プレカリアートユニオンブログ

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元組合員宮城史門(前田史門)氏がプレカリアートユニオンに対し拠出金の返還を請求した訴訟で、プレカリアートユニオンが勝利しました 5月24日・東京地裁で

元組合員宮城史門(前田史門)氏がプレカリアートユニオンに対し拠出金の返還を請求した訴訟で、プレカリアートユニオンが勝利しました 5月24日・東京地裁

 2022年5月24日、東京地方裁判所が、元組合員の宮城史門(前田史門)氏が、プレカリアートユニオンに対して拠出金の返還などを請求していた訴訟において、プレカリアートユニオン側の勝利判決を言い渡しました。原告の宮城氏の主張をすべて退け、「原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」とする判決です。代理人は、東京法律事務所の井上幸夫弁護士、平井康太弁護士です。

 判決では、宮城氏が元雇用主であった2社との間で「意に反する内容の和解を成立させ」「精神的苦痛を与えた」と主張し、慰謝料を請求していることについて、「自ら納得して和解を成立させた」、「審尋期日に自ら出頭して」「和解を成立させた」ことから、意に反して和解を成立させるという不法行為を行ったとの事実は認められないと判断。

 宮城氏が、プレカリアートユニオンにアルバイトとして雇用されていたという主張を前提として、プレカリアートユニオンに違法に懲戒解雇されたなどと主張していることについては、「録音反訳や計算シートへの入力の報酬として『行動費』を支払っていたとの事実は認められるものの、原告はこれらの作業を任意の日や時間に行っていたものであって、被告の指揮命令下でこれらの作業を行っていたとは認められないこと、源泉徴収等はされておらず、『行動費』が賃金として支払われたと認めるに足りる客観的な証拠は存しないことなどからすると、『行動費』は準委任契約に基づく報酬(手間賃)等として支払われていたと見るのが自然」、として「直ちに原告が被告のアルバイトとして雇用されていたということはできない。」「被告に違法に懲戒解雇されたとの原告の上記主張は、その前提を欠き、採用することができない」と判断しました。

 その上で、プレカリアートユニオンが宮城氏を「DMUなる労働組合を結成して被告に対して分派活動を行ったことを理由として」、「1年間の権利停止の制裁を科すことを決定し、その旨を記載した本件書面を、被告の事務所入り口に約1ヶ月間掲示した」ことにより名誉を毀損し精神的苦痛を与えたと主張して慰謝料を請求していた件については、「権利停止の制裁を課したことを被告の組合員に告知するためにした、労働組合の組織運営に関する正当な行為にほかならず、不法行為を構成するものということはできない。」と判断しました。

 さらに、宮城氏の元雇用主である2社との間で和解をした際に、プレカリアートユニオンが解決金から拠出金を得たことなどについて、宮城氏が弁護士法72条に違反するいわゆる非弁行為だと主張していることについて、「労働組合である被告が組合員のために組合員の雇用主と団体交渉等を行って和解を成立させることは、みだりに他人の法律事務に介入する行為ということはできないし、これによって組合員その他の関係者の利益を損ねたり、法律生活の公正かつ円滑な営みを妨げるものとはいえないから、弁護士法72条所定の『法律事務を取り扱』うことには当たらないものというべきであり、原告の上記主張は採用することができない。」、つまり非弁ではないと判断しました。

 なお、宮城氏がプレカリアートユニオンは法適合組合ということはできないと主張していたことについては、宮城氏の上げる種々の事情を踏まえても、プレカリアートユニオンが組合員のために組合員の雇用主と団体交渉等を行って和解を成立させることが弁護士法72条所定の「法律事務を取り扱」うことには当たらないとの認定判断を左右するものとはいえないし、「原告の指摘する事情は、東京都労働委員会の資格審査により被告が法適合組合であると認定されているとの事実」に鑑みても、「法適合組合であることを否定するものとはいえず」、「いずれも採用することができない。」、つまり非弁ではないと判断しました。

 2021年12月24日には、東京地方裁判所が、プレカリアートユニオンと執行委員長の清水直子が、DMU総合研究所(DMU民主一般労働組合から名称変更)と宮城史門(前田史門)氏を被告として提訴した名誉毀損訴訟において、被告側の主張をすべて退け、DMU総合研究所及び、宮城史門氏に損害賠償金を支払うことを命じる、プレカリアートユニオンと執行委員長の清水にとっての勝利判決が出されています。

 組合活動の一部に行動費を支払ったことがあったとしても宮城氏とプレカリアートユニオンは雇用関係になかったことが認められ、プレカリアートユニオンが組合員のために雇用主と交渉を行うことが非弁行為ではないと認められました。闘う労働組合、個人加盟のユニオンへのレッテル貼りや使用者による悪宣伝が行われていることに鑑み、今回の完全勝利判決は、意義深いものだといえます。今後もプレカリアートユニオンに対する不当な請求や誹謗中傷については、代理人と相談しながら適切な対応を行っていきます。


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