プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

【組合員の手記】車椅子ユーザーの不自由さに気付いて

コラムニストで自分と同じ車椅子ユーザーの伊是名夏子さんが受けた駅での乗車拒否についてまず一言、この令和3年の時代にありえない対応です。人がいる駅でしたらなおさらです。せめて、駅入口に階段しかないこと、車椅子の乗客に対して上下できる設備がないなどの説明書きなどは、必要だと強く思います。

■人に迷惑をかけてしまうという気持ち
中野駅エスカレーターしかありません。車椅子ユーザーの自分一人のためにエスカレーターを止めてもらうのも申し訳なく、気を使います。階段で使われる車椅子用の大きな箱での移動も大変そうで、駅員さんに毎回申し訳ありませんと思ってしまいます。なので、バリアフリーの設備やエレベーターをもっと広げていただきたいです。無人の駅や階段しかない駅など、地方で初めて行く駅だと一人で駅を降りることに抵抗があります。人に迷惑をかけてしまうという気持ちからです。
通常、歩道は雨が流れやすいように実は、勾配がついています。高齢者や力の弱い方々にとっては、歩道を進むことすらとても大変です。僕は、半身麻痺ですので、片手で進むのが困難だと感じます。坂道は、スロープで後ろ向きでしか登れない場合も多く、もっと勾配に配慮を行っていただけるとありがたいです。(手すりを握って勾配を上がる場所などでは、今はウィルスが手に付着する心配があり、使い捨てのゴム手袋や消毒液が欠かせません) 一度しゃがんで、あらためて歩道を見てみてください。勾配があることがわかるはずです。

■車椅子になって初めて知った不便さ
僕は、45歳から今後は一生車椅子生活と決まりました。もし乗車を拒否されたら、車椅子ユーザーの私たちが悪いのか?と感じます。車椅子を見かけたら、ちょっと見て、すぐ目をそむける方も多いです。見るとかわいそうだと思っているのでしょう。健常者の時に僕は、車椅子の方々の苦労を知りませんでしたし、知ろうともしませんでした。僕は今、よく不便を感じます。車椅子に乗った途端、他の人が見て見ないふりをする方々が多いことに気が付きました。

■せめて健常者と同じサービスを受けたい
僕は飲食店で、障害者の入店はお断りしますと追い出されたこともあります。男性専用・女性専用などお店が決めることは自由だと思います。ですが、僕の場合は、何の説明もなく追い出され、ひとことも理由を知らされませんでした。(お店の中にいた他のお客さんは、それを聞いていて驚いている様子でした)
特別扱いをしてくださいとは思いませんが、せめて健常者の方と同じサービスは、受けたいです。駅構内が階段だけの場所は、エレベーターやエスカレーター、もしくは手すりで階段を上がれる箱型タイプものを設置してほしいと思います。もちろん、優しく「大丈夫ですか?」「同じ方向ですから」と声をかけていただき、勾配や歩道でもお手伝いしていただける親切な方々も多いとも感じます。とても感謝しています。不自由なことに気付き、車椅子を押してもらえると本当に嬉しいです。ありがとうございます。

北川 龍一(組合員)

blog.livedoor.jp