律」一見すると「???」となってしまいそうですが、インディーズアイドル界では、当事者の無知につけ込んだ様々な搾取の構造が存在しています。「地下アイドルの法律相談」は旬報法律事務所の深井剛志弁護士、ライターで元地下アイドルの…

無意識に差別をしないための知識を。『LGBTとハラスメント』(神谷悠一、松岡宗嗣著/集英社新書)

いわゆる「パワハラ防止法」が、今年6月から大企業や自治体などで施行され、パワハラの防止対策を講ずることが義務づけられました。このパワハラのなかに、「SOGIハラ」や「アウティング」といった主にセクシャルマイノリティに対する偏見から生じるハ…

男性正社員の既得権守る労働組合がセクハラに加担。映画『スタンドアップ』(ニキ・カーロ監督/2005年/アメリカ)

「スタンドアップ(原題NorthCountry)」は、ニキ・カーロ監督による2005年アメリカ製作の映画です。1988年に行われた世界初のセクハラ訴訟を元にした作品で、主人公はシャーリーズ・セロン演じるジョージー・エイムズ、炭鉱で働くシングルマザーで…

プレカリアートの胸のうち表現する啄木。『啄木短歌に時代を読む』(近藤典彦著/吉川弘文館)

プレカリアートの胸のうち表現する啄木。『啄木短歌に時代を読む』(近藤典彦著/吉川弘文館) 石川啄木は、「時代閉塞の現状」と闘いました。彼の詩は没後も日本中で広く親しまれてきました。その後、1970年代から若者の啄木離れが進み、バブル期にそれ…

ユニオンをレッテル張りしながら会社に違法行為を勧めるトンデモな内容。『ブラックユニオン』(新田龍著/青林堂)

ユニオンをレッテル張りしながら会社に違法行為を勧めるトンデモな内容。『ブラックユニオン』(新田龍著/青林堂) 「ブラックユニオン」は青林堂から2019年に刊行された、新田龍氏による著作です。本書は、「ブラック企業」と化してしまいがちな会社を…

職場を作り出す取り組みも提言。『棄民世代 政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす』(藤田孝典著/SBクリエイティブ)レビュー

「就職氷河期世代」には、およそ1971年~84年生まれで、団塊ジュニア世代、ポスト団塊ジュニア世代が該当するといわれています。バブル崩壊後の社会情勢の影響により、就職において極めて困難な状況であった世代を指します。氷河期世代は、その後も雇…

労働組合で尊厳を取り戻し「ネトウヨ」化回避を。『プレカリアート 不平等社会が生み出す危険な階級』(ガイ・スタンディング著/法律文化社)レビュー

プレカリアートという言葉は、1980年代フランスの社会学者たちによって一時雇用の労働者を指して用いられた言葉ですが、現代ではその中に様々な意味を含むものとして用いられています。『プレカリアート 不平等社会が生み出す危険な階級』の著者ガイ・ス…

炭鉱労働者と家族の熾烈な闘い。『アメリカン・ジャスティス』(2002年/トニー・ビル監督)

『アメリカン・ジャスティス』(2000年/トニー・ビル監督) 炭鉱夫たちが、労働組合の旗の下安全衛生の確保と労働条件の向上を掲げ、人を人として扱わない使用者の搾取に立ち向かう。「アメリカンジャスティス」は2000年アメリカ製作の映画です。監督ト…

真の敵はウイルスではなく差別と貧困。『UNITED IN ANGER ACT UPの歴史』(2012年/ジム・ハバード監督)

『UNITED IN ANGER ACT UPの歴史』(2012年/ジム・ハバード監督) 現在、新型コロナウイルスの猛威は、世界中を巻き込み、日本にも深刻な影響を及ぼしています。ウイルスとの闘いは激しさを増していますが、真っ先に深刻な影響を受けるのは低賃金で働く労働…

労働者は無関心なのではない!組織化のための体系的指南書。『職場を変える秘密のレシピ47』(アレクサンドラ・ブラッドベリー、マーク・ブレナー、ジェーン・スロータ著/菅俊治、山崎精一監訳/日本労働弁護団)

