離職理由、未払い残業代問題について交渉していた運送会社と和解したＴさん（組合員）の自己紹介と解決報告

離職理由、未払い残業代問題について交渉していた
運送会社と和解したＴさん（組合員）の解決報告

　去年の１２月に加入し、すぐに問題が解決したＴです。私は、新卒で自動車の営業職に就き、その後２０代後半から５０代前半の現在まで、運送会社３社ほどで、トラックの運転に従事してきました。車が大好きなのです。子どものときから、トラックとバスが好きでしたが、１人で仕事をするのが性に合っていたので、バスの運転士ではなく、長距離トラックの運転をして、関東の荷物を関西に、関西の荷物を関東に運んできました。長距離トラックの運転では、睡眠時間は多くて４時間。エナジードリンクだよりの毎日でした。おかげで血糖値に問題ありと診断されて、通院することになりました（今も通院中です）。
　私は車が好きで運転が苦にならなかったので、最初の２社では、給料にあまり不満はもっていませんでした。今にして思えば残業代は払われていなかったのでしょう。最初の１社は、青果市場に野菜を持って行く仕事でしたが、極端な過積載が常だったので、危険で自分も罰せられる可能性があるため、長く続けない方がよいと思い、辞めました。２社目は、４トン車しか用意されず、大型トラックに乗りたかったので、辞めました。
　３社目に働いた運送会社のＩ社は、自由な社風でしたが、給料がどんぶり勘定で、多いどんぶり勘定ならよいのですが、少ないどんぶり勘定で、（長距離運送なのに額面３０万円を下回るなど）給料が元々安い上に、残業代が全く払われていませんでした。さらに、社会保険にも加入させてもらえませんでした。自由な社風に甘んじて、色々我慢しながら１７年も働いてしまいました。
　それがこのコロナ禍で、取引先の仕事が減り、１０年以上も前の仕事の失敗を口実に取引先から契約を解除すると言われ、Ｉ社から退職勧奨を受けました。１７年も働いてきて、都合が悪くなったら簡単に厄介払いのように辞めさせようとするのが許せませんでした。そうはいっても、長年働いていた会社と正面から争うつもりは最初はありませんでした。プレカリアートユニオンに加入する前に、自分で、離職理由を会社都合にしてくれれば退職に応じる、と伝えたところ、会社もいったんは了解していたのですが、後で翻し、私が自分から辞めたいと言ったのだということを言い出しました。
　会社都合と自己都合では、失業時に受け取る雇用保険の給付条件に大きく差がつくため、知人のつてをたどって、プレカリアートユニオンに相談しました。その知人は、プレカリアートユニオンの名前を出すだけで、運送会社はびっくりするらしいと言っていました。そういう都市伝説があるようです。
　プレカリアートユニオンに電話で相談したところ、委員長の清水さんが対応して、離職理由の問題だけでなく、むしろ不払いの残業代がたくさんあると説明をされました。加入して、交渉を申し入れたところ、１回の話し合いだけで、思ってもいなかったいい水準で解決することができました。経済的な安定を得て安心して転職活動もでき、今は知人の紹介で仕事をしています。
　今、職場で困難な目に遭っている方には、自分の置かれた状態を仕方ないものだと諦めないで、プレカリアートユニオンに相談してほしいです。労働組合は助け合いの場なので、私もできる範囲で、他の方たちの解決のために街宣活動に参加しています。
　映画やドラマを見るのが好きで、俳優では市川実日子が大好きです。車の話なら無限にできます。皆さんよろしくお願いします。