プレカリアートユニオンブログ

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『アリ地獄天国』都内でも上映開始! 生きるため、前に進むための後押しする映画

『アリ地獄天国』都内でも上映開始!
生きるため、前に進むための後押しする映画


プレカリアートユニオンが取り組んだ引越会社との労働争議を記録したドキュメンタリー映画『アリ地獄天国』が、10月24日から東京・渋谷のユーロスペースで、11月1日から東京・田端のシネマ・チュプキ・タバタにて上映されています。11月21日からは、横浜シネマリンにてアンコール上映も開始。その他の上映会場は、公式サイトでご確認ください。

www.ari2591059.com

 アリさんマークの引越社を巡る労働争議は、会社の異常な体質が観客の目を惹く。しかし、それらの刺激的な快楽以外に、当該野村さん、プレカリアートユニオンの組合員と土屋監督の感情の一致によって、映画になりえるドラマへと昇華した。
 社会はさまざまな悪と包含している。ドイツ人哲学者シュリングは世の中には2種類の悪があると言う。秩序を乱す破壊の悪と、完全なる秩序。一見正しいことのように見える「秩序」にも、構造に宿る悪が存在する。日本は民主化しても基本的に君主制であり、極端に秩序を乱すことを嫌う。様々な言葉の言い換えを駆使し、為政者は自分たちにとって都合の良い抑圧的なルールを作り、その枠の中で生きることが善だと子どもの頃から教え込む。アリさんマークの副社長が懲罰的な不利益変更について「会社の秩序を守るため」と答えていたのが印象的だった。彼にとっては秩序を乱す者に対して与えられる当然の報いと真剣に考えていたのだろう。しかし、裁判官が「もし、あなたが行けと言われたらどう思いますか」と問うと絶句する。バランス感覚を失った為政者が、ひとりの人間に戻った瞬間である。
  人間はバランス感覚を失うと、簡単に善悪を見失ってしまう。そのバランスの乱れを補うのは第三者などの自己の外側にあるものだ。自分に染み付いて離れない行動原理や、一見穏やかな日常であっても、人間は生きるため時に危険を犯し、未踏の地へ踏み出さなければならない。この映画は生きるために一歩踏み出す者を肯定する人間賛歌でもある。
 Y(組合員)

 

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