プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

SOGIハラにより休職を余儀なくされたトランス女性の組合員が労災認定された件が『読売新聞』(2022年11月9日朝刊)に掲載されました

SOGIハラにより休職を余儀なくされたトランス女性の組合員が労災認定された件が『読売新聞』(2022年11月9日朝刊)に掲載されました。この件で、明日11月10日、厚生労働省記者クラブで、記者会見を行います。

 

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いなばの生活力向上計画第5回 忙しい人のための自炊入門

いなばの生活力向上計画第5回【※プレカリアートユニオン機関誌2022年9月号に掲載】

忙しい人のための自炊入門

 毎月、生活力向上のためのコラムをお届けするこのコーナー、今回は自炊について書きたいと思います。初回でもお伝えしたとおり、家計を管理し浪費を防ぐことは生活の質の向上に繋がるだけでなく「お金に支配されない」ためにとても大切なことです。外食やコンビニを中心とした食生活はコストの面だけでなく健康面でも悪影響を及ぼす可能性があります。今回の記事はなかなか自炊に踏み切れない方を対象にお届けしたいと思います。
■自炊は「安あがり」なだけではない
 自炊をすることの効能は節約だけではありません。料理の材料を自ら選ぶことができるため、栄養バランスの改善や自身の体調体質に合った食事内容にすることができるというメリットもあります。また、食費が安いということは、少ない金額でちょっとした贅沢をすることができます。仮にもし、都内で夜に本マグロの刺身定食が食べたいと考えたとき(とても贅沢な例えですが)、概ね2千円は最低でも掛かると思います。一方、スーパーでも本マグロの刺身は決して安いものではありませんが、場合より数百円で手に入れることができます。外食を全て自炊に置き換えた場合、同じ予算ならばこのような「ちょっと贅沢な」食事も決して非日常のものではなくなります。
■保存期間ごとに食材を3つに分類し、いつ買うかを決める
 当たり前ですが、自炊をするために欠かせないのが食材です。食材はざっくりと①米、乾麺・乾物、冷凍食品、調味料などの長期保存が利くもの、②野菜、卵、加工肉(ハム・ソーセージなど)などの概ね1週間前後保存が利くもの③肉、魚、惣菜など比較的早く使い切らないといけないものに分類できます。①に関しては1ヶ月単位で購入したり、少し多めにストックして特売などで在庫を補充する買い方が適しています。②に関しては1週間単位で買いものをする必要があります。これができていると③の部分のみを日々買えばよいということになります。多くの自炊初心者が①~③の分類をごっちゃにして食材を持て余してしまい挫折するといわれています。
■安く買えるかより、うまく使い切れるか
 特に自炊をはじめたばかりの頃は、どうしても食材の値段の違いに大きく関心が傾くことがありがちです。しかし、当然ですが、使い切れずに悪くしてしまったら元も子もありませんし、最終的には結局コストが嵩みます。食材を買うときに一番大切なのは、無理なく使い切れる適切な量の食材を買うことです。無駄に買わないことで単品の値段ではなく全体の値段を下げることにも繋がるし、同じ予算でよりよい食材を選びことができます。このときに特に意識するのが前述の②に分類される食材です。キャベツ、白菜、大根、カボチャなどの大きな野菜や卵、加工肉を1週間で無駄なくバランスよく使い切る献立を立てることができれば食材・食費管理はできたも同然です。レシピは種類が少なくても簡単なものからでも構わないので、「料理の材料」としてしっかり意識して買い物をする目線が大切です。
■便利な「フリージング」と「常備菜
 また、仕事が忙しい場合、毎日の買い物や手の込んだ調理は大きな負担です。こういうときに積極的に活用したいのが「フリージング」です。お米も毎日炊くのが負担ならばまとめて炊いて専用のタッパーで冷凍保存することで簡単に食べられます。また肉は本来③(毎日または、数日毎)に分類されるような食材ですが、冷凍することで①のような運用ができます。また、「常備菜」を作ることでも調理の手間は省けます。「常備菜」とは数日~1週間程度冷蔵で保存できる料理のことで、きんぴらゴボウ、五目豆、等が代表的ですが、ローストチキン、塩だれ豚肉焼きなども冷凍することで常備菜に加えることができます。常備菜を上手く活用すると、作れるときにまとめて作り、忙しい平日は常備菜+αで切り抜けることができます。
 以上、簡単に自炊について解説しました。自炊を長続きさせるコツは食材を無駄買いしない仕組みを作ることです。食材を買いすぎなければ、節約にも繋がり、食材の質を上げることもでき、余計な調理の手間も掛かりません。現在、インターネットで簡単に初めてでも作りやすい料理のレシピ情報が手に入ります。ぜひ、皆さんもこの機会に自炊を始めてみてください。
 稲葉一良(書記長)

