プレカリアートユニオンブログ

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田口運送グループユニオンコラム「ちょっと聞いてよ」その35「トラック野郎 逝く」

田口運送グループユニオンコラム「ちょっと聞いてよ」その35「トラック野郎 逝く」

 それは突然訪れた。ラジオのニュースが「俳優の菅原文太さんが亡くなりました」と告げた。思わず、「あーっ」という声が出てうなだれてしまった。
 トラックドライバーの未来を危惧し、われわれの組合に、またトラックドライバーの過酷な業務に理解を示し、様々な提案をしてくれて応援してくれていた尊敬するある新聞記者の方から、「菅原文太さんと愛川欣也さんを呼んでイベント開いて語ってもらうのはどうだろうか?」と素晴らしいアイデアをいただいていたが、それは叶わないものとなった。
 映画「仁義なき戦い」や「トラック野郎」などは、社会に一大旋風を巻き起こした。映画「トラック野郎」いや、役名である「星 桃次郎」に憧れてドライバーになったという人は少なくないだろう。強烈なトラックのデコレーションやその出で立ち、言動に自身を投影させて、トラックのハンドルを握った方も少なくないと思う。
 報道で知ったが、近年は俳優業を引退し、無農薬の農業や反戦脱原発の活動をされていたようだ。先日の沖縄の県知事選にも翁長(おなが)さんの応援にかけつけているようだった。その、理不尽と闘う姿は俳優をやめたとしてもやはりかっこよかった。
 現在、トラックドライバーの仕事は大きく様変わりし、デコレーションを施しているトラックなどは皆無、業務内容においては死人が出るほどの長時間労働やその長時間労働に見合った残業代は支払われず、挙句の果てには商品事故の高額弁償金の給与天引き、勝手な給料カットなど一方的に理不尽な状況をわれわれは会社側から押し付けられ、苦しめられている。
 桃さん(菅原文太は星桃次郎という役名だった)なら、当然こうした生活を破壊しようとする理不尽と闘っているはずだ。納得してないはずだ。私たちはそれぞれ会社が違ったり、運ぶ荷物が違ってもハンドルを握って仕事をする仲間で、労働組合に入って立ち上がり、みんなで闘っている。
 多くのトラックドライバーは、この理不尽に対して物も言わずに我慢をして、奴隷のようにおびえ、闘わず開き直っている。
 桃さんにお会いして今の現状を聞いてもらいたかった。天国にいる菅原文太様、いや「星 桃次郎こと桃さん」に全国のトラックドライバーに気合いを入れてもらいたかった。影響力のあるあなたに力を貸してもらいたかった。残念でなりません。最後まで理不尽と闘った尊敬する菅原文太様ゆっくりお休みください。 合掌


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