【組合員紹介＆組合員の手記】放課後デイサービスで真摯に支援に取り組むも業務上の問題を指摘したら不当解雇されたＷさん。組合に加入し解雇撤回と職場の改善を目指す

組合員紹介＆組合員の手記
放課後デイサービスで真摯に支援に取り組むも
業務上の問題を指摘したら不当解雇されたＷさん
組合に加入し解雇撤回と職場の改善を目指す

　はじめまして、Ｗと申します。私は放課後等デイサービスという児童福祉施設で正社員として勤務しています。この施設では、知的障害やADHD（注意欠如多動症）、ASD（自閉スペクトラム症）、LD（学習障害）などの発達上の課題を持つ子どもたちが将来、自分の障害と向き合いながら社会で自分らしく生きていけるよう、職員、保護者、児童本人と連携して支援を行っています。
■通信制の大学にも通いスキル向上目指す
　彼らが自立した大人へ成長できる手助けをすることが支援の目標です。また、私は福祉系の国家資格取得を目指し、通信制の大学に通いながら専門知識やスキルの向上にも努めています。児童と関わりながら大学で学び続ける日々は非常に充実しており、大きなやりがいを感じていました。
　しかし、最近になって職場で多数の深刻な問題が浮き彫りになってきました。例えば、送迎時の児童の安全を守るために法律で設置が義務付けられている「車両内置き去り防止装置」が設置されていない問題や、一部の児童に対する管理者の不適切な対応により虐待の疑いが生じることもありました。
■職場環境や支援の質の改善を目指すも孤立
　また、職員が十分に休憩を取れていない労務管理上の問題や職員同士のコミュニケーション不足、管理体制の不備が見受けられ、行政からも「職員間の関係性等の問題が運営上の重大な課題である」と正式に指摘を受けている状況です。私は支援業務を行いながらも、こうした問題に率直に意見を述べ、職場環境や支援の質を改善するための提案を行ってきました。
　しかし、こうした提案や意見に対する管理者の反応は厳しく、反発を受けただけでなく、無視や業務から外されるなどの不当な扱いを受けるようになりました。次第に、私に対する扱いはエスカレートし、職場内で孤立する状況が続くことで、精神的な負担も増していきました。こうした環境の中で、私は１０月１０日にプレカリアートユニオン（以下「ユニオン」と言います）に加入し、サポートを受けながら解決に向けて行動することを決意しました。
■解雇当日組合に加入。即時申入れ
　職場の環境改善を目指し、同僚にもユニオンへの参加を促し、共に職場改善に取り組むよう呼びかけましたが、同僚は「静観したい」という姿勢を示し、最終的には管理者の指示に従って私へのハラスメントに加担するようになりました。私への不当な扱いはさらに悪化し、職場での孤立は深まっていきました。
　そして、ユニオン加入からわずか１１日後の１０月２１日、管理者から突然解雇を告げられました。解雇理由も解雇日も明確に告げられず「今すぐ出ていけ、従わないなら警察を呼ぶ」と言われるなど、解雇の手続きも不透明で納得のいかないものでした。この曖昧な解雇通知に納得できず、私は解雇を言い渡された当日、ユニオンに相談しました。
　ユニオンは会社に対して解雇の撤回を求める申し入れを行ってくれました。解雇を告げられ不安で一杯だった私にとって、この迅速な対応は本当に救いでした。私は「解雇は不当である」という意志を示すため、翌日から３日間出勤を続けましたが、管理者は「元社員が居座っている」と私に解雇を言い渡した日も含めて４日連続で通報し、警察の介入を招く事態を引き起こしました。
■職場の理不尽に声上げる仲間と出会う
　その後、他の仲間の活動にも参加し、不当な扱いに立ち向かう仲間たちと交流を持つなかで、励ましと共感を得ることができました。不当な扱いに声を上げる仲間たちの姿に「自分一人ではない」と勇気をもらうことができました。この経験を通して、私は職場の平和と公平さを取り戻すため、仲間たちと協力して職場環境改善に向けて行動していく決意をしました。
　私が受けた不当な扱いは、個人の問題にとどまらず、社会全体にはびこる課題でもあると感じています。職場内での平等と安全が守られ、そして労働者の権利が保障される職場づくりに向けて仲間と共に力を合わせ、社会全体の問題として取り組んでいきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
　Ｗ（組合員）