プレカリアートユニオンと、現代美術家による労働組合「アーティスツ・ユニオン」(プレカリアートユニオンアーティスト支部)から東京都知事選立候補者に公開質問状を送付しました。届いた回答を公開します。投票や未来の都政を考えるうえでの参考にお使いください。
[質問1]文化芸術分野に関して予定している取り組みを、具体的に教えてください。
[田母神俊雄氏の回答]伝統文化を保護し、その他芸術活動を支援することは都民の豊かな暮らしに資すると考える。政治主張のために芸術を利用するものとは峻別して、文化面も守り育てていく。
[蓮舫氏の回答]6月18日に発表した「7つの約束」の中では、文化芸術分野に関して、具体的な記述はありませんが、芸術文化の振興は、重要な課題であると認識しています。「知事直轄の円卓会議を設置して、様々な課題に専門家や当事者、地域団体、NPOなどの知恵をお借りします」とも約束させていただいているので、皆様の知恵をお借りしながら、ボトムアップの文化芸術振興に取り組みたいと考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]文化や芸術は私達の暮らしを豊かにする上で不可欠な存在であり、都民の皆様が身近に芸術文化に触れることが出来る環境を創出することが重要です。2025年度に予定されている江戸東京博物館のリニューアルオープンに加え、多彩な魅力とポテンシャルを有するべイエリアを舞台に、新たなアートイベントを開催するなど、成熟都市としての魅力を国内外に発信してまいります。
[質問2]東京都を拠点とする芸術家の活動支援について、具体的に教えてください。
[田母神俊雄氏の回答]東京都の先例を確認し、支援の意義と効果を検討して対応する。
[蓮舫氏の回答]6月18日に発表した「7つの約束」の中では、文化芸術分野に関して、具体的な記述はありませんが、芸術文化の振興は、重要な課題であると認識しています。「知事直轄の円卓会議を設置して、様々な課題に専門家や当事者、地域団体、NPOなどの知恵をお借りします」とも約束させていただいているので、皆様の知恵をお借りしながら、ボトムアップの文化芸術振興に取り組みたいと考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]東京が誇る芸術文化の担い手の活動を支えていくことは重要です。東京都では、東京芸術 文化相談サポートセンター 「アートノト」を開設し、都内で活動するアーティストなどが相談できる窓口機能や、活動に役立つ情報の提供、スクーリングなどを実施しております。今後も、芸術文化の担い手の持続的な活動をしっかりと下支えすることが重要と考えます。
[質問3]文化芸術分野、とくに現代美術に関わる教育、制作、発表、鑑賞に関する都民への機会拡充について、具体的に教えてください。
[田母神俊雄氏の回答]都民の文化的な暮らしの醸成に資するかを検討して対応する。
[蓮舫氏の回答]6月18日に発表した「7つの約束」の中では、文化芸術分野に関して、具体的な記述はありませんが、芸術文化の振興は、重要な課題であると認識しています。「知事直轄の円卓会議を設置して、様々な課題に専門家や当事者、地域団体、NPOなどの知恵をお借りします」とも約束させていただいているので、皆様の知恵をお借りしながら、ボトムアップの文化芸術振興に取り組みたいと考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]都民の皆様が、現代美術をはじめとする文化芸術分野に触れ、知見を深め、生活に彩りを加える機会は重要と考えます。東京都現代美術館においては、世界的なアーティストの大規模個展や若手アーティストを紹介する企画展など、芸術文化の発表の場と、都民が触れる機会を創出しており、こういった機会を増やすためにどういったことが出来るか、しっかりと考えていきたいと思います。
[質問4]文化芸術分野に限らず、ジェンダー平等に関して取り組もうとしていることを、具体的に教えてください。
[田母神俊雄氏の回答]行き過ぎた男女否定に陥っていないか、少数派に配慮しつつも、伝統的価値観の保護を尊重する。
[蓮舫氏の回答]「7つの約束」の中では、「経済的・社会的な不利益や、「なぜ?」と思う不合理の解消などに向けた取り組みを進めます」「様々なチャレンジや成長、気づきや学びの機会を提供し、女性を応援します」の2点を掲げました。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]世界に大きく後れを取る我が国のジェンダーギャップを巡る状況には、大変な危機感を 持っております。女性活躍推進に向けた様々な就労支援や、人権尊重条例に基づく啓発や教育といった取組を着実に続けつつ、女性活躍を後押しする枠組みを作る「女性活躍基本条例」 の制定や、男女賃金格差の解消に向けた支援の加速など、性別に関わらず、誰もが豊かに暮らせる社会の実現に向け、取組をしっかりと進めていくことが重要と考えます。
[質問5]公共施設だけではなく、個人経営の書店、映画館、ライブハウス、クラブ、飲食店、ギャラリー、オルタナティブスペースなども都民の生活を豊かにする文化芸術拠点です。これらの施設・店舗への支援について、具体的に教えてください。
[田母神俊雄氏の回答]ひろく都民の文化的な暮らしの醸成に資するかを検討して対応する。
[蓮舫氏の回答]6月18日に発表した「7つの約束」の中では、文化芸術分野に関して、具体的な記述はありませんが、芸術文化の振興は、重要な課題であると認識しています。「知事直轄の円卓会議を設置して、様々な課題に専門家や当事者、地域団体、NPOなどの知恵をお借りします」とも約束させていただいているので、皆様の知恵をお借りしながら、ボトムアップの文化芸術振興に取り組みたいと考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]東京の多様な文化活動を支える地域資源は、文化を振興する上で重要と考えています。都では、民間のアートスペースやライブハウスなども対象とした芸術活動への助成事業も実施されており、コロナ禍の「アートにエールを!東京プロジェクト」の経験なども踏まえ、 文化芸術活動への支援を着実に実施していくことが重要と考えます。
[質問6]2023年に東京都人権部は、東京都人権プラザで上映予定であった飯山由貴による映像作品《In-Mates》の上映を禁じました。こうした実質的な検閲を、二度と繰り返してはなりません。ここでの判断の背景として、人権部職員は、小池百合子都知事が9月1日の関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を送っていないことに言及しています。都知事として、関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を送りますか? また、関東大震災の朝鮮人虐殺の歴史の継承について、具体的に教えてください。加えて、表現の自由と検閲について、どのようにお考えですか?
