プレカリアートユニオンブログ

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映画『アリ地獄天国』を観て 3年間闘い続けて逞しくなった主人公。ユニオンの活動伝え労働者に勇気を与える

プレカリアートユニオンが取り組んだ引越会社との労働争議を記録したドキュメンタリー映画『アリ地獄天国』が、東京・渋谷のユーロスペースを皮切りに、11月1日から東京・田端のシネマ・チュプキ・タバタにて上映されています。11月21日からは、横浜シネマリンにてアンコール上映も開始。その他の上映会場は、公式サイトでご確認ください。映画を観た組合員の感想をご紹介します。

 

映画『アリ地獄天国』を観て
3年間闘い続けて逞しくなった主人公
ユニオンの活動伝え労働者に勇気を与える

 最近は私も団体交渉に参加することもあるので、紛争の相手側の担当者を間近に見ることができるようになったが、この映画のまるで暴力団まがいの口ぶりの幹部連中にはたまげた。誰でもこれだけで、引越社が超ブラック企業であると認識するだろう。
 案の定、当該の西村氏に対して次から次へと彼の人格を否定するかのような処置が下される。でっち上げの懲戒解雇の理由を罪状ペーパーとして全国の支店に張り出すという段にいたっては、こんな会社もっと早く辞めるべきだったと私は正直思った。
 しかし彼は、わがプレカリアートユニオンの組合員となって3年も闘い続け、遂に和解という勝利を得るわけだが、最初は可哀そうな青年に見えていた彼が、ほかの組合員の支えもあって次第に逞しくなり、とうとう社前においてマイクを握って抗議するまでに成長したことは感動に値する。
 ところでこの映画は、ブラック企業と闘う労働者のドキュメンタリーである一方、ユニオンと呼ばれる個人加盟の労働組合の活動を具体的に映像で示したものであるといえる。東映のヤクザ映画を連想させるような経営陣に対し一歩も引かず、丁々発止とやりあう清水委員長は、これからこの映画を観るであろう理不尽な思いをしている労働者の大きな勇気となるであろう。
 ただこのドキュメンタリーは大きな課題も残した。一つは、引越社のなかから西村氏に続いて組合に加入した現役社員が一人もいなかったこと。
 もう一つは、自分の雇用問題が解決すると、ほっとして、積極的にアクションに参加しなくなる人が見られること。ある種自然なことではあるものの、組合の団結力をより強化するために工夫が必要と思われる。
 この二つは難しい問題ではあるが、是非とも組合員全員で解決してゆきたいものと感じている。
渡辺(組合員)

 

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