 

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いなばの生活力向上計画第3回 政府が進める金融資産形成はアヤシい

いなばの生活力向上計画第3回【※プレカリアートユニオン機関誌2022年7月号に掲載】
政府が進める金融資産形成はアヤシい


 今月も資産形成について解説していきます。さて、資産形成といえば政府は国民1人ひとりが金融投資を行うことで所得を増やしていく方策を示していますが、これは相当にいかがわしいものです。前回も解説したように投資とは何も証券や株式、不動産に限らないものです。自民党をはじめとする新自由主義政治は、社会インフラや教育、介護、子育て支援……様々なものを切り捨ててきました。それらは国家が持続性を保つために不可欠な資源への投資だと考えられます。国家として必要な投資をせずして国民に投資を進める姿勢は大きな矛盾をはらむものであり「自己責任」論を先鋭化したものでもあります。「将来が心配ならば投資をしろ。結果は自己責任。投資に失敗した人は知らない」というわけです。また、日本は特に国民の金融リテラシーの低さが問題となっていますが、このような現状を踏まえた上で、扇情的な広告などでFX等を煽るCMが氾濫する中、投資を勧めることは、正しく生活を豊かにするという本質を欠き、まるでカジノ誘致の企てのごとく国民に不要なリスクを負わせ大資本を利するためであるとさえいえます。
■損失のリスクをどのように吸収するか
 投資は、一発逆転の切り札でも何でもありません。あくまでも私たちが考えるべきは、暮らしを豊かにするための投資です。思いがけない損失を生じ、暮らしが傾いてしまうようでは元も子もありません。投資のポイントは余裕の中から行うことと、損失の可能性を引き受けリスクを分散することです。金融投資は即ちお金に直結しますが、リスクの回避は相当に困難と言えます。このリスクを引き受ける余地があるならばその限りにおいてのみ行うというのが正しい向き合い方だと思います。一方、前回お伝えした「自分への投資」ならば損失のリスクを吸収する方策も柔軟に立てられます。今回は私の行っている投資の1例を解説します。
■ヴィンテージ楽器の市場価格高騰を利用した「リスキー」な投資
 次の例は私自身が行っている資産形成の1つです。私はベーシストで、細々とプロの仕事を続けていますが、その楽器を買うことが投資に繋がっています。ヴィンテージ楽器の値上がりは特に最近顕著です。私は若い頃、ある60年代のベースを数10万円で購入しましたが、現在ではその年代の同じベースの価値は200万円は下りません。学生の頃10万円ちょっとで購入した70年代のベースも今や50万円に迫る勢いです。このようにして購入したベースが他に何本もあります。当然市場は水物なので全てのベースの価値が上がる保証もなく、場合により大きく買値を割り込むリスク、故障するリスクなども抱えることになりそれなりにリスキーです。
■リスクの引き受け方は人それぞれ
 しかし、私にとって楽器は仕事道具です。購入の際、値上がりの可能性以上にこの楽器は自分にとって買値(若しくはそれ以上)の値があるかはシビアに吟味します。「骨董的価値が高くても使えないもの、弾き手として気に入らないものは手にしない」という線引きをすることで、リスクをよろこんで引き受けることができます。楽器購入で得られるものは価値が上がることによる資産価値だけではなく、その楽器を弾くことで得られる弾き手としての成長、表現の幅など様々あります。また、市場価格が下がったからといって楽器の音が悪くなることはあり得ません。気に入って弾いているうちに価格が再び上がることもあるし、そうでなくとも私の「愛機」に変わりはありません。私はこのようにしてリスクを引き受けていますが、幸いにも現在楽器の市場価値は総購入金額の2~3倍になっています。節約し楽器につぎ込む生活を無駄遣いだと指摘されたこともありましたが、結果として消費・浪費ではなく投資して資産を形成していたというわけです。気に入りすぎておいそれと換金する気になれないところが玉に瑕です。
 稲葉一良(書記長)