[田母神俊雄氏の回答]2023年の東京都人権部の判断は正しい。障害者の人権をテーマにした企画で、企画趣旨と異なるものを取り上げることは、表現の自由から逸脱している。企画そのものも、阻害してしまっている。追悼文は送らない。
[蓮舫氏の回答]小池知事以前の歴代知事は追悼文を送付していましたので、要請があれば、真摯に検討したいと思います。また、こうした中で、虐殺の歴史を継承していきたいと考えています。さらに、表現の自由は極めて重要であると考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]何が事実かについては、歴史家がひもとくべきだと認識しております。その上で、これまで東京都知事として、慰霊大法要において、先の関東大震災及び大戦で犠牲になられた全 ての方々へ哀悼の意を表してきました。震災による極度の混乱下での事情で犠牲となった方も含め、全ての方々に対し慰霊する気持ちを改めて表すものであり、今後も、犠牲になら れた全ての方々に思いを寄せ、行動してまいりたいと考えております。また、表現の自由は憲法で保障された国民の権利であり、検閲は憲法第21条において、「検閲は、これをしてはならない」と定められているものと理解しております。
[質問7]東京都の人権課題には「外国人の人権問題」は挙げられていますが、在日コリアンへの複合差別や、人権問題については東京都の人権課題にはなく、問題の背景も明文化されていません。日本の植民地支配によって差別や不合理を抱えさせられた人々への差別の是正について、具体的に教えてください。
[蓮舫氏の回答]歴史的事実に向き合い、現在に続く差別の構造を変えていくためにも、人権啓発事業の推進などに取り組んでいきたいと考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]多様性は東京の活力の源泉であり、東京に暮らす全ての人々の人権は尊重され、護られなければなりません。東京都の「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現 を目指す条例」の前文にもある通り、誰もが認め合う共生社会を実現し、多様性を尊重する 都市をつくりあげるとともに、様々な人権に関する不当な差別を許さないことが大変重要と考えます。
[質問8]ヘイトスピーチへの対策について、具体的に教えてください。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動、いわゆるヘイトスピーチは許されることではありません。東京都の「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現 を目指す条例」には、不当な差別的言動の解決に向けた取組として、都有施設の利用制限、 拡散防止措置、事案等の公表、第三者機関の設置などが明記されており、こうした取組を、 表現の自由などの国民の持つ権利や自由を不当に侵害しないよう留意した上で実施してい くことが重要と考えております。
[質問9]2023年12月20日に東京都議会は、「パレスチナ自治区ガザ地区における人道目的の停戦等の実現に関する決議」(https://www.gikai.metro.tokyo.lg.jp/opinion/2023-4/02.html)を全会一致で可決しました。いまなおイスラエル軍によるガザ地区での軍事作戦が続くなか、国際社会に停戦を働きかけるために東京都として取るべき行動について、具体的に教えてください。
[田母神俊雄氏の回答]東京都は世界屈指の大都市であり、多様な国籍の人が集まっている。一方の非難・擁護に与せず、当地と距離のある東京にあって、自国の紛争を超えた友情で結ばれうることを示す。
[蓮舫氏の回答]東京都議会で、「パレスチナ自治区ガザ地区における人道目的の停戦等の実現に関する決議」がなされたのは承知しています。東京都においても、機会を捉えて意思表明をしていくことは重要であると考えています。
[小池百合子氏の回答(※回答期限を過ぎてから返答)]国際紛争などにより多くの犠牲者が出ていることは誠に遺憾であり、戦争は、決してあってはならないことです。外交は国の専管事項であるものの、九都県市首脳会議は、日本政府及び国際社会に対し、即時の人道目的の一時的な戦闘休止及び人質の即時解放などを訴え ております。また、東京都においては、ウクライナ難民の方々の都営住宅への受け入れなど、 国際紛争で命と生活を脅かされた方々に寄り添う対応が実施されております。国際平和に向け、地方自治体として何が出来るか、しっかりと考えてまいります。
【参照】アーティスト支部のウェブサイト