プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

クレアーズ日本育児ハラスメント裁判勝利和解!

イオンの100%子会社でアクセサリーの輸入・販売を行うクレアーズ日本の育児ハラスメント裁判について、本日、1月11日、東京地方裁判所で勝利和解を実現しました。原告は、今後も子育てをしながら、同社で就労し、出産・育児をしながら安心して働ける職場にするため働きかけを続けます。

アクセサリーの輸入・販売を行う、クレアーズ日本株式会社(山口義貴代表取締役)では、19年間にわたって誠実に勤務してきた組合員が、出産後、2人の幼い子どもを育てながら就労中の2014(平成26)年5月からわずか1年の間に3回にわたって育児・ハラスメントとしての降格処分を受け、年俸が568万円から約半額の304万円に減額されました。降格処分は違法無効であるため、女性社員は労働組合プレカリアートユニオンに加入して改善と求めるとともに、降格前の地位の確認および差額賃金を求めて、2015年11月18日に東京地方裁判所に提訴しました(代理人=旬報法律事務所・新村響子弁護士、小野山静弁護士)。

原告本人の意見陳述を行った2016年1月から1年となる2017年1月、原告本人が納得できる水準で勝利和解することができました。

ただし、クレアーズ日本は、東京都労働委員会の不当労働行為救済申し立て(不誠実交渉)については、せっかく裁判で和解が成立したにも関わらず、本日現在、申立人であるプレカリアートユニオンと協定書を取り交わして解決することを拒否していますので、引き続き審査を続けることになります。社員が、出産・育児をしながら安心して働ける会社にすることは、社会的に必要なことであり、会社にとっても利益となることです。裁判での和解を機に、団体交渉を誠実に行い、労働組合と健全な労使関係を築くよう強く求めます。

インターネットの署名サイトであるチェンジ・ドット・オルグでもキャンペーンの成功を宣言しました。
https://www.change.org/p/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3100-%E5%AD%90%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BA%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E6%A0%AA-%E3%81%AF%E8%82%B2%E5%85%90%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%81%E3%81%A6-%E5%AD%90%E8%82%B2%E3%81%A6%E4%B8%AD%E3%81%AE%E6%AF%8D%E8%A6%AA%E3%82%92%E8%87%AA%E5%AE%85%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%A7%E5%83%8D%E3%81%8B%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84/u/19018886?recruiter=113049470&utm_source=share_update&utm_medium=twitter&utm_campaign=share_twitter_responsive

■クレアーズ日本育児ハラスメント裁判とは■
http://d.hatena.ne.jp/kumonoami/20160123/1453535305
2016-01-23
アクセサリーの輸入・販売を行う、イオンの子会社「クレアーズ日本」育児・ハラスメント裁判で意見陳述

アクセサリーの輸入・販売を行う、株式会社クレアーズ日本(イオンの100%子会社)で、19年間にわたって誠実に勤務してきた組合員が、出産後、2人の幼い子どもを育てながら就労中の2014(平成26)年5月からわずか1年の間に3回にわたって育児・ハラスメントとしての降格処分を受け、年俸が568万円から約半額の304万円に減額されました。

組合員は、離婚によりシングルマザーとなって自身の手で二人の幼い子どもを育てていますが、会社は、自宅から近い県内の店舗ではなく、あえて通勤に1時間半かかる店舗に通勤させ続けています。学童保育と保育園の保育時間内に送迎するには、6時間の時短勤務でないと間に合いません。その上、今年2016年4月には、どの店長もやっているように早番も遅番も土日祝日も出勤できる準備を進めるよう求めています子育てをしながら働くことへの配慮は感じられず、退職に追い込もうとしているかのようです。育児休暇の期間だけで子どもが育つはずがありません。こうした育児・ハラスメントにより、多くの働く女性が正社員としての就労を継続できなくなり、特にシングルマザーが非正規雇用でしか働けず貧困に追いやられています。

降格処分は、違法無効であるため、降格前の地位の確認および差額賃金を求めて、2015年11月18日に東京地方裁判所に提訴していました。このたび、第1回期日だった2016年1月22日に、原告の組合員が、意見陳述を行いました。

組合員は、提訴について、「女性が9割を占める会社で、一人でも多くの従業員が結婚、出産、育児をしながらも働き続ける会社になってもらいたいという切なる思いからです。私たちの暮らすこの社会が、働く女性の子育てを応援し、健全に存続してほしいと心から願っています。」と訴えました。

この裁判の原告代理人も、子育て真っ最中の新村響子弁護士と、育児と子育ての両立が人ごとではない小野山静弁護士(ともに旬報法律事務所)という、強力な弁護団です。この裁判を通して、シングルマザーが貧困に陥るトラップを埋め、どんな立場の女性も働きながら安心して子育てできる社会を作ることに貢献したいです。


Change.orgの署名提出後、自宅近くの店舗への移動実現■
http://d.hatena.ne.jp/kumonoami/20160727/1469623546
2016-07-27
クレアーズ日本(株)の育児ハラスメント改善を求めるChange.orgの署名1万筆をイオン本社に提出後、自宅近くの店舗への異動を実現!

子育てに社会的関心が集まるなか、イオン子会社のアクセサリー輸入・販売を行うクレアーズ日本の育児ハラスメント問題と闘う女性社員を支え、同様に出産・育児を理由として就労環境を損なわれている多くの女性の活躍の場を実現しようと署名を募ってきました。キャンペーン開始から1ヶ月で1万人以上の賛同をいただき、この署名を6月6日、イオン本社に提出しました。

これまで自宅から通勤時間が1時間半もかかる店舗へ配属されていましたが、署名提出後の7月1日から、通勤時間30分以内の店舗への異動が実現しました。
ご賛同・ご協力くださった皆様に心から感謝を申し上げます。

今後も、女性社員が圧倒的多数であるクレアーズ日本を真に女性の力を発揮できる会社に変えること、彼女の待遇や給与を元に戻すことを目指して、改善を求める声を届けていきます。引き続きご支援、ご注目くださいますよう、どうかよろしくお願いいたします。

http://d.hatena.ne.jp/kumonoami/20160606/1465206058