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いなばの生活力向上計画第2回 それは、消費? 投資? 浪費? 収入の振り分けについて考える

いなばの生活力向上計画第2回【※プレカリアートユニオン機関誌2022年6月号に掲載】

それは、消費? 投資? 浪費? 収入の振り分けについて考える


 さてさて、前回から始まった生活について考えるこの連載、2回目となる今回は投資について考えてみたいと思います。投資と聞くと「難しそう」、「危ない」、「自分には無理」などの声がどこからともなく聞こえてきそうですが、心配ご無用。所謂金融商品への投資に限らず、投資とは何かという点から投資して資産を形成することが生活の安定につながる仕組みについて解説していきたいと思います。
■限られた予算の中でより豊かになるために行うのが節約
 前回の復習になりますが、豊かさを作るのは収入の額だけではありません。入ってきたお金を何にいくら使うかが、生活の形を決めます。漫然と使ってしまうのではなく、自分にとって本当に大切なものは何か等の自分の価値観に照らしてしっかりと「何にいくら使う」と意識的にお金を使わなければなりません。
「お金がない」という人のうち相当数が漫然と気付かずにお金を浪費してしまってい困窮しています。自分が重きを置くものや本当に必要なものにはお金を使い、そうでないものはしっかり節約することで生活は豊かになります。節約は単にお金を切り詰めるためだけに行うのではありません。限られた予算の中でより豊かになるために行うのが節約なのです。
■浪費せず投資すると資産を形成できる
 浪費するくらいなら貯蓄し、可能ならばその余力で投資をする、これを繰り返すことで「資産」を形成できます。お金の振り分けを考える上で大切なのは、節約しバッファ(余力)を持たせて、無理なく貯蓄、投資に回すということです。投資はリスクを伴いますが、貯蓄同様、将来の安定のために大きな役割を担っています。まず、大切なのは「投資は余力で行う」ということです。生活に影響を与えてまで行う投資は非常に危険です。あくまで、節約した結果の家計の余剰分で行うものと心得て下さい。投資をすることで資産が形成され、生活の安定に繋がります。例えば持ち家などはわかりやすい資産の例ですね。
■資産はいわゆる金融資産以外にも様々なものがある
 資産とは何も不動産や証券、貯蓄などを指すものではありません。例えば新しい技術・知識を身につける、資格を取得する、能力を磨くこともその人個人に資産が蓄えられていると考えられます。人間ドックやトレーニングは健康への投資になります。節約して本を買って勉強する、習い事に行き技術を身につける、これらも立派な投資です。
 このように、自分自身への投資、家族の将来への投資が存在し、どれも生活を安定させ豊かにする可能性を秘めています。投資をすることで、物質面のみならず、知識、経験、健康など精神的にも豊かな暮らしを送ることができるようになります。ある投資家などは40歳まではとにかく自分自身に投資しろ等といっていますが、今や60歳でリタイアできるのはごく僅かなので、個人的には40歳ではなく、働き盛りのうちはと置き換えてもいいと思います。
■離婚にまつわる話と財産分与
 さて、今回は最後に離婚に関わる本について紹介して終わりたいと思います。『損する裁判儲かる離婚』は、理論物理学研究者である藤沢数希による「金融商品」としての結婚について解説した1冊です。離婚する際、双方の稼ぎや実態にかかわらず、結婚後に築いた財産は原則等分しなければなりません。また、夫婦どちらかが専業主婦(夫)の場合、離婚成立までの生活費(結婚費用)の支払いも相当額になってしまうということを解説し、金融商品として考えるならばどのような結婚が有利か不利かということを説明しています。本書はあくまで金融商品だと割り切って解説しています。内容には様々な声もあるでしょう。当然、結婚離婚はまず何より当人達の意思が尊重されるものですが、生活の安定や資産形成という点で考えれば離婚は大きなリスクを伴います。ぜひ皆さんも読んでみてください。
 稲葉一良(書記長)

 

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いなばの生活力向上計画第1回 みなさんの家計、赤字ですか?

