プレカリアートユニオンブログ

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東京藝術大学にアーツ前橋の契約不履行事案にかかる再発防止を求める意見書を送付

東京藝術大学にアーツ前橋の契約不履行事案にかかる再発防止を求める意見書を送付しました。


2023年6月21日

東京藝術大学長 日比野克彦
 
プレカリアートユニオン
執行委員長 清水直子
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アーツ前橋の契約不履行事案にかかる再発防止を求める意見書
 
 
 群馬県前橋市の美術館「アーツ前橋」で2019年に開催された山本高之氏の企画展「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX 未来を考えるための教室」(2019年7月19日―9月16日)をめぐり、アーツ前橋側が記録集の発行を一方的に中止し、作家への業務委託料の一部が未払いになっていた件で、当時のアーツ前橋館長(現・東京藝術大学教員)が契約不履行に関わったことについて、再発防止とともに、山本氏の名誉回復に努めることを、貴学に求めます。

 本件に関して、山本氏は契約不履行を認めた前橋市和解契約を締結していますが、アーティスツ・ユニオン(プレカリアートユニオンアーティスト支部)[※1]はこれによって問題が解決されたとは捉えていません。和解の過程で山本氏が要求した前橋市による再調査の結果は、開示資料として公開されています。この資料には、前館長が主導し、前橋市に対して虚偽の報告を行ったことが記されています。過日、一般公開された山本龍前橋市長の謝罪文[※2]にも、前館長が重要な証拠を提出せず、公文書の中で事実とは異なる経過説明を行ったことが明文化されています。

 アーティスツ・ユニオンは、本件を、美術業界に関わる誰しもが尊重される平等で公平な労働環境の実現をはばむものとして、非常に深刻な出来事であると認識しています。ゆえに、美術に関わるすべての人が本件の深刻さを受けとめ、美術館館長および学芸員の倫理をともに再確認し、再発防止に取り組むべきだと考えます。

 なかでも、芸術家や芸術に携わる専門家の育成に関わる唯一の国立芸術総合大学である貴学には、本件に関して、とくに日付の改ざんを含む虚偽報告により記録集刊行の未実施をアーティストの責任としたことの深刻さを認識し、前館長の貴学への職場復帰に際しても、大学として公に説明する社会的責任があると考えます。

 アーティスツ・ユニオンでは、このようなことが二度と看過されないよう、様々な取り組みを実施する計画です。これとともに、これまで芸術家や芸術に携わる多くの専門家の育成を担い、国際的な信頼を築いてきた貴学が率先して、再発防止に取り組むことを強く求めます。

 こうして広く問題を共有し、改善に向けて各機関が連携し、ともに努力していくことが、美術に関わるすべての人の権利を尊重すること、そして、よりよい労働環境の実現につながると、アーティスツ・ユニオンは信じています。


※1 アーティスツ・ユニオン(http://artistsunion.jp/)はプレカリアートユニオンの支部として組織されています

※2 「山本高之氏とアーツ前橋のビヨンド20XX 未来を考えるための教室」展に係る記録集未発行について(お詫び)」(2023年3月31日公開)
https://www.artsmaebashi.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/b0ff228b158d994e149fd5b6e318edff.pdf

 

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