『職場を変える秘密のレシピ47』(アレクサンドラ・ブラッドベリー、マーク・ブレナー、ジェーン・スロータ著/菅俊治、山崎精一監訳/日本労働弁護団) roudou-bengodan.org 「職場を変える秘密のレシピ47」はアメリカ労働運動の活動家が集う「レイバー…

「学び続け成長し続ける」組織になるために。『チームが機能するとはどういうことか』(エイミー・C・エドモンドソン/英治出版)

『チームが機能するとはどういうことか』(エイミー・C・エドモンドソン/英治出版) www.eijipress.co.jp 心理的安全性という言葉を、皆さんは聞いたことがありますか。「チームが機能するとはどういうことか」は、エイミー・C・エドモンドソンによる、「…

構造化された差別と毅然と闘う。映画『非正規に尊厳を!メトロレディーブルース総集編』(ビデオプレス制作)

映画『非正規に尊厳を!メトロレディーブルース総集編』(ビデオプレス制作) metrolady.jimdofree.com 東京東部労組メトロコマース支部の闘いは、日本中の注目を集めています。全く同じ仕事をしているにも関わらず、正規非正規間の待遇は全く異なります。不…

コロナ後、ますますあらわになった日本の末路。『令和日本の敗戦 虚構の経済と蹂躙の政治を暴く』(田崎基著/ちくま新書)

『令和日本の敗戦 虚構の経済と蹂躙の政治を暴く』(田崎基著/ちくま新書) www.chikumashobo.co.jp アベノミクスをインパール作戦に例え、このままでは日本は再び戦後の焼け野原に戻ってしまうと強く読者に訴える『令和日本の敗戦』(田崎基著/ちくま新書…

命の峻別に対抗する。『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(稲葉剛著/朝日新聞出版)

『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(稲葉剛著/朝日新聞出版) publications.asahi.com 日本社会の格差は広がり続け、貧困はいつ誰が陥ってもおかしくない問題となっています。今回は『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧…

世界では当たり前の「コンプライアンス活動」が「工事現場での圧力」に。 『労働組合やめろって警察に言われたんだけどそれってどうなの?』(連帯ユニオン編著/旬報社)

『労働組合やめろって警察に言われたんだけどそれってどうなの?』(連帯ユニオン編著/旬報社) www.junposha.com のべ89名の逮捕、71名の起訴、関生支部は嵐のような刑事弾圧に晒されています。社会の安全や秩序を守るべき警察が、法律を無視し労働組…

「物言う労働者」だった未婚の母が労働組合を作る。映画『ノーマ・レイ』(マーティン・リット監督)レビュー

ノーマ・レイは1979年公開された、社会派マーティン・リット監督による映画です。本作でアカデミー賞やカンヌ映画祭主演女優賞を受賞した主演のサリー・フィールドが演じる「ノーマ・レイ」は、紡績工場で働く子持ちの女工。ある日、彼女の働く工場に組…

こじれさせないことが大事。「対策」だけでなく労使のあるべき姿に踏み込めればより有意義だった。『会社は合同労組・ユニオンとこう闘え!』(向井蘭著/日本法令)レビュー

タイトルからお分かりのように、経営者に向けた合同労組対策の本です。著者は、ハラスメント対策の本同様、特に使用者側の労働事件を数多く取り扱う向井蘭弁護士です。なぜ労働組合がこの本のレビューをとも思えますが、経営側の弁護士が私たち労働組合をど…

社長や管理職はせめてこれを読んでほしい。『管理職のための ハラスメント予防&対応ブック』(向井蘭著/ダイヤモンド社)レビュー

私たち労働組合には、日々仕事の上での様々なトラブルに関する相談が寄せられますが、その中でも特に多いのが、パワハラ・セクハラといった職場でのハラスメントの問題です。本書は、主に管理職に向けて、どんな時、どんな条件下でハラスメントは発生してし…

大量解雇に抗してパート労働者がスーパーを占拠。生活と誇りを守るために闘った女性たちの姿を描く。『明日へ』(プ・ジヨン監督)レビュー

『明日へ』(プ・ジヨン監督)https://eiga.com/movie/82754/ 『明日へ(原題:カート)』は、2014年、韓国で公開、実話に基づいた映画です。本国での大ヒットを受けて、日本でも翌2015年に上映されました。物語は急遽行われた大手スーパーでの大量…