【組合員の手記＆支部紹介】エンジン始動ヨシ！　安全確認ヨシ！　２０２４年春闘で、活動再開ヨシ！　梅木隆弘さん（田口運送・都流通商会支部書記長）

　２０２４年春闘要求で再始動した、伝説の「田口運送グループユニオン支部」(田口運送・都流通商会支部)です。
　未払い残業代問題については、２０１４年の横浜地方裁判所相模原支部(ワ)第６８２号の判決、２０１５年の労働協約締結をもつて完全大勝利しました。解決に至るまでには多くの弁護士様、社労士様、労働組合様、ユニオン様、マスコミ各社様、ジャーナリスト様、また多くの関係各所の方々の多大なるご支援、ご声援を頂き本当にありがとうございました。判決（要約して）「待機時間は労働時間」というきわめて当たり前のことが認められて、これが引き金となり多くの運送事業者の給料支払い形態に変化をもたらしたと思っています。
■未払い賃金請求訴訟和解から８年
　あの時から約８年が経過しました。今や社会情勢や労働環境が大きく大きく変わろうとしています。我々トラックドライバーも他人事ではありません。何年前か記憶が定かではありませんが、ドイツの海運会社に勤める古くからの友人に「イギリスやアメリカでトラックドライバーをやれば？　給料がおそろしく違うよ？」と言われて調べてもらったことがあります。
　その大きな違いにたいへん驚かされたことがあります。この時に上司に言われたことをまじめに時間をまもって働いていても生活はよくならずに衰退するだけだなと強く思いました。
　今年の大みそかから新年への番組でＮＨＫの「ゆく年くる年」でもトラックドライバーの２０２４年問題（労働時間規制等）が取り上げられるなか、私たちの職場もその渦にとりこまれてしまいました。この間、春闘の要求もせずに８年前の労働協約を維持するだけではこれだけの物価上昇に生活が維持できるはずがありません。給料が変わらないため実質の手取り給料が大きく減っていたのです。
　気がつけば、よく顔をあわせていた同僚がぽつぽつといなくなり、生活にゆとりがなくなっていました。８年間もの間、春闘要求をしないと会社側も組合との緊張状態も薄れていき、あらゆるところでゆるみが出て様々な問題が起こっていったのです。あわせて田口運送・都流通商会ともに代表取締役が変わったこともあり、どんどんゆるみが酷くなっていきました。
■パワーアップした組合で久しぶりの春闘要求
　常識では考えられない衛生環境やコロナウイルスへの感染対策不備、俺は雇われているから知ったこっちゃねえ等とのたまう管理職、問題を起こして退職した社員をわざわざ雇用する等、会社がどこを向いて仕事をしているのかわからないと大変多くの怒りの声が上がったのです。もう我慢ならないと昨年１０月に久しぶりに組合に電話を入れさせてもらい春闘の要求と共に団体交渉の申し入れを清水委員長とともにしました。
　これまでに３回の団体交渉を行いましたが（執筆時２０２４年１月８日)、２回目の団体交渉で会社側は終始不誠実極まりない対応を繰り返し、紛争、労働争議へと突入いたしました。連日のビラまきや街宣活動を行っている最中、新規組合員が組合加入するという素晴らしい追い風にますますの好気配を感じながら、全国ユニオンの（「フライデー・アクション」毎週金曜日に傘下の組合で行う争議行動）アクションに組み込んでいただき現在、会社は様々な要求についてやっと検討に入った次第です。
　解決まで、そして正常な労働環境維持まで我々は強く闘っていきます。全国のハンドルを握るドライバー、運転手の仲間にこの声が届くようにご協力ください。様々な現場、場所でお会いする皆さんどうかご安全に！
　かなりのご無沙汰で組合事務所を訪れました。８年前とはかなり景色が違っていました。
人数力・機動力・知識力・経験力・道具力そして解決力。大変驚きました。持てる力、できることなど、輪が非常に大きくなっていました。
　アップデートされた「プレカリアートユニオン」になっていました。まさに「プレカリアートユニオン２．０」です。各々のできることを少しずつ持ち寄り、大きな力に変えていく。あなたのまわりにいる、今、苦しんでいる人に声を届けていきましょう！
　梅木隆弘（田口運送・都流通商会支部書記長）