プレカリアートユニオンブログ

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LGBT成人式SHIZUOKA2024 「成りたい人になる」イベント、静岡県富士市で

LGBT成人式SHIZUOKA2024
「成りたい人になる」イベント、静岡県富士市

 1月30日、静岡県富士市でLGBT成人式SHIZUOKA2024(以下、LGBT成人式)を開催いたしました。
 このLGBT成人式は一般の成人式とは違い「成りたい人になる」というコンセプトのもとに開催しているもので、年齢、性別を問わず何回も参加できます。
 昨年は新型コロナの影響もあり、集合とリモートのハイブリット形での開催でしたが、今年は4年ぶりに集合型で、オードブルを囲みながら当事者やアライ(理解者)も含めてお互いに様々なことを語り合い、理解を深める貴重なひと時をすごしました。
 今年は少し趣を変えて、セレモニー的なところは残しつつも、参加者全員が主役という形で全員参加型の内容としました。
 このひと時のオアシスで新しい仲間、新しい自分を発見し、来年のLGBT成人式にまた再会できるような暖かい場所になればと考えております。
 私は今年も昨年に引き続き実行委員長を務めております。
 例年、プレカリアートユニオン静岡支部に協賛していただいておりますことを感謝申し上げます。
■テーマに込めた思い
 今回のLGBT成人式のテーマは「カラフルな個性の共生 多様性の花が開くとき」でした。誰もがひとりひとり違っていて当たり前。その個性を認め合う社会を目指していきたい。という願いを込めたものです。
 昨今、LGBT、多様性という言葉は社会で認知されるようになりました。しかし、私たち当事者はまだまだ誤解、偏見、差別にさらされていることもまた事実です。
 一例を挙げるとすれば、トランスジェンダーの権利についてのことになると、なぜか話題は更衣室や公共浴場などに話題が集中して本末転倒な議論になっています。議論する内容はそこだけではないはずです。しかし、上記の内容をSNSなどで匿名であおりたて、あたかもトランスジェンダーは性犯罪者予備軍のような意見まで出たのは、悲しいですがこれも現実です。これは完全なる差別、誤解です。
 私たちが加入しているプレカリアートユニオンでは、さまざまな労働問題で闘っている組合員さんたちがいます。私たちLGBT当事者もさまざまな差別、偏見、誤解と闘っているのです。
 決してLGBTは遠い世界の話ではありません。皆さんの職場にも、地域社会にもおられるのです。先にも述べた差別、偏見、誤解を恐れ多くの方が公表できないだけなのです。
そのようななか、勇気を出してLGBT成人式に参加された方、LGBTを胸に秘めて日々闘っている方、LGBT以外にもいろいろな問題と闘っている方、すべての方々に希望を持っていただきたい。自信を持って生きていただきたい。そう考えております。
 LGBT当事者も、当事者でない方も自分らしく生きられる社会、それが「カラフルな個性の共生 多様性の花が開くとき」であると考え、その願いをこのテーマに込めました。
■ディスカッションでは労働に関しても
 今年のLGBT成人式では参加者全員に疑問や聞きたいことを無記名で紙に書いてもらい、ディスカッションのコーナーで全員で輪になって座り、先の紙を進行役が読み上げ、内容に答えられる方が答えるというものです。
 質問の内容には労働にかかわるものも出てきました。主なものをあげさせていただくと、
1「知り合いからカミングアウト(自身がLGBTと打ち明ける)されました。どうしたらよいですか」
2「トランスジェンダーの人に対してどう接すればよいですか」
3「生まれたときの性別のスーツを強制される就職活動がつらい」
4「手術やホルモン治療をする場合、休暇が認められるでしょうか」
 皆さんはこれらの質問にどのように答えますでしょうか。
 今回のディスカッションでは、
1 まずは打ち明けてくれたことはその方はあなたを信用しているのですから「ありがとう」と答えて、どのように接してほしいかなどを、ほかの方に聞かれない場所できいてみて、お互いの理解を深めてください。
2 その方が呼んでほしい名前、扱ってほしい性別で接してください。
1、2ともにその方の許可なく他人に話したりしないようにしてください。
2、4に関しましては会社側の理解が必要ですので、LGBTの方が入社を希望することを前提とした勉強会などが必要である。
 このような意見が出ました。
 ディスカッションではこれ以外にも様々な意見や質問が飛び交い、時間が足りなくなるほどでした。
 しかし、LGBT成人式も終盤に近づくと、日々苦労して生きておられる当事者の方たちがみんな笑顔になり
「新しい仲間ができたよかった」
「次回も開催してほしい」
 という意見も聞かれ、われわれ実行委員もLGBTの理解促進のためにも次回につなげていきたいと思いました。
■誰もが自分らしく生きていけるために
 昨今はLGBT、多様性という言葉が社会的に認知されてきたことは非常にうれしいことだと私も当事者のひとりとして感じます。
 しかし、まだまだ正しい理解がされていないところもあり、それゆえに、少数者の権利を尊重するあまり、多数の人間が我慢を強いられているという誤解から生まれた主張が一部で叫ばれている悲しい現実が存在していることも事実です。
 われわれLGBT当事者も、そうでない方々も同じ社会を生きている社会の一員なのです。
 どちらかが排除される世の中では本末転倒です。
 最近は中高などの学校では生まれたときの性別とは違う性別の制服が選択可能になり、着実に時代は変革しています。学校現場だけでなく、労働の現場でも誰もが働きやすい環境になることを願ってやみません。
 当事者、アライの方でLGBT成人式に興味を持たれた方がいましたら、市川未享またはLGBT成人式SHIZUOKA実行委員会、あるいはプレカリアートユニオン静岡支部にご連絡いただければ幸いです。
 市川未享(プレカリアートユニオン静岡支部/組合員)

 

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