いなばの生活力向上計画【※プレカリアートユニオン機関誌2022年5月号に掲載】


 今回から新たな連載が始まります。生活力向上をテーマとした本連載では、なかなか賃金が上がりづらい現代を生き抜く上で私たち労働者はどのように家計をやりくりし生活を守っていくかについてコラム形式で様々な角度からアイデアを提供します。
 私たちは労働組合なので賃上げの要求は当然しますが、「賃上げが実現できないと暮らしていけない」となってはいけませんし、残業代を請求したとたん、兵糧攻めに遭ってしまうこともあるかもしれません。また、予期せぬ急な出費が発生することも。お金をコントロールする力は生活していく上でとても大切なものなのです。
■皆さんの家計、赤字ですか?黒字ですか?
 以前、組合のワークショップで家計が赤字か黒字かについてアンケートをとりました。自信を持って「黒字だ」という組合員もいれば、「赤字だ」という方もちらほら。中には、「分からない」という回答もありました。この中で、お金を管理するという視点に立ったとき一番問題なのは「分からない」という回答です。家計管理でまずはじめに行うべきことは家計の見える化です。項目別に、何にいくら使っていて収支は○○円黒字(赤字)ということが可視化されることで、俯瞰的に家計を見直すことができます。全体の収支が見えないと無駄遣いに気づけなかったり、また逆に、日々買い物毎に細かい金額を気にしすぎてしまう節制のしすぎに陥ってしまいます(ストレスで生活の質に影響が出たり、そもそも長く続かず節約にならなかったりします)。
■家計を見える化して自分が何にお金を使っているか把握する
 家計を見える化することで、自分は何に一番お金を使っているのか、どのようなバランスで家計が成り立っているのかを客観的に把握することができます。例えば、「家賃が高すぎる」ことに気がつくこともあれば、「食費がかかりすぎてる」と感じることもあるでしょう。ここで、「高いから減らそう」と簡単に判断してはいけません。費目の削減を考える前に、自分は本当にそこにそれだけお金をかけたいと思うか、減らして他に回せるとしたらどうかを考えた上で総合的に判断することが大切です。
■家計の形は人それぞれ、絶対的な「正解」はない
 家計が黒字ならそもそも減らす必要はないという結論に至ることもあるでしょうし、赤字であっても、そこだけはとてもこだわりがあるので何とか維持したいとなることもあるわけです。みんなが同じように理想的と言われる家計バランスで生きていかなければならない理由はありません。よく、新社会人向けに家賃は収入の1/3を限度にと言われたりしますが、他で調整がつくなら1/2でもいいですし、人によっては1/4でも高すぎると感じます。まず大事なのは家計のバランスを把握してそれに納得がいくかどうか自問自答することなのです。納得も行かないのに無理矢理切り詰めてもどうせ長く続きません。
■食費には特に注意。漫然とした浪費が家計を圧迫することも
 とはいえ、なんでも「納得してるからいいんだ」で開き直っては、思わぬ浪費の落とし穴に落ちてしまうかも知れません。初回の締めくくりとして食費の落とし穴について簡単に紹介します。
 食費は人によって一番ばらつきが出る費目です。自炊を前提に考えた場合、住むエリアにもよりますが、1人暮らしだと概ね1日600円前後で無理なく生活できるとされています。これを全て外食にした場合、仮に1食を均して1000円にすると1日3000円と実に6倍。更に、1日数本程度ペットボトル飲料などを買い、別途お菓子なども買うとなるとプラスで500~1000円程度かかってしまいます。1ヶ月の食費ですが、600円以内に押さえて自炊をした場合の1万8千円に対し、3食外食+お菓子に飲み物で1000円かかった場合、12万円。桁違いの結果になってしまうのです。もちろんそれらも把握して納得した上でなら問題ありませんが、食費は漫然と浪費しがちなことに加え、見える化には根気が必要なので(日々のレシートや家計アプリでの管理など)特に気をつけたいものです。
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なぜ日本は貧しいのか、その裏側にメスを入れる1冊。『日本経済の黒い霧』(植草一秀著/ビジネス社)

『日本経済の黒い霧』(植草一秀著/ビジネス社)


