プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

警備会社の西新サービス(株)に対する未払い賃金請求訴訟第1回期日で、原告組合員が意見陳述

11月16日、東京地方裁判所で、西新サービス(株)未払い賃金請求訴訟第1回期日が行われ、原告の組合員が意見陳述を行いました。警備業界で働く労働者の健康と安全を守るために、ぜひご注目ください。

https://precariatunion.hateblo.jp/entry/2022/10/04/183109
施設管理・警備の西新サービス(株)で働く皆さん、着替え時間・休憩時間の未払い賃金を取り戻そう!

 

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意見陳述

原告  

私は2020年7月11日、ハローワークからの紹介で東京建物株式会社の子会社である西新サービス株式会社に2度の面接を経て正社員として入社しました。

面接では、「弊社は東京建物株式会社のグループ会社であり、コンプライアンスもしっかりしており、朝礼・引継・更衣時間等も時間外手当として支払っていますので安心して入社してください。」と言っていました。更にホームページの求人広告欄には、現社長の自画像付きで「もちろんサービス残業はありません。(一部抜粋)」とコメントをしています。面接時に多少の疑念はありましたが、この2点が決め手となり入社をしました。

 

入社当初より、■■事業所に警備員として配属となり現在に至っております。

コンプライアンスに関して東京建物グループでは、毎年グループ内全従業員に対してコンプライアンスアンケートを実施し、コンプライアンスの重要性を指導しています。

しかし、実際に現場で働いているうちにサービス残業コンプライアンス違反)が常態化していることに気付きました。なんと、一部の引継準備時間及び更衣時間、更には休憩時間とは名ばかりの待機(手待ち)時間が存在していました。このことを他の何人かの同僚にも相談をしましたが、やはり同じくサービス残業であるとの認識で一致しました。ただその時点では私を含め誰一人、そのことを会社に対して公に行動を起こす人はいませんでした。

 

ところが、2021年3月31日に会社の健康診断では毎回異常なしだった40代半ばの同僚が突然死しました。その同僚が生前に、「こんなの休憩じゃない!!」と言っていました。他の何人かの同僚も同じことを言っていました。

心身ともに業務から完全に解放されていない状態での名ばかり休憩時間、更に追い打ちを掛けるような長時間労働は命の危険を伴います。私はこのままだと、「何れ自分も命の危険に晒される」という強い危機感を抱いたため、私一人でも何らかの行動を起こさなければならないと思い、そのとき丁度よく毎年行われているコンプライアンスアンケートの時期だったため、実名にてサービス残業の常態化のことを訴えました。

 

アンケート送付後、3ヶ月くらい経ってから弊社の総務課長から連絡があり、ことの経緯を説明してほしいとのことで本社にて面談をすることになりました。

私はその面談にて、一従業員として総務課長を含む数名の役職者と3回に渡って円満解決を目指し面談・交渉をしましたが、会社側が一方的な主張を繰り返すだけで、こちらの要望・要求には一切聞く耳を持たず、一従業員としての交渉の限界を感じたため2022年1月20日、一旦交渉を断念し、その日のその足でプレカリアートユニオンに加入し、団体交渉を重ね、現在に至っております。

団体交渉では、引き続き建設的な円満解決を目指していましたが、会社側代理人弁護士ののらりくらりとした不誠実な対応が続き、このままでは唯々無駄な時間が過ぎるだけで円満解決にはほど遠いと判断したため、今回の訴訟に至りました。

 

今回、限られた時間の中で私が1番強く申し上げたいことは、現在会社側との団体交渉の中で「休憩時間」と「待機(手待ち)時間」に対する意見の相違があり、交渉が決裂していることです。

会社側は休憩時間なので、外出や制服の脱衣等は自由であり、待機(手待ち)時間ではないと主張しています。

しかし実態としては、休憩時間に「待機」というシールが貼られた緊急時対応用携帯電話を常時持たされ、尚且つ、休憩室には緊急時対応用無線機も常設されており、更に緊急時には即時対応が義務付けられているため、会社側が主張する内容とは全く違うことがわかります。

もちろん、食事の買い出しや指定喫煙場所での喫煙時にも緊急時対応用携帯電話を携行していくため、緊急時には呼び戻されます。現場隊員の間では「休憩室」ではなく「待機室」と呼称されていて、食事や仮眠もこの待機室で行い、緊急時の対応に備えています。これらのことから鑑みると、労働基準法が定める「休憩時間」ではなく、「待機(手待ち)時間」だということがわかります。

休憩中にコンビニ弁当を電子レンジで温め、口に頬張っているときに携帯電話が鳴り、慌てて噛まずに飲み込んで対応現場に急行する。

これって本当に休憩ですか?

休憩中にトイレの個室に入っていて、お尻丸出しの状態のときに携帯電話が鳴り、いざ出ようとするモノを踏ん張って引っ込めて、慌ててズボンを穿いて対応現場に急行する。

これって本当に休憩ですか?

 

待機室が中央管理室の目の前になったことで、緊急時の連絡方法が電話から扉のノックに変更になりました。

しかし、この運用自体、業務から完全に解放された休憩時間とは言えません。

今現在も、緊急時対応用無線機は待機室に常設されたままになっています。

 

会社に対して渋谷労働基準監督署からもこの休憩時間の件を含め、いくつか是正勧告と指導が出ています。

過去の過ちを反省し、これからは法令遵守のもと、全従業員を使い捨ての消耗品ではなく、人間として大切に扱い、世の中に貢献出来る企業を目指し、そして会社自体が発展していくために、どうか弊社を正しい方向に導くご判断・ご決断をお願いいたします。

 

以上

 

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