プレカリアートユニオンブログ

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【組合員の手記&組合員紹介】3年前から組合活動に参加し、専従に。ASD(自閉スペクトラム症)傾向に気づき、互いの理解を深めるため話し合い重ねた  郡山喜行さん(会計)

【組合員の手記&組合員紹介】3年前から組合活動に参加し、専従に。ASD(自閉スペクトラム症)傾向に気づき、互いの理解を深めるため話し合い重ねた 
郡山喜行さん(会計)


 自己紹介を書くのは約2年ぶりとなります。プレカリアートユニオン専従で会計を担当している郡山喜行です。いつもは編集後記で最近のことや読んだ本のことなどを書いていますが、今回改めて、組合に入ってから今日までのことを書こうと思います。
■組合加入のきっかけは無期転換逃れ
 私が組合に加入するきっかけは、高校からの友人である(書記長の)稲葉さんが、当時派遣で働いていた私に対し、派遣会社が無期転換逃れをしてくるはずだから、その時には電話をするように、と言ったことです。
 無期転換の時期に、それっぽいことを上司に言われたため、一応電話しておくかという軽い気持ちで電話をしたら、一刻も早く事務所に来いということになりました。組合事務所で説明を受けたときに私は、加入を迷っていました。
 当時の心境としては、思ったより大事になってるし、ボランティアや助け合いの精神が理解できなかったのと、仕事休めてラッキー、とか思っていたのですぐ仕事復帰とか思っていませんでした。
 けど稲葉さんがやたら真剣に説得してくる(私の主観ですが)ので、まあそれなら入ってみるかと気軽に入りました。その際、証拠の録音を取ってくるよう言われたので、レコーダーを購入し、それを仕事の時には常に録音状態にして、上司に「無期転換の件でよく分からない部分があるので、もう一度お話したいのです」と罠を張りました。事前にこの証言を聞き出せばよいというアドバイスをもらっていたので、何も分かってない振りをして細かく証言が出るよう私なりに誘導して話しました。
■団体交渉で証拠の音声を突きつける
 その後、組合加入通告を派遣会社に送ったら、上司から呼び出しを受け、組合から抜けた方が君のためだから、自分から組合を抜けるよう言いなさい、というニュアンスのことを言われました。今ならこれが真正面からの不当労働行為であることが分かるのですが(しかも録音を取っていたので証拠にもなる)、当時は何かとんでもないところに加入してしまったのかと不安な気持ちでいっぱいになりました。
 しかしいざ団体交渉の場に出てみると、事前の打ち合わせの通りに相手は無期転換逃れなどしていないと白を切ってきたので、録音した音声を聞かせました。そこからはもう相手は言い逃れ不可能と察して諦めの失笑をしてました。その後、事務折衝ですぐ解決をし、退職和解となりました。
■半専従としての日々
 2021年、和解後に、稲葉さんと(委員長の)清水さんから次の職場が決まってないのなら、とりあえず今でいうところの半専従として組合活動してみないかと誘われました。その頃、ちょうど事務作業全般を任せられていた専従のNさんが専従を辞めるタイミングで、人を探していたところだったのです。
 組合は、組合の機密を漏らさない人で、精神的にもやられていなく、仕事をやっていない人材がほしい状況で、その条件に私がピッタリ当てはまりまして、説得に負けて組合活動をすることになりました。
 ボランティアというものが腑に落ちない私は、稲葉さんと電話でボランティアとは何ぞやということを2~3時間は解かれ、当時の私自身の感覚では無理やり理解させられてやっていた感じでした。それから9月に東京に引っ越すまで半専従として色々組合の勉強や街宣のやり方、注意、指揮の取り方など学んでいくうちに心にダメージを段々負っていきました。
■専従としての日々。ASD傾向に気づく
 東京に引っ越してきてから通勤時間が今まで2時間前後かかっていたのが30分もかからなくなり、本格的に専従として仕事を開始したのですが、私の感覚ではとても順調とは言えない状態でした。
 というのも、ある日の街宣の途中で、私についての、通常では考えられない行動や解釈を見て、稲葉さんが私はASD(自閉スペクトラム症、対人関係や社会的コミュニケーションの困難、特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さによる日常生活に困難を生じる発達障害の一つ)の傾向があると気が付いたからでした。
■専従どうしの真摯な話し合い
 私としては普通だと思っていた感覚や考え方が、ASD傾向の簡易チェックにことごとく当てはまっていました。
 それからは専従としての業務と勉強と並行して、私はどういう人間なのか、私と稲葉さんと清水さん、専従の3人で、何かトラブるたびに話し合いをして、3者の心の溝を埋めていくような作業(私の主観なので他の2人とは考えが違うかもしれません)を繰り返しました。
 細かいことは私自身あまり語りたくないので省略しますが、稲葉さんと清水さんには多大な負荷がかかっていたと思います。実際、組合の仕事が多忙になっていたのもありますが、2人も休まなければならない事態に何度か陥ったりしていました。
 私自身も3カ月休職しなければならない事態になってしまい、今でも休職前の様にはいかない状態です。
■より深い理解と組合の在り方
 しかし、振り返ってみるとこの2年、何も悪いことばかりではありませんでした。
 私という、清水さんや稲葉さんとは全く違う心の在り様の人物を理解しようと話し合ううちに、私は、自分自身はこういう人なのかというのを少しは理解できたし、清水さん、稲葉さんはより心の弱った組合員や、私のような現代の職場にいたら確実にパワハラにあうような人物の気持ちの理解やこういう時どうすればよいのかなどの理解が進みました(私の主観での考え方なので間違っていたらすいません)。
 最近では、組合に加入する人にはより注意深く、様々な傾向の人に合わせて、組合とは何かということを説明した上で納得して入ってもらうようしています。
 私は、どうしても駄目なものは駄目なので、得意なことを生かすよう今も試行錯誤しながら、より労働組合としての結束を高めていけるよう、これからも頑張れる範囲で頑張っていこうと思います。
 郡山喜行(会計)

 

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