プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

コミュニティ・ユニオン全国交流会inひょうご姫路開催「この社会に未来があるならそれはコミュニティ・ユニオン」

コミュニティ・ユニオン全国交流会inひょうご姫路開催

 季節外れの暑さを伴う清々しい晴天のなか、10月の5日6日の2日間にわたり「第31回コミュニティ・ユニオン全国交流会inひょうご姫路」が開催されました。「どこかで誰かが声をあげれば、みんなで駆けつける闘うネットワークを!」をスローガンに初日は大集会、2日目は各分科会に分かれての実践的なワークショップという形で行われ、わたしたちプレカリアートユニオンからは執行委員長清水、執行委員コメヲと、書記次長の稲葉が参加してきました。なお、プレカリアートユニオンも、今月の幹事会承認によって晴れてコミュニティ・ユニオン全国ネットワークの仲間入りを果たしました。

この社会に未来があるなら、それはコミュニティ・ユニオン
 全国交流会は、現地実行委員長の挨拶で始まりました。社民党福島みずほ参議院議員など来賓の方々のお言葉を頂きました。中野麻美弁護士の「この社会に未来があるなら、それはコミュニティユニオンだ」という力強い言葉に会場のあちこちから賛同の声が上がり会場は熱気に包まれました。

弾圧に負けない強い団結を
 全国ネットの活動報告、活動方針に議題は進みます。組織化に力を入れ、これからユニオンを担っていく世代のためにユニオンセミナーを行っていきたい。関生の弾圧にふれて、所属を超え弾圧に負けない団結と闘いの輪を広げていきたい。社会的労働運動を強く広めていき、残業しなくても生活できる賃金の実現を、等の活動方針が打ち出され、満場の拍手によって承認されました。そのご確認音による活動報告、今回は韓国から韓国非正規労働団体ネットワーク(韓非ネ)のメンバーも多数参加し、スライドとスピーチで韓国における非正規労働者の差別と貧富の拡大を訴えました。

TVでは放送できない強烈な政権批判コメディ
 全体集会が終わると、芸人松本ヒロ(ザ・ニュースペーパー)によるおよそ90分のショーが行われました。「憲法くん」と題したコメディのテーマは、「憲法は理想を形にしたもの、理想に近づくため現実を変えていくのが本来であって、“現状にそぐわない”と現実の次元に理想を引きずり下ろし、捻じ曲げてしまっていいのか」。現代政治の暴走に対し痛烈に強烈に問いかけました。会場は大いに笑い、時には涙する、まさしく本物のエンターテイメントでした。

報告集会
 会場を変え、レセプションまでの待ち時間を利用した報告集会へと移りました。限られた時間の中でしたが、様々なユニオンが、時には動画や音声なども駆使して活動の報告と支援要請を行いとても濃い報告集会となりました。集会の中で、外国人労働者技能実習生の問題に取り組む組合が多かったのが印象的でした。外国人労働者に対しての不当な差別との闘いは、全国規模で団結し闘うべき問題だと改めて認識するに至りました。

レセプション
 初日の最後は盛大なレセプションパーティーで締めくくられました。バンドや三線の演奏にダンス、そしてインターナショナルの会場を挙げての大合唱に会場は沸き立ちました。姫路の名物の姫路おでんを始め様々な料理とお酒を楽しみながら、会場獣で様々な交流の輪が広がり、大団円で初日は終了しました(その後、わたしたちも東海、九州など普段なかなか交流できない他ユニオンのみなさんと二次会で大いに語り合いました)。

実践的な分科会
 2日目は、様々な「旬な」労働問題にまつわるテーマを扱った分科会によって幕を開けます。とても実践的な内容で今後の運動の糧となりました。初日の大集会と異なり、参加者で向かい合って様々な意見の交換が行われていました。

次回開催は横須賀
 分科会の後、全体での集約集会にて「全日建連帯関西生コン支部への大弾圧を許さない!」特別決議が満場一致で採択され、集会決議により「来年はもっと力をつけ神奈川の地で再開しよう」と誓いあい、次回開催地横須賀のある、神奈川県のコミュニティユニオンによって次大会の案内が行われ全国集会は幕を閉じました。国家ぐるみの未曾有の組合潰しに対し団結して闘っていく姿勢、お互いに助け合い励まし合って力をつけるを皆で再確認できたとても有意義な集会でした。

 

分科会参加報告

 「精神疾患の認定を勝ち取るには」と題した、労災認定の現状とノウハウについての分科会に参加してきました。精神疾患の労災認定は、非常に難しいという認識を持って臨みました。数字を見ると、精神疾患の労災認定は2017年度1732件中506件。その影に、労災申請を諦めてしまっている多くの被災者やご遺族の方がいると思うと、やはり相当な敷居の高さを感じます。認定に際して、長時間労働は認められやすく、パワハラや退職勧奨は認められにくいという特徴があり、その大きな原因のひとつに不十分な労災認定基準があります。労働基準監督署の担当者による調査手法、事実に迫ろうとする熱意、決定までの期間、医学的判断などの「ばらつき」も小さくありません。分科会では認定基準のポイントや具体的事例の解説を聞き、参加者間で活発な意見交換が行われました。日々の労働相談においても精神の不調を訴える相談者の方が多いのを実感しています。被災者が1人でも多く正当な認定を受けられるよう、研究・学習を重ねていきたいと思います。

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