プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

【解決/組合員の手記】沼津市で介護事業所を運営する(株)クローバーに対し 組合員23人が原告となった未払い残業代請求訴訟で 約2000万円の支払い命じる判決!3月27日・静岡地裁沼津支部 団交拒否問題も勝利和解

沼津市で介護事業所を運営する(株)クローバーに対し
組合員23人が原告となった未払い残業代請求訴訟で
約2000万円の支払い命じる判決 3月27日・静岡地裁沼津支部

 静岡県沼津市などで介護事業所を運営する株式会社クローバーに対する、プレカリアートユニオン組合員23人が原告となる未払い残業代等請求訴訟で、本日3月27日、静岡地裁沼津支部にて、被告の会社に対し約2000万円の支払いを命じる判決が出されました(代理人は、旬報法律事務所の佐々木亮弁護士、梅田和尊弁護士、小野山静弁護士)。変形労働時間制の有効性が争点になっていました。クローバーは、神奈川県平塚市に本社がある、冠婚葬祭のサン・ライフグループ傘下の会社です。
 プレカリアートユニオンが介護事業所で働くパート労働者にも僅かな賞与を支払うよう求めたところ、(株)クローバーは、パートには賞与を1円も支払わないことに固執し、3年間も団体交渉を拒否しました。組合が不当労働行為救済申立を行った東京都労働委員会では、2020年3月には団交応諾を命じる命令が出されました。これを不服として会社は中央労働委員会に再審査を申し立て、中労委で、3月13日にプレカリアートユニオン側の勝利和解が実現しました。3年ぶりに団体交渉が再開されます。
 このたび勝利判決を得た組合員の職場は、沼津市の事業所。元々は、静岡県富士市の事業所で働く労働者もプレカリアートユニオンの組合員でしたが、富士市の事業所には、会社とユニオンショップ協定を締結した労働組合があります。裁判と労働委員会を闘ったプレカリアートユニオンの組合員は団結を維持し、就労環境を改善しながら職場に残っていますが、富士市の事業所で働く労働者(元組合員)はほとんど職場に残っていないそうです。住宅型有料老人ホームクローバーライフ富士で、現在働く介護労働者の皆さん、志と解決実績のあるプレカリアートユニオンに加入しましょう。
 沼津支部の判決前に書かれた、プレカリアートユニオン執行委員で、静岡支部クローバー分会の仲英雄さんの手記をご紹介します。

 

【組合員の手記】
団交拒否問題について中労委で勝利和解!
団結保った組合員、3年ぶりの団交再開へ

 お疲れ様です。静岡支部の仲です。
 久しぶりにプレカリアートユニオンのブログ・機関誌に原稿を寄せるにあたって、キーボードを前にしてふと思いました。
 働くことの意味をよく考えた時に、それは「お金を得るため」? どうして? 「生きていくため」? なんで? 「生きがいだから」? なんのため?
 掴みどころがなくて定めることが難しくて、その「ため」に働くことは果たして、楽しいのか苦しいのか、どちらもなのかというようにぐるぐると考え巡ってしまいます。
 それはきっと全ての人が決して抗いきれない、予め組み込まれているDNAに淡々と従っているのかもそれません。
 かなり雑で端折ったようなこの、「?」のためという展開に加えて、人それぞれの取り巻く環境や人間関係などの事情が、この働く意味の構成要素として絡みあったりしているのではないかと思っています。そして個別化された各々の働く意味は、それぞれ働く者の人生に彩りを加えて豊なものにしていくのではないでしょうか。
労働組合のまとまりがあったからこそ
 私の立場を因数分解っぽくい言うならば、連合傘下にある全国ユニオンに加盟しているプレカリアートユニオンに属する静岡支部の中にあるクローバー分会で活動する組合員です。というのが自分のユニオンアイデンティティです。
 これを展開っぽくしてみると、ワタシは職場の仲間とクローバー分会で静岡支部を組織してプレカリアートユニオン属しており、プレカリアートユニオンは全国ユニオンに加盟していて、それは連合の傘下組織です。
 何が言いたいかというと、働く上での自分の立ち位置をあらためて確認するということがとても大切なことだということです。
 まとまり(組織)はとてつもない強みになります。まとまりを維持していくためには労働組合としての括弧にくくられるのは労働者として大切なことです。
 多くの仲間の様相を有りのまま包摂して括られて(組織)しまえば、人と人は自ら引くことがあっても断たれることはないのだから、働く者として括られている、この安心できる労働組合員というポジションは必要不可欠なのだと思います。
 孤立と孤独は社会問題にもなって久しいですが、いわゆる社会的に分断された不安定な労働を強いられている私たちこそ、労働組合員として団結していくことが最も大切なことではないでしょうか。
■団交拒否問題は勝利和解、団交再開へ
 私たちクローバー分会は、会社から3年間も団交拒否をされました。
 それでも、断たれず解けずに職場を維持し続けているのは、労働組合の括弧に括られて、包摂されて安心して働ける状態であり続けることができているから。そのことがとても大きいと思っています。
 しっかりとした土台(合同労組)があったからこそ、「パート労働者を差別するな、一人5000円の一時金を支払え」、「夜勤帯の休憩を労働から完全に解放された状態で取らせろ」と声を上げ続け、果ては労働運動として集団訴訟をも起こすことができたのです。
 「それぞれがそれぞれにできることをできるだけ」。
 私たちの行動指針です。決して無理はせず淡々と折れなかったのです。
 長い長い3年でした。賃上げもなく、会社に誘われた後発の組合組織による切り崩しにもは何度も遭いました。そのたびにはね返すことができたのも、一人ひとりでは弱い私たち労働者も、組合組織に包摂され団結しつづけることができたからだと確信しています。
「ぶれても折れず」です。人の心は時に弱く、ぶれることだってあります。ぶれたって、戻る力、レジリエンスがあればよいのです。
 この訴訟は長き時を経て、昨年末に結審しました。この原稿を書いた後である、3月27日には、私たちは勝利の判決を迎えるのです。
 先じて3月13日には、会社の団体交渉拒否について(東京都労働委員会では組合の勝利命令が出され)中央労働委員会の和解勧告を受け入れ、組合は完全勝利しました。
 そして、長らく会社からの拒否で開催されなかった団体交渉が再び行われることとなったのです。実に3年越しの団体交渉です。
 この職場を守ることは高齢者の人権を守ること。私たちケアワーカーはそれを愚直に続けていくだけです。そうすれば、めぐって売り上げは必ず上がるのです。実証済みです。
 働らく者の誰もが取りこぼされることがあってはなりません。
 私たちは、この歪み切った経済政策の数々を打ち返すべく、声高らかに賃上げを要求していきます。
 共に頑張りましょう。
 仲英雄(プレカリアートユニオン静岡支部クローバー分会)

 

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