プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

2月2日、田口運送残業代請求訴訟、東京地裁で勝利和解! 都流通商会残業代請求訴訟も立川支部で勝利和解

 プレカリアートユニオンの組合員である大型トラックのドライバーが、田口運送株式会社に対して約700万円の残業代(その後請求を拡張)を請求していた裁判(2013年5月提訴、代理人は棗一郎弁護士、新村響子弁護士)で、2015年2月2日、東京地方裁判所で勝利和解を実現しました。

 田口運送に関しては、先行する残業代請求訴訟(原告は組合員のほか3人。2010年11月提訴。代理人は尾林芳匡弁護士、中村晋輔弁護士、石島淳弁護士、與那嶺慧理弁護士、白神優理子弁護士)、2014年4月24日に横浜地方裁判所相模原支部で、原告の主張を認め、「各種手当てによって時間外賃金を支払ったとはいえない」「待機時間も労働時間」と判断し、会社に対して約4300万円の支払いと、判決確定後に同額の付加金の支払いを命じる判決が出ていました。会社は控訴しました、2014年7月、東京高等裁判所で、相模原支部判決に沿った原告の勝利和解が実現しました。

 田口運送のグループ会社である都流通商会株式会社でも、同じ2月2日に勝利和解をすることができました。プレカリアートユニオンの組合員であるドライバーの梅木隆弘さんが、残業代など約350万円(その後請求を拡張)を請求していた裁判(2013年12月提訴、代理人は棗一郎弁護士、新村響子弁護士)でも、2月2日、東京地方裁判所立川支部にて、勝利和解を実現しました。

 都流通商会については、同じく梅木さんが、残業代など約485万円などを請求して、先に提訴(2012年9月提訴。代理人は萩尾健太弁護士)していた裁判も、現在和解協議中です。

 これまで獲得してきた成果を生かして、運送業界の長時間労働・残業代不払いの要因である、固定残業代制の悪用問題を解決するため、いっそう頑張っていきます!

【原告の声】
 2015年2月2日、田口運送に対して起こしていた残業代の請求訴訟で和解が成立しました。闘いを始めたのはもう5年も前になります。先行訴訟も含めて、やってきたことは、間違っていなかったと思います。やっぱり、働いた分は、賃金をもらうべきだと思うし、それをもらわないということは、将来の労働者にとってもいいことではありません。こういう小さな結果でもつかみ取っていかないと、将来の労働者に不利になると思います。和解ができたことで、会社に少しでも変わってほしいと願っています。同じような条件で働いている人はたくさんいるので、私もそういう人の手助けをしていきたいです。働くなかで、困ったときには支えになるところがあるともっと多くの人に知ってほしい。まずは友人や知識を持っている先輩に聞いてもいいでしょう。最終的には、いい解決をするためには、労働組合にたどり着くと思います。
■K(田口運送残業代請求訴訟原告)
 みなさん、仕事以外に、家族や恋人、友人と過ごしたり、趣味に没頭する時間を持てていますか。仕事のせいで、笑顔を失っていませんか。ぼくは、トラックドライバーとして働くなかで、長時間労働によって、労災で心筋梗塞を発症したとき、笑顔を失いました。入社前には長時間労働をしていたドライバーが、会社の事務所で倒れて冷たくなっていました。その人の奥さんは7人の子どもを抱えて、笑顔を失いました。長時間働き過ぎる、働いた分の賃金が支払われない、という問題を解決して、笑顔で働けるようにしましょう。
■梅木隆弘(都流通商会残業代請求訴訟原告)

https://www.youtube.com/watch?v=TxkJZ6e2lc0&feature=youtu.be