 「一億層中流」ともいわれた時代はもう遙か過去の話。現在、日本は国際的な競争力を失い、社会は様々な貧困問題、格差、差別を抱え、かつて他人事として見ていた「貧しい国」の様相を呈しています。『日本経済の黒い霧~ウクライナ戦乱と資源価格インフレ、修羅場を迎える国際金融市場~』は経済評論家の植草一秀氏による、何故ここまで日本経済はきゅちに立たされてしまったのか、経済の問題を社会問題、政治、などの背景を踏まえ解説した1冊です。
■資本家が絶対に見せたくない映画
 私たちプレカリアートユニオンの闘いを描いた『アリ地獄天国』は本書において「資本家が絶対に見せたくない映画『アリ地獄天国』」として紹介されています。日本の労働者の賃金が上がらず、暮らしがどんどん貧しくなっていく背景には労働組合の組織率の低さや賃上げへの取り組みなどの闘いが不十分であることが挙げられます。毎日8時間の労働で人間らしく安心して生活できる賃金を、人が人として扱われる職場を求め実力行使を辞さず会社と対峙し勝利する私たちのような闘う労働組合の存在はまさに経営者にとって脅威そのものであるということが本書でも強調されています。
 本書では政治の責任にも深く言及し、国益のために動くことのできる政治家が長く政権にいないことを問題視しています。著者による「アベノリスク」というタイトルの本についても手に取ってみたくなりました。
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労働運動の昨日、今日を受け継ぎ、明日につなげる社会的労働運動を。『時代へのカウンターと陽気な夢 労働運動の昨日、今日、明日』(小野寺忠昭・小畑精武・平山昇共同編集/ダルマ舎叢書/社会評論社)

『時代へのカウンターと陽気な夢 労働運動の昨日、今日、明日』(小野寺忠昭・小畑精武・平山昇共同編集/ダルマ舎叢書/社会評論社

 

 日本の労働組合企業別組合がスタンダードになっていますが、これは世界的に見てとても珍しいことです。企業内組合の構造的問題としての機能不全、第2総務部化、正社員クラブ化等の弊害は長らく問題視され、その流れの中で私たちユニオンも産声を上げます。『時代へのカウンターと陽気な夢~労働運動の昨日、今日、明日~』(共同編集:小野寺忠昭・小畑精武・平山昇)は総評運動と、解体コミュニティユニオンの誕生、国鉄闘争、そして現在に至るまでの労働運動の軌跡を、当時を闘い抜いた様々な運動家、学者の視点で振り返り、今の労働運動の課題、これからの労働組合が目指すべきものへの提言と、次世代への橋渡しの役割を果たす貴重な1冊です。
パラマウントの倒産争議から学ぶもの
 本書では詳細に生々しく、ユニオン黎明期からの争議を様々に取り上げていますが、その中でも特に印象深かったのはパラマウント製靴共働社の自主生産争議についてです。現在では非常に珍しいものとなってしまいましたが、かつては労使紛争の解決の手法として生産に係る施設設備を譲渡させ、労働者自らが自主的に運営し争議を闘うといったかたちは珍しくありませんでした。パラマウント製靴の労働者は8年にも渡る倒産争議、自主再建闘争を闘った後、自らの工場を「労働者生産協同組合」として再出発させます。職場は誰のものかという闘いにおいて、職場が経営者ではなく労働者のものであることを体現するこの闘いは、労働者の自主自立の元展開されます。労働者にとって協同組合が希望の1つであるということを示す事例だと思います。
■今こそ社会的労働運動の展開を
 本書後半では「労働する市民」としての労働組合の運動である市民運動ユニオニズム、組合自体が生産能力を持ち失業者などの仕事作りをする取り組みを行うことも含めた、労働組合と社会的連帯経済に対する展望が語られます。賃金の問題など狭義の労働問題に取り組むだけでなく、労働組合が職場を通して見える様々な社会問題の解決を訴え、市民の連帯を促すハブになり地域コミュニティを形成していくことがどこまでできるか、また、会社の枠に縛られず産業別にどれだけ力強く運動を展開していくことができるかが、これからの労働運動について特に重要だということを認識しました。
 本書は労働運動、特にユニオン運動について、何を期待されて生まれどのような役割を担い、どのような壁にぶつかり、今何が問われているのかを俯瞰的に把握することができる1冊です。この1冊を単なる「貴重な資料」の様な位置づけにしないためにも、積極的に学び、次世代の運動につなげていけたらと思います。

 稲葉一良(書記長)

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