プレカリアートユニオンブログ

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ラオックスで4万円の違法な賃下げ 労働条件を巡り交渉中

ラオックスで4万円の違法な賃下げ 労働条件を巡り交渉中

 ラオックス株式会社では、去年の8月に従業員に対し、見なし残業代制度を廃止することを伝え、基本給の一部に見なし残業代相当が含まれているとして、従業員の賃金を一方的に約4万円程度引き下げるという、違法な賃下げが行われました。私たちプレカリアートユニオンはこの違法な賃下げを交渉によってはね返し、これまでに順調にラオックスで働く組合員の数を増やしてきました。

■合意のない不利益変更は違法
 交渉を通じて再三にわたり、合意のない不利益変更は違法であることを伝え、これを根拠に賃下げを撤回してきたのですが、会社もこのままではまずいと思ったのか、新たな策を講じてきました。新賃金制度を導入するどさくさに紛れて、後出しで賃下げの合意を取ってしまおうというのです。

■特別手当で騙して強引に合意形成
 「売り上げが厳しかったために賃金を4万円下げましたが、皆さんの生活に配慮して特別手当(月1万円程度)を支給することにしました」
 会社は、大まかにいうとこのような説明をし、個別にサインを書かせています。しかし、実はこの合意書は4万円の賃金が下がったことに同意することを前提に、手当を支給するというものです。すでに多くの従業員がサインをさせられてしまっています。しかも、手当は評価に連動し、すぐにゼロにすることもできる水物です。

■役職者は責任を取らず
 売り上げの多くをインバウンド消費に頼るラオックスの経営にとって、確かにコロナ渦での1年間は相当に厳しいものであったことでしょう。しかし、団体交渉では経営陣各々どの程度の金額の責任を取ったかも明かさず、挙げ句の果てには従業員の賃金を下げた一方で、一時的に凍結していた管理職層への手当を復活させたことまで明らかになったのです。
 責任を取るべきものが責任を取らず、一般従業員の賃金を大幅に下げることなど許されません。これからもラオックスで働く組合員とともに不合理をはね返すべく闘っていきます。また、合意書にサインした場合であっても、合意はサインした日にちより有効なので不当に切り下げられた過去分の請求は可能です。このことを訴え、組織化も引き続き行っていきたいと思います。
 稲葉一良(書記長)

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